スナックおのれ
毛。



 あんたに、惚れた。

 今月、諸事情ありまして、金がまったくないんです。ためていた貯金もいつのまにか散財。なんてったって、私、ちまたでならした浪費の女王ですから!
 そんなわけで家賃もどうなの?状態。私に残された少ない知恵をもってしてどうにかしてやろうとは思っているんですが、本すら買う金もままならない。そんな中、好きな作家さんの本が発売。本屋でキャッシャーのまわりうろうろ。大事に読もう、大事に読もうと心に決めてお金を払うと、店員が聞きます。「カバー、かけますか?」。私、「お願いいたします」。
 店員にゆだねられた私の黒い表紙の本。店員は大きな茶色の紙を取り出して、本を置き、紙を本の形に織り込んで、その後、はさみで整形。先ほど、つけた本の形に合わせて、ギュッギュッと強く紙を織って、きれいにたたんで、それはそれはきれいなカバーをつけてくれました。その間の真剣さといったら!いやあ、あんたに惚れた!ついていく!顔は若干しょぼかったけど、次もたのむよ!なんだか感動しながら、後ろをふりかえったらキャッシャーには長蛇の行列。私は嬉しいんだけどね、あらら。がんばれよ。

2004年11月29日(月)



 辛い時には。

 辛いとき、銭湯に行きます。体をギュウギュウ洗って、垢をこすりおとして、じっくりと熱い湯船に入る。銭湯のお湯って、塩素のせいか、妙に透明。それを、じっとみながら、ゆらゆら揺れる自分の体をみたり、底の細かいタイルの装飾を見たりして、汗でろ、汗でろ、と願います。なんだか、汗といっしょに自分の嫌なもの全部出るような気がするんです。
 ある時は、とりあえず、ねっころがって天井を見ました。で、思い浮かぶ単語を全部、適当に口にしました。自分の声を聞いて、なぜかびっくり。声のひとつでも失えよ、と思ったんです。なんで泣かないかなあ、と思ったり。その後、無理矢理酒飲んで、尿意をもよおして。水が飲みたくなったり、風呂が熱い、ウンコしてえ、と思ったり。辛くても体は生きることを忘れちゃくれない。あったなあ、そんなこと。

2004年11月28日(日)



 カッコ面と宿命。

 プレステ2(自分のものではない)がウチに来たことをいいことに、ミッシェルのDVDを見ています。アベフトシとかチバユウスケをみながら、かっこええのう、とぼんやり見ています。特にアベフトシの時々のニヤリづら。歯がチラリと見える様。持て余してる長い手足。ええのう、ええのう。と、ばあさんが若者を見る気持ちでみていたんですが、ふと、自分自身の男事情を考えました。
 私。27歳、女子。弟あり。従兄弟に男子多し。また、遊び仲間も主に男子。だのに、だのに、なぜこげなカッコ面がおらんのじゃ?と不思議に思いました。アベ氏面、チバ氏面とは申しません。単なるカッコ面、おらんのねん。みんな気さくな面白い輩ばかりだけど、どちらかと言えば、みんな「色モノ」。ひとりくらいは、目の保養がいてもいいじゃない、なんて。でも、その場合、私が惚れる場合があるので、駄目か。くそ。とすれば、もう産むしかない!手足が持て余す程長くて、はにかみ笑いが素敵な男子を産むしかない!自分の息子が見ほれる程、かっこよかったら、こりやあいい。しかも、ちょっと無口!これだ!!
 でも、現状、今の私にはカッコ面はおろか無口すらのぞめそうにありません。結局、類は友を呼ぶ、ならびに、カエルの子はカエルになりそう。私、生涯、カッコ面はのぞめそうにないです、ハイ・・・。

2004年11月27日(土)



 自称ファミコン世代決起。

 小さなPS2がやってまいりました。私のじゃないけれど、やってまいりました。いやあ、すばらしいですね。最新のゲームができちゃうんですよ。でも、それだけじゃない。今まで12インチの小さな画面で見ていたDVDが24インチの画面で見れちゃう。ゲーム機能だけじゃないゲーム機。すげえことが起きるもんだと思いました。
 50代の人を団塊の世代。30代をガンダム世代というのなら、私たちはファミコン世代なのかな、と最近思います。ファミコンが発売された当時、私は小学校低学年。それまではピンボールとかゲームウオッチとかゲーム機ひとつにゲームはひとつ。ファミコンはゲーム機ひとつで何種類ものゲームができちゃうし、それまでのゲームよりもはるかに画像が良い!すごいなあ、なんてよけいなことは思わず、ただただ夢中になりました。そのうちスーパーファミコンがでて、またそこでさらにびっくり!ファミコンなんかよりも映像が音がすごい!思えば、私自身の成長の横にはゲーム機の成長がありました。
 果たして、今のこんなファミコン世代の私たちが後々、どう評価されていくのか。その評価はわからないけど、だんだん世の中楽しくなってきたじゃない。景気もちょっぴり元気になってきたじゃない。そろそろ、がんばりどきみたいだぜ。同世代たち!

2004年11月24日(水)



 平和島でハウる、の巻。

 少し前の話ですが、ハウって参りました。いえ、スピーカーがピーとか不愉快な音を出すハウリングじゃござんせん。ハウルの動く城を見に行ってきました。しかも、初日に。でも、そこは平和島。30分前でも並ばず席を確保。やっぱり話題作は平和島に限るねえ、なんて。
 でも、今までになく混んではいました。あんなにぎわいは初めて見たかもしれません。で、劇場内も人ひとヒトの洪水。しかも、平和島には珍しい子供の姿まで・・・。でも、この子供ってやつが、くせ者です。映画中、しゃべるわ、わめくわ、なくわ、ぼやくわ、てんやわんやの大騒ぎ。でもって、平和島シネマサンシャイン名物「途中退席(尿)」もチラホラ。
 「ハウルの動く城」は子供から大人まで楽しみにしていたジブリの最新作。劇場内にポケモンやとっとこハム太郎好きの子供から、団塊の世代まで詰めかけるのは、当然のことです。だからこそ、じっくり見たいのなら劇場と時間帯を選んだ方がいいのかもしれません。ちなみに内容の方は、まだ始まってまもないため、言及しません。あしからず。

2004年11月22日(月)



 わが家の冷蔵庫事情。

 最近、野菜が高い・・・。キャベツ一個400円とか、なんなんですかね?最初のうち、私、この野菜の高値をナメてたんですよね。ほら、モノに高値がつくなんてよくあることじゃないですか。だからね、そのうちおさまるとばかり思ってた。ですが、ですがです。現状はちっとも好転せず、白菜、大根などの冬のおいしいお野菜はたかいまま。こちとらひとりぐらしなんだ。買えねえ。そうすねて、20個入り150円のキノコをかったりしてました。
 で、今日、実家から救援物資がやって参りました。にわか農家の爺婆宅からやってきたおいしそうな冬野菜たち!すばらしい!ばんざい!ばんざい!と、喜んでいたのもつかのま、救援物資が多すぎて冷蔵庫に入りきりません。母は、寒いんだから外に出しておいても大丈夫。なんて言うけれど、ところがどっこい、ここは東京。実家の福島に比べりゃあ、まだまだあたたかい。
 結局、無理矢理入れてみたけど、野菜を新聞紙でくるんでいるせいか、パッと見が「レンガづくりの壁」みたいです。冷蔵庫をあけるとでてくる壁。食の壁。腐る前に、食欲で崩壊させたいものですが・・・。

2004年11月21日(日)



 いまさらンヘヨ。

 先月、会社を辞めたんですが、続々と友人から「えっ!?」ってな反応が来始めています。私、まわりにあまり言っていなかったみたい。一応、会社を辞めることって一大事、なわけで、大きな声でアナウンスしても良かったはずですが、すっかり忘れてた。
 結局、メールをくれる人も人づてに聞いたみたいです。いやあ、気にして頂いてありがとうございます。今更になってすみません。でも今更になって一大事が発覚してるけど、皆様のこと、大切ですから。本当に。

2004年11月20日(土)



 体調不良免疫機構。

 体力には自信がありますが、体調不良には免疫がありません。どういうことかといえば、私はそうそう病気にはならないんです。でも、病気になってしまうと気持ちが暗くなるんです。病気慣れしてないってことだと思うんですが。
 私の友人で熱を出しやすい人ってのがいます。彼は37度の熱ならへいちゃらで仕事をし、遊びほうけます。無茶していない?と聞いてみると、いつものことだからだって。病気になりやすいと、免疫と言う特典があるのね、といささか関心。でも、周囲にいるものとしましては、そんな日くらいは寝てろよ、と心から思うんですけれどもね。本当に。


2004年11月17日(水)



 「肉のハナマサ」と「肉のハマナサ」。

 憧れの「肉のハマナサ」、否、「肉のハナマサ」に、今日、行って参りました!嗚呼。肉のハナマサ。それは食の聖地。ずっと憧れながらも機会がなくて、探訪かなわず、何年越しかの思い通じて、やっと・・・やっと、いってまいりました。私の中の肉のハナマサは、牛がむき身でズドンズドンとつるされ、店員さんが大きな金の耳かき上のコテでもって肉を扱い、切り売りしてくれると言うもの。もちろん、思い込みだってのはわかってるんです。だけれど、四方八方を肉で取り囲まれ、肉による四面楚歌状態が味わえるという思いが拭いされなかった。
 ですが、現実は、あいかわらず私に厳しい(?)。肉のハナマサ、平和島の業務用スーパーとあまり変わらなかった・・・。肉の種類は多いけれど、私は肉の袋小路に迷うことなく、ピンクだらけの世界を拝むことかなわず。でも、いいんです。私、業務用スーパー大好きだから。あの一般家庭では消費に困るマヨネーズとか、ソースとか、ドレッシングとか。そんなのを見ているだけでウキウキします。
 とはいえ今後、願わくば、私の中の「肉のハナマサ」、否、似て非なる「肉のハマナサ」に出会えることを祈るばかりです。

2004年11月16日(火)



 シリメツレッツァー。

 只今、職場で支離滅裂な会話が人気です。たとえば、「なべやきうどんじゃなきゃ絶対イヤだからね!」と言う彼女の怒りに「俺もさ〜、なべやきうどんのことはかんがえてるよ、チャーハンの店いきながらさ!」と切り返す今風の恋人同士の会話。
 支離滅裂。漢字で書くと、なんて画数が多い!その画数、漢字の作りからしてすでに破綻しています。同じ布がバラバラに切り刻まれているようで、違う。では、同じ布じゃないのか、パッチワーク的なものなのか、と問われても違う。まるでゴージャスな部屋とアジアンチックな石の置物とラクガンの組み合わせ。ありえない組み合わせが、そこにあり、支離滅裂を作っております。
 でも、私はその支離滅裂の不協和音になぜだかハーモニーを感じざるをえないのです。いきすぎてて、やりすぎてて、何も言えない。とりあっても無駄な気がする。
 どうやら人は支離滅裂でも、どうにかやっていけるらしい。もしかしたら支離滅裂だからなんでしょうか?

2004年11月15日(月)



 次代の贅沢。

 私の日々の贅沢と言えば、入浴剤がクナイプであること。それまでの私といえば、一番安い入浴剤を使っておりました。それをクナイプにかえることで、自分の労をささやかにねぎらってきたわけですが、次代の贅沢を発見しました。
 その名は「RUSH」。自然派バスグッズのお店なんですが、そこの石鹸!アメリカのハロウィンにありそうな巨大チョコレートのような切り売り石鹸!これが一個600円とかしやがるんですが、オイルがおおいためか、やわらかいんですね。やわらかい・・・つまり、溶けやすい=なくなりやすい。嗚呼!なんて家計にやさしくない石鹸なんだろう!しかし、贅沢というのは往々にして家計にやさしくないもの。その湯水感がたまらないわけで。そして、同じくRUSHのバスボム。これ、ソフトボールもあろうサイズの入浴剤なんですが、これも600円とか。石鹸は数回使えるけれど、入浴剤たった1個に600円ですよ!?銭湯の方が安いって話です。
 でもね、そうやって夢を膨らませながら、我が家に帰り、風呂場を見て愕然。だって、うちの風呂場って古い上に、前の人が汚く使ってたことがあって、最低なんです。なんかバスボムを満喫できない。嗚呼嗚呼!腹立つ!

2004年11月14日(日)



 マニキュア。

 久しぶりにマニキュアを塗っております。一年ぶりくらいかしら。毎日のようにおしゃれをこころがけ、毎週のようにマニキュアを塗り直す。少し余裕が出てきました。以前に、マニキュアを塗らない理由を「パソコンの打ち込みがしにくいから」と言ったことがあるけれど、あれ、嘘。すみません。余裕がなかっただけです。その余裕のなさを口に出したくなかっただけです。
 私と言う人間は、仕事で余裕がなくなると、まず身だしなみに支障をきたします。女として失格だとは思っているけれど、どうも直しにくい。できれば、せっぱつまっても身だしなみだけはきちんとしたい。だけれど、それが無理なら、せっぱつまりに強い自分を作るしかない。まだまだ今の私には難しいけれど、だんだんと。できれば。

2004年11月13日(土)



 酒宴の眼力。

 お酒が好きです。大好きです。ビールに焼酎、日本酒、ウイスキー、ブランデー、ウォッカ、マッコリにリキュール。ワインは体質的にあわなくて、あまり飲まないけれど、スパークリングは好き。
 酒の席にいると、実にいろいろな人がいます。陽気になる人、涙もろくなる人、突然、わめきだす人、なんだか暗くなっていく人、無口な人。たいてい、後になって「あれは酔っぱらってたから」なんて言い訳をするけれど、私は違うと思います。やっぱり酒の時に出てくる自分は、本質に近い自分。いつもは抑制していることをもやってのけてしまう自分。だから、私は酒を飲んだとたんに失礼になる人が大嫌いです。たとえば、罵声を浴びせかけてくる人やセクハラまがいのことをする人や、自慢ばかりする人や。普通の時は、そんなことをしないくせに突然の豹変ぶり。いつもは隠してたのか、と腹がたってきます。
 できれば、というよりも絶対に。私は、好きなお酒を楽しく飲みたいな。だからこそ、酒の席を設ける人を日々の日常で選び出していきたいな。まだまだその眼力は幼いけれど。

2004年11月12日(金)



 嘘付き合い。

 嘘が嫌いだった人と付き合ったことがある。私もその人も付き合っている間は嘘つきで、がんばってお互いを演出していた気がする。そんなことに相手が気づき、私に別れを申し入れてきた。でも、なんで、あの時、あの人、嘘が嫌になったくせに、最後にも嘘をつこうとしようとしたのか。今になってそんなことを思って、腹がたってきた。嘘が嫌なら、最後ぐらいは正直になれば良かったのに。不格好な二人の嘘付き合い。

2004年11月11日(木)



 カタカナ、なにかな?

 例)リピート指数200%の超激プッシュCDがリリース!!今度のキャシー・マクベル(*)のニューマキシシングルは、キュートでメロウ、それでいて、マニッシュな激ファッショナブルなポップチューン。もちろん、キャシーのポップなソウルはそのままに、やってくれました!まだ未体験のロー&ハイティーン、そして、すべてのミュージックファン、必聴の1枚!。

 CD1枚、だいたい3000円。小市民の私は、一枚買うのにもドキドキします。しかも、それが初めて買うアーティストのものだったりしたら、吟味に吟味を重ねて、やっとのことで購入したりします。そうなると、人のススメで買ったり、評を読んで買ったりするのなんて、そりゃあもう清水の舞台どころか、高山病を克服しながらもやっとのことで登頂したアルプス山脈の尾根から飛び降りるような気分です。
 それをねえ、上記のような評でやられると、「なにを!」って気がするんです。上の例は、やりすぎて若干面白くなってしまった感がありますが、カタカナってむずかしいですね。ギャグでいるうちが花、かっこよしと思ってやり始めたら、退場という気がします。そこに、その人なりの見方があったらいいんですけれどもねえ。どうでしょ?
(*)キャシー・マクベル/例文のために作り上げた仮の人物です。


2004年11月05日(金)



 私は見逃さない。

 私は見逃さない。電車で寝ているあなた。ヘッドポーターの鞄にくたびれたスーツの若者よ。私はまさしくあなたの目の前に立っている。ほら、あなたの左の人、少し右に席をずれましたよ。ねえ、あなたの右の人、腰をうかせて、ちょっぴり左に移動しましたね。席には隙間。みんなの隙間をあわせれば、ちょうど一人分の席が出来上がる。ねえ、あなた。朝から疲れているのは、なんとなくわかった。でもね、気づこうよ。ねえ、気づこう。
 私、あなたの前にまだ立っているの。みんな、みつめているの。あなたの動向を。としているうちに、別の席があいたわ。ちょうどあなたの向かい側。
 席に移動して、にらんでいたら、私のことをチラ見。それでも目を離さず、ずっとみつめていたら、またチラ見。わかってねえなあ、若者よ。まわりの空気を読む技術を、もうちょっと磨こうね。っていうか、磨け・・・。

2004年11月04日(木)



 スナックおのれ、なワケ。

 スナックあけみにスナック野薔薇、スナックマッチ坊などなど、世の中に、スナック数あれど、なぜ、ここのタイトルが「スナックおのれ」なのか。別段、どうでもいいことかもしれないですが、今日はそのことについてお話ししたいと思います。
 まずスナックってなんでしょうね。私はスナックとパブの正しい区別が未だにつきません。でも、こう思い込んでます。パブはどちらかと言えば、客と客がふれあう場所(ドラクエの影響と思われます)で、スナックはバリアーを張ってる客がひとりでやってきて、マスターまたはママとぽつりぽつりと話す場所。だから、個人名がつけられているスナックは、店の名前にしてすでに客の話し相手になる人の紹介をしている、そう考えました。マッチ坊などは、あなたの心に火を灯していきたい、そう思われてつけられている。スナックには、経営者から客への働きかけがあるに違いない。そう思い込みました。
 で、おのれ、なわけですが、答えは簡単。ここのマスターは自分のことだけ話しますよ、そう伝えたかった。まあ、もとはといえば上司の口癖の「おのれ」を気に入っていた時期に「スナックのれん」を「スナックおのれ」と見間違えたことにあるんですけれどもね。
 それにしても「スナックのれん」っておかしいよな。「スナック玄関扉」みたいなもんだからな。どんな心情があったんだろ・・・。


2004年11月03日(水)



 大人のディズニー作法。

 ディズニーの「美女と野獣」を初めて見ました。先日、鼠国にてそのティーセットを購入したにもかかわらず、一度も見ていなかったんです。友人にその話をしたら、ありえねえと、非難囂々。でもって、見ました。なんか申し訳ない気がして見ました。嗚呼、美女と野獣と言えば、私の中学時代の友人が彼氏との初デートで見に行った映画であります。単純に見たかったんだけど、なんだかそれが思い出されて、見れなくて。
 答えは、そりゃあ「号泣」です。ディズニー映画は愛とやさしさの純度が高すぎます。主人公たちに、大人の汚らしさの破片もない。見るまでは、そのあまりに高い純度が鼻につくんですが、パッとみれば、さすがアニメの金字塔。いっきに肩までどっぷりつかって、がっぷり持って行かれ、すっかり愛とやさしさの虜です。
 よく美女と野獣では、ダンスシーンが取りざたされますが、そのバックに広がっていた星空。私は、それで殺られました。さぞかし、そんな夜の星空は美しいことだろうと思った途端、顔がマスカラの土石流です。テレビの中の世界は美しいが、私の泣く状態は恐ろしくも汚い。さながら、六畳の私の部屋は美しさと汚さのコロシアム。
 いやあ、27歳の良い歳こいた女がディズニー映画で泣くなんて、どんな映画よりも悲劇的!最後に流れる幸せそうなテーマ曲を聞きながら、そんな悟りの境地に至った次第です。

2004年11月02日(火)



 久しぶり。

 久しぶりの職場。昨年の今頃、数ヶ月間働いていた職場に、私、恥ずかしながら舞い戻って参りました。飯田橋の駅から陸橋を渡って、慣れた道をゆけば、ビルの間に挟まれた、これまた黒いビル。エレベーターのボタンを連打して、するするのぼって行けば、あら一年ぶりの職場です。でもね、なんだか一年ぶりって感じがしないんです。この間まで働いていたかのような感じがします。久しぶり、と言って声をかける仲間たちも、久しぶり、元気だった?どうしたの?なーんて。
 席は以前座っていた席の隣。あたりを見回すと、ちらほらと知っている顔。目があうと、気づいた順から、あれ〜!?だって。短期契約の短い仕事だから、また出て行く職場だけど、みんながみんな久しぶりでなつかしくて、ずっと会っていたようで、不思議な感覚です。まるでここは宿場街のようです。待ち合わせをしたわけではないのに、みんな1年後に集まって来て、顔をあわせて、近況報告。まったく、不思議だね。

2004年11月01日(月)
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