無責任賛歌
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2002年10月13日(日) |
芸のためならって問題でもないんだけど/DVD『アベノ橋魔法☆商店街』3巻/アニメ『サイボーグ009完結編』 |
朝は爆睡。起きたらまた昼の12時である。連休はどうしたって気が抜けるなあ。 もう最近はハナちゃんがどんなトラブル起こしてるかもわかんなくなっちゃってるよ。ライダーはもう13人分ったのかな。羽田さんまだ下手なトーク続けてるのか。ぴたテン、少しは作画マシになってないかなあ。 そろそろ朝ちゃんと起きて、午前中のうちに原稿書いたりホームページの準備をしたり、建設的な生活をしたいものだが。
『アッコにおまかせ』を何気なく見ていたら、水沢アキが17歳当時、森本レオにレイプされたのを激白したとか。30年前ってことだからもう彼女も47歳か……遠い目(いや、若い頃はいろいろおセワに)。一見、清純派に見えるんで、ウチの親父なども隠れファンだったのだが、実は結構若い頃から2時間ドラマなどでレイプされる役など演じてたのである。心にキズ持っててよく演じられたなあ。 事件の経過は、本人の談によれば、当時、毎日テレビのドラマ『夏に来た娘』で共演していた森本に「演技指導してあげるから」と言われて、自宅へ招かれたところ、フトンが敷いてあって押し倒されたということである。今になってどうして告白したかというと、最近、森本の不倫騒動が報じられて、自分と同じような目に合ってる人がいるのを考えたらガマンできなくなって、ということだ。 突然30年前の古傷をえぐられた森本レオの方は、「オトナの付き合いでした」とレイプを全面否定。なんだか初めから真相は藪の中って感じだ。 普通ならレイプの報道ということになれば、加害者である森本レオ、ケシクリカラン、ということになりそうなものだが、和田アキ子も峰竜太もアリとキリギリスも小池栄子も(こうして並べると濃いメンツだよな)、ほぼ一方的に「なんで今さら、水沢アキ」という意見に終始している。……嫌われてるんだなあ、水沢アキ。 何しろ、「仮にレイプが事実でも時効」「森本レオが名誉毀損で訴えて、売名行為が立証されたら水沢アキのほうが罪になる」とまでフリップを用意して説明してるのだから、念が入っている。 確かに、これまでレイプの事実を「黙っていた」ということは、本人の体と心の傷がいかに大きかろうと、客観的にはそのレイプの事実を「許容していた」と見なされても仕方がない面がある。言っちゃなんだが、その30年の年月の間に、水沢アキの心の中で合意の行為だったものがレイプにすり返られた可能性だって否定はできないのだ。人間の心って、それくらいの記憶操作は簡単にする。 ただ、和田アキ子たちが水沢アキに対して怒りを露わにしているのは、必ずしも彼女の告白の信憑性を云々しているわけではないようだ。和田アキ子はいつものかるーい調子で(でもドスは利いた声で)「私なら、レイプされてても30年経って言ったりしないな」と発言していた(もちろん「するほうじゃん」とのツッコミあり)が、そのウラには、大なり小なり、自らの身を犠牲にして今の立場を築いてきた芸能人としての呪詛が篭っているように思える。なんか呪詛なんて言い方をするとえらく重く聞こえるかも知れないが、やはり芸能界、特に役者の世界は「体張ってなんぼ」の世界なのである。法がどうの、女性の権利がどうのと言ったようなキレイゴトなんて通りゃしない。やはり映画版『Wの悲劇』での三田佳子のセリフ、「あなただってカラダ使いませんでした?」ってのは真実であるのだ。「たかがレイプごときでなぜ騒ぐ」、これが口にこそしないが、芸能人たちの一般常識なのだろう。 これが、告白したのが一般の女性であったなら、たとえそれが売名行為であったとしてもこういった反応は少なかったのではないかと思う。「シロウト女を犯して捨てた悪いヤツ」という、森本レオに対するダメージのほうが大きかったのではないか。なんで被害者である水沢アキのほうが槍玉に上げられるかというと、つまりは彼女が30年間、役者として一歩も進歩してこなかったということが、今回の告白でバレちゃったからなのだ(水沢アキって役者だったの? という声も聞こえてきそうだな)。 「犯されるのも芸のコヤシ」、というのはムチャクチャな論理ではあるが、それは役者の世界において一面の真実であることは間違いのないことなのだ。彼女の行為はシロウトの行為でこそあれ、役者のソレではない。「これで自分が干されても構わない」とか決意表明のようなことを言ってるらしいが、彼女が干されるとしたら、芸能界のタブーを犯したからではなく、単に「使えねえ」役者だからだろう。今後の経緯がどうなるか知らんが、まあ水沢アキの決意に反して「レイプ? それがどしたの?」ってことで流されちゃうんじゃないかね。 こんなこと書いてるからって、私がレイプを肯定してる、なんて誤読しないようにね。もともと反道徳的な世界の論理を、杓子定規に一般的な正論で判断しようとしたら、かえって現実から目を背けることになるよって話なんでね。これはまあ、素直に「水沢アキの売名行為(レイプも多分、彼女の被害妄想)」と捉えといて構わないと思うけど、いかがでしょうか。
続いてもう一つの「今さら」話、荻野目慶子さんがもう十年以上も深作欣二さんの愛人だったんですって。これは水沢アキの場合と違って、著書の中で告白してるからまさしく「女優」としての活動の一環。押し倒されたとたん、思わず「カントク!」と叫んだとか、「これはもしかしたら死んだ河合義隆監督が(荻野目慶子と不倫関係にあって自殺したのである)蘇えったのではないか」と考えたとか、キテますねえ、これは(^_^;)。 深作監督も、ガンの手術をして男でなくなるくらいなら死んだ方がマシだと、命かSEXかでSEXを選んだってんだからねえ、根性入ってるというか、いかにも深作カントクらしいというか。さすがの和田アキ子たちもこのニュースにはヒトコトもコメントしなかった。そりゃ「さいですか」としか言えんよなあ。 で、彼女がまさしくレイプ経験を芸のコヤシにしてることは、『高校教師』や『忠臣蔵外伝四谷怪談』の狂気の演技で証明ずみ。全く、『獄門島』のころの可憐な美少女はどこに行っちゃったんだか。 この二つのニュースが並べられてるってのは、全く妙な偶然もあったものである。役者としての軍配は圧倒的に荻野目慶子に挙げられるだろうが、実際に付き合う相手としてどっちがいいかというと、どっちも泣き寝入りしてくれないって点では同じなのである。 しげはもちろん荻野目慶子タイプだが、もちろん襲われたのは私の方なのである(じゃあ和田アキ子じゃん)。
せっかくの休みだし、買ったままでまだ見てないDVDを見ようと、まずは1本、アニメ『アベノ橋魔法☆商店街』3巻。 CS放映時には見損なってた第七話『回想! 魔法商店街☆誕生』、これはこれだけで青春アニメの一編としてよくできてる。『王立宇宙軍』と言い、『ポケットの中の戦争』と言い、通じ合わない恋を描かせたら山賀博之さん、絶品だね。無駄な描写を極力省くテクニックがうまいのだ。 どういうところかっていうとさ、夢音が好きな相手の阿倍のために弁当を作ってるわけよ。なのにそれを阿倍のところに届けようともしないで、花に黙々と水を遣っている。それを見て、若き日の雅ジイ、嫉妬してその弁当を「阿倍に届けてやるから」と言って取り上げる。夢音は雅ジイを呼びとめようとするけど、すぐに諦める。もちろん、雅ジイはその弁当を届けないで自分で食っちゃうんだが、ゴマで作ったんだか、弁当のハートマークが切ない。 説明すると陳腐になっちゃうんだけど、もう、この時点で三人の関係は壊れちゃってるのだ。阿倍は雅ジイが夢音のことを好きだと知ってるから、一旦は関係を持ったものの、もう夢音を避けようと思ってる。夢音はもう阿倍が自分の弁当を食べてくれないと知ってるけど、それでも作らないではいられない。雅ジイは嫉妬はしてるけど、弁当をそのままにしている夢音を見てるのがつらくて仕方がないから、それを持って逃げる。夢音だって、雅ジイが自分のことを気遣ってくれてるのが分るから、呼びとめることができない。お互いに相手のことを思っているのに結局ドツボにはまっている様子を、くどい説明をせず、演技だけで示している。こういうのを「演出」というのだ。 山賀監督、殆ど映画を見ない人らしいけど、こういう脚本が書けるというのはやはりスバラシイ才能だ。だから早いとこ『蒼きウル』作ってよって。
アニメ『サイボーグ009完結編 Conclusion God's War』第二幕「光の羽音(はねおと)」。 さて、先週見そこなってたので、果たしてどんな出来になっとるものやら、と思ったけれど、作画がやっばりガタガタ(^_^;)。つーか、「文成動画」って、また外注に出したかよ。ラストの5分だけはなんとかまともな作画に戻ったけれど、絵コンテ段階で既に演出のセンス一つ感じられない雑なもの。これが三十年近く待たされた完結編の序章ってか? やっぱり1話分削られたのは、少々きつかったのかなあ。 こういう中途半端なとこで終わっちゃって、果たして続編は作られるんだろうか。希望としては1年の間を置いて、テレビシリーズ第2部、映像化されてない『海底ピラミッド編』とか『エッダ編』とか『ディープスペース編』とかもやってほしいものだけど(結構『神々との戦い編』に直結しそうなネタを避けてたことから、スタッフはそういう路線も考えてたんじゃないかって気がする)。もちろん最終回は今回の続き、神々との戦いを描いてもらってね。 今回の『序章』編、神々とは何か、原作の『天使編』ではまさしく「造物主」として描かれていたものが(半村良の『収穫』だね)、今さらハネのはえた天使でもあるまいって判断だったのか、全世界の神話・伝説を統合したような全く違った設定で描かれる、と聞いてたんで、そんな御大層なことができるのかいな、と危惧してはいたのだ。 で、やっぱりモアイとかみょうちくりんな神殿とか、神の巫女とか、どうしょうもないアイテムばっかり出てくるし(-_-;)。もう既にトンデモ本等が流行したあとじゃ、そんなの、どうにもニセモノくさく見えちゃってねえ。グレイも出てくるんじゃないかとマジで心配しちゃったよ。あの光の中の神(?)がソレ臭いよな。 神々の正体、『海底ピラミッド編』みたいに姿を見せないままでやるしかないんじゃないかと思ってたけど、それだと009たちのアクションがなくなっちゃうからねえ。だから代理としての巫女を出すのは分るんだけど、せめて演技の付け方、なんとかならなかったものか。この土壇場でスタジオOX、降りてんじゃないよって。 まあ戦闘服が青くなってたのもねえ、アイデアはいいんだけど色塗りが徹底的にヘタだったから、なんとも地味に見えちゃってさあ。キャラクター、みんな沈んでるよう。いっそのこと最初の映画版みたく、009だけ白にしてくれたらよかったのに。 もう一つの疑問。『天使編』のラストでも描かれてた。001がみんなに与えたって新しい力、エスパー能力じゃなかったの? 008の「水を自由に操れる」というのはそれっぽいけど、004なんてスキルアップしたってだけじゃん。それは改造手術でなんとかするものであって、001がどうにかできるものでもないように思うんだがなあ。
連休の合間ということで、一番ゆったりできたが、日記の更新は遅々として進まず。ネット散策して早々と就眠。明日は少しは部屋を片付けようっと。
2001年10月13日(土) 封印/第三舞台『ファントム・ペイン』(鴻上尚史作)/アニメ『カスミン』第1話 2000年10月13日(金) 病気自慢と白髪三千丈と……ね、眠い/映画『レッド・ブロンクス』
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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