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何だか今年は、例年になくマンガを買ってしまっている。 ぱっとしない気分の時、"明るく甘いHappy End"を求めて。 あるいは、夜更かしの友である「ミステリ」に、 気に入ったものが見当たらない時。 いい大人がマンガを買う。 別に恥ずかしくはないが、 非常につまらない物を買ってしまった時、 とても哀しく、落ち込んでしまう。 時間とお金の無駄遣いだと。 なのに、いろいろな空白をお手軽に埋めようとして、 ついつい、衝動買いをしてしまうのだ。
『ピエタ』は、買うまでに随分と迷った。 「あたり」か「はずれ」かというシンプルなものさしで測れば、 多分、「あたり」だということはわかっていた。 ただ、慢性的な精神疲労に効きそうな "明るく甘いHappy End"ではなさそうで。 愛とか恋とかの話ではなく、 心に痛みを抱える少女たちの癒しの物語。 淡々と描かれる悲しみや苦しみ、再生への鼓動。 透明で脆い、少女の時間。
今ではもう、遠い彼方に見え隠れしている少女時代の、 切なさを思い出す。 誰とも分かち合えないと思った悲しみ。 とても小さく思えた自分の存在。 そんな少女も、たくましく成長して、 マンガの中の少女たちに、 「気持ちはわかるけど、それでいいの?」と 少女たちの幸福に現実的な「?」を投げかけたりもする。 −マンガではあるが、 彼女たちのその後をぜひ知りたいと願う。 (シィアル)
『ピエタ』 著者:榛野なな恵 / 出版社:集英社(ヤングユー・コミックス)
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管理者:お天気猫や
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