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夢の図書館新館

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-- 2005年11月25日(金) --

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『平家物語(三)』 巻第七〜巻第九・後編(平家物語その六)

☆天才・義経登場

じりじりと勢力を盛り返して都に迫る平家を討つために源頼朝の弟、範頼・義経兄弟が出陣。
関係ないですが大河ドラマでは源義朝の息子・範頼を石原良純、藤原秀衡の息子を長島一茂、平清盛の孫を小泉孝太郎、と、キャスティングでも偉大な父とその息子、みたいなテーマがあったのでしょうか。
それはまあおいといて。

義経の衝撃のデビュー戦、一の谷です。

鹿のかよはう所を馬のかよはぬやうやある。

常識破りの義経の奇襲に、次々討たれる平家の公達。

♪一の谷の戦やぶれ 討たれし平家の公達哀れ

小学校の時の塾の先生が歌ってました。印象深かったのか、一度聞いただけで覚えてしまいましたが、メロディーについては先生の責任なのであってるかどうかはわかりません。

♪暁寒き須磨の嵐に 聞こえしはこれか

『青葉の笛』という歌だそうです。
一番の歌詞が笛の名手の無官大夫敦盛、二番は歌人薩摩守平忠度。

人間五十年、下天のうちをくらぶれば 夢幻のごとくなり
一度生を享け滅せぬもののあるべきか。

こちらは御存知、織田信長の愛唱する幸若舞『敦盛』。
武蔵国住人熊谷次郎直実が、自分の息子と同年輩の平家の美少年・敦盛を、この子を殺しちゃったらお父さんが悲しむだろうなあ、と涙しながら討つ悲話。

清盛の弟、薩摩守平忠度の方は悠揚迫らぬ年輩の公達。
鎌倉方がこの名乗らぬ大将軍の首を討ち、箙にむすびつけられた文を開いて見たら、こんな歌が。

ゆきくれて木のしたかげをやどとせば花やこよひのあるじならまし

うわあ、有名な忠度だったんだ、と敵も味方も惜しんで泣いたという。
祖父なんかは電車の無賃乗車、キセルの事を「薩摩の守」と言ってました。
さつまのかみ、ただのり。
数十年前までは、平家キャラは日本国民誰もが当然知っているヒーローだったんですね。(ナルシア)


『平家物語(一)〜(四)』 校注:梶原正昭・山下宏明 / 岩波文庫

2003年11月25日(火) 『公園のメアリー・ポピンズ』
2002年11月25日(月) 『うわの空で』
2000年11月25日(土) 『日本語の磨き方』

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