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■ 破れた恋の直し方。
とりあえず、傷口をこさえたら、マキロンやオキシドールを塗る。コレ、よくある。まわりに女の子がいたら、「カットバン持ってる?」と聞いて、ポシェットみたいなものから、そいつが出てくる。で、ピタリと貼ってみる。すると、傷からの血が幾分おさまり、痛みさえ、少しずつ引いていく模様。 だのに、恋が「ビシャ!」と破れると、血のようなものがあふれているのはわかるのに、本当のところは血なんて出ていないし、見た感じではまわりにはわかってもらえないみたい。とりあえず、親しい友達にひとしきり話してみる。話しては見るけれど、傷口にカットバン貼るよりは、はっきりとした効果はでてこない。 だから、私は恋をする。恋が破れたら、恋をする。嘘でもいいから、本気の振りして恋をする。それは片思いが良い。話したこともないような相手が良い。自分に不釣合いなくらいの相手が望ましい。そいつにゾッコンラブな振りをする。片思いらしく振舞って、片思いらしく、恥らったり、ポゥッとしたりする。破れた恋のことは、一切考えない。 すると、そのうち、傷口の皮膚に薄皮がはってくるように、なんとなく気が楽になってくる。前のことは前のこと、とわきまえられるようになってくる。不思議と冷静に破れた恋を見つめることができてくる。その時の自分、その時の相手、どんなんだったかな?それをひきづっていた自分、どんな風だったろう? これが私なりの破れた恋の直し方。どうせ、本式の「破れた恋の直し方」なんてありはしない。だから、私は私にあったやり方で、傷を治す。傷口の薄皮は、弱くて血を流しやすい。けれど、傷が完治すれば、そこは強くなる。それで良い。
2003年05月28日(水)
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