スナックおのれ
毛。



 指がくさい。

骨折した薬指も徐々に快方に向かい、傷口保護のためのガーゼもとれました。しかしながら、くさいんです。指がまさか!と思うかもしれませんが、あきらかにくさい。なにか皮膚の香りじゃない、生体ぽくない香りがしています。特に料理のあと、ごはんを食べる時。箸を口に運ぶと、一瞬、ファーンとさりげなく。まるで薬指に小さな小さなぞうきんがかかっているかのようです。もちろん、匂いは周囲にはわかりません。それほどかすかなんです。でも、かすかだからこそ、気になります。人間は弁解不可なほど常軌を逸していると開き直りに転じますが(例、電車のルンペンは気にしてない)、かえってこのくらいの臭さは鼻につくもんです。まるで、すばらしい陶磁器に見えた1点のコゲ、まっ白なスーツにおける小さなカレーのシミ!薬指の小さな反逆者!先日、医者には「まだぷくぷくしてるね〜」とまるでかわいらしいものかのように形容されましたが、そんなもんじゃない!一体、どうしたものか!

2008年05月31日(土)



 受け入れ体質の本。

堀江敏幸の本を全部読んだわけではないけど、好き。日常に投げ出されているあたりまえのことを、きれいに書いてあるから心地いい。ときどき、心が忙しい時とか、ぽっかりした暇な時期なんかに読むと、ほっとする。私ってものを包んでくれてるやさしいものは、ちょっと立ち止まらないとわからないんだなあと思う。たとえば、しとしと降る雨の音だとか、つつじの奥からのびてる髭みたいなおしべとか。せかせか歩いていると、まったく気づかなかったり、むしろうざいなあと思うことが、実は背中をぽんぽんと叩いてくれることに気づく。そんな堀江敏幸の本。全部読んだわけではないけど、むしろそんな関係でいいやと思わせてくれる本。その作者の堀江敏幸。私はてっきり50代くらいの人と想像していました。ところが、40代なかばの人だったんですね。しかも、ぱっとみは30代にすら見える。最近はセンター試験とかで多く出題されてるみたいだけど、どんな問題になってるんだろう。ちょっと興味があります。もちろん、とける自信はまったくないですけどね。なんてったって、中高と国語教師に思い込みが激しいという称号を頂いていますから。それでも許されそうなところが好きなんですけどね、堀江敏幸。

2008年05月21日(水)



 真顔4000年の歴史。

先日、コキントウ国家主席が来てましたね。ゴールデンウィーク最終日、きっと東京じゃ首都高大渋滞ねとのんびり福島から眺めておった次第です。そのコキントウ、卓球してましたね。でもって、その卓球ですが、本気になりすぎでした。ジャケットぬいだなあと思うやいなや、目をかっとみひらき、口ははんびらき、さっきまでゆるんでいたはずのほっぺたがぶるんぶるん揺れて、左に右に前へ後ろへはずむはずむコキントウ。いくらなんでも、本気になりすぎだろうと。相手は一応世界卓球でてるぞ、と。普通なら、「やっぱり強いねえ」で、にこやかにすます場のはずなのに、突然やってきた修羅場。おおらかとか、余裕とか、大物ぶりとかの見せ場ではなく、あくまで強さとか、本気度の見せ場なんだな、と思いました。何度か中国人に怒られたことのある私ですが、そういえば、その瞬間にちょっと似ています。だって、突然、真顔になるんだもん。さっきまで笑ってたのに、突然目がかっとなって怒髪天。突発的真顔4000年の歴史VS眼鏡の七三。勝負あったなと思うのは私だけでしょうか。

2008年05月19日(月)



 弁当屋の米。

先日、現在進行形でコピーライター養成講座に通っている友人と会いました。年始に「話を聞かせてね!」的なことを言われていた私は、かなりおびえていいたんです。だって、彼女何を聞かれるかも想像がついたんですもん。たとえば「コピーライター講座に通った?」。ほらね、と思いながら、そのあと、「どんな仕事してるの?」と聞かれると直感した私は、話題を彼女の金のえんぴつ獲得にしむけました。策として。
私もコピーライター養成講座に通いたかったときがあります。どんな人がどんなことをしゃべるんだか聞きたかった。でも、お金なかった。なかった!ただ、自分に必要なものがそこにはないこともだんだんわかってきました。
私に必要なものは、弁当屋でいう「米」です。弁当屋の米って、ふっくらうまいこと炊けてておいしいでしょ。おかずがおいしくたって、米がびちゃっとしてると、ちょっとむかつきさえするでしょ。その「米」の炊き方が未だに不安定。ハンバーグとかからあげとか、すてきなおかずがキャッチコピーとか案だとしたら、米はボディコピーです。あのコピーライター養成講座が添削してくれるとは思えません。っつか、大先生に申し訳ありません。
私はラーメン屋見習いがぞうきんで麺の返し方を練習するように、やっていくしかないようです。とりあえず読書読書。とりあえず写経写経。地道は地味ってことだ痛感。

2008年05月18日(日)



 骨折とその仲間たち。

先日、指の骨をわりました。骨折という病名ですが、私見では、わったといったほうが良いと思います。なぜなら、長い骨をポッキリいったわけではなくて、指の先にある丸いお皿のような骨が割れたから。骨折がはじめてなので、その本来の痛みはわからないのですが、私は、骨折よりも「その仲間たち」にやられます。
「その仲間たち」とは、骨折の際にいっしょに負った打ち身的な内部のキズ的な。ちょうど傷ついたゴム手袋を裏返したように、私の指のなかにキズがあるのです。ふつう、傷口からでた血は、外に流れ出ますが、この「その仲間たち」の場合は、なかにどんどんとたまり痛みをひきおこします。なので、最初病院に行った時には、「その仲間たち」をぬかれました。それから痛みはずいぶんと引きましたが、今日になって、またまた「その仲間たち」が大騒ぎ。病院に行ってみると、中で血が分離しはじめたらしい。「その仲間たち」の仲間割れ。かくして、また「その仲間たち」抽出。その仲間たち、仲間割れ、そして、間引きもしくはクラス分け。しかしながら、先生、骨折も気にせずぐいぐい押しすぎです。しばらく、ショッピングセンターの喫茶室でうなだれ、痛みで、歩けないことにへこみ・・・。これほど、自分に血が通っていることをのろっったことはありません。

2008年05月16日(金)
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