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■ 祈り。
今日もあの日も私の上にはただ変わらぬ日常だけが流れて、まるで絵空事のような、走査線の中の出来事たち。世界は狭くなったというように、もしも通信などというものがなかったら、私たちはきっと遠い国や見知らぬ誰かのことを思って胸を痛めることもないのだろうと思ったりする。 この狭い世界に私たちは生まれて、それは最初から当たり前のことだった。知りたいと思うことはいつもこの手の中にあって、ときおりそのことの不思議さを思うこともあったけれど。きっと距離感などというものは絶対的なものではなくて、気持ちひとつ。ただ思うだけで、どんな遠くへも、私たちの心は飛んでいけるのだろう。遠くて近い、近くて遠い、さまざまな人や出来事が脳裏に浮かんでは消える。
とてもおこがましい小さな祈りがいつかささやかな力に変わるように。たくさんの胸の痛みも、すべていつかのためならば。
2002年09月11日(水)
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