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■ 業界の匂い
以前、ちょっとの間だけ東京駅近くの地下のバーでバーテンダーをしていたことがありますが、もう始めてから一週間くらいで、客の姿を見るとどの業界の人か分かるんですよ。 客の大半は、金融・外資・商社・建設・メーカーでしたが、もう一目見てどこから来たか分かるのね。先日そんなことを思い出しました。 私のいる大学は、方針としてどの学部の授業でも好きなだけとっていいよ、ということにしているので、基本的に所属学科はあまり関係ない。ビジネススクール・ロースクール・文学部・農学部・・・で展開されている講義の内、自分の研究分野に関係すれば取ることにするわけです。
それでね、教室にはいると空気が違うわけですよ。もうね。ロースクールとか、ここは会議室ですか?っていう感じな訳ですよ。みんなスラックスにシャツきてるし。文学部とか、ケンカの弱そうな奴ばかりだ・・・。(私はいつもすり切れた短パンにポロシャツだ。) んで、一応自分のホームベースの農業・環境系の分野の講義にいくとね、ほっとするわけです。その日、ラボの時間に熱帯性植物の見学会があり、先生のお供をしたら楽しかったよ。 いつも人類の未来を考え続けてる先生とか、化粧っけの薄い女の子とか、洗いざらしのシャツの男の子とか。何よりみんなニコニコしながらディスカッションをしている。
イギリス人のその先生は、土埃と暑さに苦しむ学生を見て必死にジョークを言うわけです。 「これから穀物類から、今度はマメ科植物に移ります。色々あると思うんだけど、鹿とリスたちがどれが好きで、どれが嫌いかちゃ〜んと分かるのですよ・・・」
ま、滑るわけですよ。 学生(特に学部生)はあつぃ・・・って思ってるのに、体して面白くもないジョークを連発する。さすがイギリス人。あぜ道を移動している最中に、隣にいる私に
「みんなに笑顔で観察して欲しかったんだけどな・・・」
ってつぶやくんですね。いいひとだー(゚∀゚)「覚えていらっしゃいますか?一緒に行ったインドのICRISAT(半乾燥地域研究所)の敷地で鳥の観察に三時間も散歩した時を思い出します。あのときは楽しかったです」となんとか元気づけてみたら、喜んでもらえた。
居心地の良い業界だな・・・。なんでだろう?やってることは他の業界と変わらないんですよ。最先端はやっぱり複雑で、漠然としていて、つかみ所がない。そもそも先端まで立つのにも非常に苦労が必要だ。それでも、なんとなく農業だったり、開発だったり、環境保護だったりすると居心地が良い。
自分に居心地のいい業界のにおいの立ちこめる場所の方が、あなたの生産性も上がるのかもしれません。明日、オフィスに出勤したら嗅いでみて下さい。
2007年09月23日(日)
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