無責任賛歌
日記の表紙へ|昨日の日記|明日の日記
2004年02月06日(金) |
入院日記5/こわれた女 |
午前中、トレッドミル検査。 これはベルトコンベアの上を電極付けて走って、心拍数の変化を見るものである。 「『トレッドミル」ってどういう意味ですか? と技師さんに尋ねたら、「トレッドミルさんが考案したんです」とのこと。山田さんが考案したら「山田検査」になるところだったのだな。 心拍数、一分間に140〜150くらいまで上がるが、機械を止めて3分経っても120くらいまでしか下がらない。運動不足のようだが、小学生の昔から私の脈拍は速いのである。ふにゃふにゃなくらいにリラックスしていてなんとか80くらい、100が基準のようなものだから、120なんて息がちょっと切れてるくらいにしか感じないのだが、キカイを見てるお医者さんはそんなふうに判断はしないだろう。退院が遠のくような気分になって、タメイキが出てくる。
糖尿病教室が終わったころ、しげ、見舞いに来る。 以前の入院のときにも、しげにいろいろ頼みごとをしたはいいのだが、忘れ物と勘違いの連続でほとんど役立たずであった。それに懲りて、今回の入院については「ムリに見舞いに来なくていいよ、洗濯はコインランドリーで自分でやるから」と言っておいたのだが、しげは「金曜は病院帰りに寄れるから」と、どうしても来たがったのである。 来るなら来るで、用事を頼まないわけにもいかないので、やっぱり以前と同じように着替えや何やら、「これくらいなら失敗しないで持ってこれるだろう」と思われるものを頼んでおき、念のためにメールまで打っておいた。それでも海馬が餓死しているしげのことだから、失敗の可能性は決して消えない。念には念を入れて更に石橋を叩いて渡るように直前に電話まで入れて確かめた。するとしげはもう家を出ていて、バスタオルやジャージなど、頼んでおいたものはやっぱり殆ど忘れていた。 「途中で買おうか?」と言うので、「それはいい。こっちに来たら外出許可を貰うから一緒に買い物に行こう」と言って、これ以上の失敗をしないように制止した。 それでもそれでもこちらの予想をはるかに越えて、トンチンカンですっとぼけたドジをしげはやらかしてくれるんじゃなかろうかと心配していたら、まさしく予感は的中したのであった。しげの腐れ脳は人類の想像の及ばぬところにある。
「勝手に買い物するなよ」と厳命しておいたのに、「無印商品」で余計なものを買ってきているのである。バスタオルが千円で、ジャージが上だけで二千五百円。ムチャクチャ高い。しかも「寝巻き用に」ジャージを頼んだのに、「運動用に」フードつきの分厚いものを買ってきている。こんなの着てちゃ、暑くて寝れるものか。運動と言っても散歩だから大袈裟なものは要らないのである。なぜ寝巻き用だと気付かないか。 しかも、駅から病院への通り道には百円均一のダイソーがあって、バスタオルは二百円で買えるし、ドンキホーテに寄って来れば、ジャージだって千円で買えるのである。よりによってどうして無印で買うのか。わけを聞いて見たら、 「だって人の流れが無印に向かってたから」 親カルガモのあとに付いてく子ガモか、オマエは。 ここまではまだいいのである。もう一つ、運動中の脈拍を測るために、「秒針付きの時計」を持ってきてくれるように頼んでいた。ところが、しげが持ってきたのは、確かに秒針が付いてはいたが、「置き時計」だった……。 こんなの持って歩けるか(-_-;)。 そりゃ「腕時計」とはっきり言いはしなかったが、普通、「秒針付き」と言われて「置き時計」を連想するものだろうか。何に必要なのかも考えなかったのか、と問い質したら、 「だって、秒針が付いてないとアンタ目が悪いから時間がわからないのかと思って」 「目が悪くて時間を確かめたいなら、アナログよりデジタルを頼むだろう」 「ああ、そうか」 ……真性のバカである。 結局、外出許可を貰って、ドンキホーテまで時計やジャージを買いにいくことにした。またまた無駄な出費である。
6時前にしげ帰る。窓から病院の前の道を見ると、しげ、名残惜しそうに振り返り振り返りヨチヨチと帰っていく。車に撥ねられるぞ。
2003年02月06日(木) 新聞がみんな同じに見えるのは気のせいですか(~_~;)/DVD『明智小五郎対怪人二十面相』/『D坂の殺人事件』(江戸川乱歩) 2002年02月06日(水) なんかもー、下血とともに生きる毎日ね/『幻竜苑事件』(太田忠司・大塚あきら)/『よみきり▽もの』1巻(竹本泉)ほか 2001年02月06日(火) 文化はやはり相対的なもの/『NOVEL21 少年の時間』ほか
日記の表紙へ|昨日の日記|明日の日記
☆劇団メンバー日記リンク☆
藤原敬之(ふじわら・けいし)
|