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数年前に入手しながら、そのまま手をつけずに置いていた。 情報は、タイミングに合わせて入って来るのだと、改めて思う。
原題は、『The Road Less Traveled』。 心理療法を仕事とする著者が、「訓練」「愛」「成長と宗教」「恩寵」というテーマに沿って、実際の事例も多く紹介しながら、人間の本質に光を当ててゆく。 (なお、最終章の「恩寵」はページ数の都合でダイジェスト訳となっている)
内容については、私があれこれ言うよりも、著者の言葉を引用させていただく。
依存性が愛と紛らわしいのは、それが人と人を強く結びつけるからである。 しかし、それが真実の愛であることはない。正反対である。 それは親の愛の欠如から来ており、同じことがくり返される。与えるよりは 与えられることを求め、成長よりも幼児性に固執する。解放するよりも罠にはめ 拘束する。究極的には、人間関係を形成するよりも破壊し、人間を作るよりも崩壊させる。 (106Pより)
一生の間におかす何千何百万にもなる危険の中で最大のものは、成長する危険である。 成長するとは、子どもからおとなへと踏み出す行為である。実際には歩み出すというより 恐る恐る跳ぶ、といった方が近い。それは多くの人たちが、生涯一度も本当にはできなかった跳躍である。表面上はおとな、それも立派なおとなに見えても、「成人」の大半は、 多分死ぬまで心理的に子どものままである。そして親および親が自分に対して持っている 支配力から、本当に自分を切り離したことがない。 (137Pより)
だから、道に迷っているのを承知の上で、意識を拡げていくより他に方法はない。 しかもそのような気づき、意識化は、一瞬の閃きでもたらされるようなものではない。 ゆっくりとひとつひとつ現れる。あらゆるものを観察し検討しつつ、生涯、謙虚に 身につけていくよりないものである。 (292Pより)
愛とは、自分自身あるいは他者の精神的成長を培うために、自己を拡げようとする 意志である。 (79Pより)
(マーズ)
『愛と心理療法』著:M・スコット・ペック / 訳:氏原寛・矢野隆子 / 創元社1987
2004年08月12日(木) 『エリナー・ファージョン−その人と作品−』
2003年08月12日(火) 『パリの子供部屋』
2002年08月12日(月) ☆コールデコットの絵本展
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管理者:お天気猫や
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