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原題は、『オール・ザット・グリッターズ』。
リンダにはめずらしくギリシャの島が舞台になっている。 スパイアクションなどの要素が入った作品は別だけど、 最近読んだ作品はアメリカ南部が舞台のものがほとんど。 かつてのハーレクインロマンス新訳を、ちょっと 新鮮な思いで読んだ。
他界した老富豪の若き未亡人ジェシカと、 ギリシャの大富豪で才気あふれる実業家ニコラスとのロマンス。
ジェシカはもともとアメリカ人の孤児で、歳の離れた 元夫とは、入籍はしているものの、父娘のような関係だった。
ニコラス・コンスタンティノスとジェシカ・スタントン。 二人のロマンスを読んでいると、想い出す作品がある。 イギリスが生んだロマンスの女王、カートランドの 『オリンポスの饗宴』である。 ギリシャの血をひく英国人の娘と、まさにニコラスの ような、アポロ神の化身とのロマンスだった。
何が言いたいのかというと、両作品に共通する、 ギリシャへの想いである。 きちんと取材して描いているのはもちろんだろうけど、 ヨーロッパ文明の最初の光を伝えるギリシャという国に 作家の抱くオマージュが、ここちよく伝わってくる。
こちらの方はハーレクインなので、主役二人の意地の張り合いは かなり激しい。 怒ったジェシカがいったん島から脱出しようとする下りには、 妙なリアルさがあって、ハラハラさせられた。 (逃げられるはずがないと読者にはわかっているのだが)
それにしても、偉大なのは、いずれの作品でも、 母親たちなのだった。 (マーズ)
『バラのざわめき』著者:リンダ・ハワード / 訳:新号友子 / 出版社:MIRA文庫2004
2004年01月27日(火) 『クマのプーさん』 その2
2003年01月27日(月) 『スチュアートの大ぼうけん』
2001年01月27日(土) 『ピエタ −pieta− (1・2)』
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管理者:お天気猫や
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