無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2004年02月07日(土) 入院日記6/けーかほーこく

 朝刊に、私とグータロウ君が昔お世話になったことのある国文学者の松田修氏が、6日、肺炎で亡くなられたことが載っていた。享年76。
 近世文学、芸能史が専門で、それ以外にも異端文学に造詣が深く、探偵小説界では既に評価が高かったにも関わらず、文壇では無視にちかい扱いを受けていた夢野久作についても、「もっと評価されるべき」とのご意見であった。寺山修司とも親交があり、その早すぎる死を悲しんでいらっしゃった。
 長い間闘病生活を続けておられていたので、近年は著書も少なくなっておられたが、全集が発行されていたので、きっとお元気でいらっしゃるのであろうと思っていたのだが。
 正統も異端も区別はない、そこには人間がいるだけであるという氏のご姿勢が好きだった。そういう偏見のない人は滅多にいないのである。残念でならない。


 主治医から、この一週間の診断の説明を受ける。以前の検査と比較して見ると、一時は12%もあったヘモグロビンA1Cの値が、10%まで落ちている。ということは、この一月、二月ほどの血糖コントロールは、かなりうまくいっていたということである。しかし、平常値の「7%以下」にはまだ程遠い。
 運動不足、ストレスがコントロールを狂わせていることは間違いなさそうである。食後1時間経ってからの運動を勧められるが、仕事に戻ったらそう簡単にいかないこともわかってることだからなあ。
 と愚痴ってばかりもいられない。運動療法は来週からの予定だが、早速午後は外出許可を貰って病院の周辺を散歩する。見覚えのある道をぐるぐると散策してみたが、以前あった古本屋が一軒、つぶれてしまっていた。若いころに行きつけだった古本屋は、もう一軒もない。本当に、昔ながらの古本屋が消えていっている。ぶらりと発ち寄れる店が消えて行くのは本当に淋しい。
 仕方がないので、デパートの本屋に寄って、新刊本をなんぽか買う。


 今月の『文藝春秋』、芥川賞受賞特集。金原ひとみ『蛇にピアス』、綿矢りさ『蹴りたい背中』をパラ読み。内容の好対照が面白い。どうせ「2作目以降続くかどうか」とかやっかも半分の下らんことを言い出すヤカラはいるだろうが、その作家さんが続くかどうかはどうでもいいのである。評価されたのは作品であって、人ではないのだから。面白いものを書けば続くし、つまらなければつぶれるだけの話である。
 唐沢俊一さんが『“へぇ”の効用』と題したエッセイで、「この“へぇ”を使えば、それ(雑学披露)に何の苦労もなく切り返し、その知識に点数をつけて批評することで、逆に相手より上の位置につくことが可能となる」ということを書いている。真っ先に切り返されるのがこれまで雑学をススメてきた唐沢さんご本人だと思うがなあ(^_^;)。

2003年02月07日(金) ベスト?/『赤ちゃんをさがせ』(青井夏海)/『じつは、わたくしこういうものです』(クラフトエヴィング商會)/映画『白夫人の妖恋』
2002年02月07日(木) びっくりにびっくり/アニメ『七人のナナ』第5話/『なんだかコワレ丸』1巻(矢也晶久)ほか
2001年02月07日(水) ♪それ行け、不倫不倫不倫、どこまでも♪/『萩原朔太郎写真作品 のすたるぢや』ほか



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