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このぐらいの年齢になったら読もう、と思っていた 大作古典ファンタジーを、今年ちょうど読むことになった。 数ヶ月かけて、締め切りに合わせて読んでいく予定。 この数年の間に、まさかこんなに多くの人に読まれる 状況がくるとは思いもしなかったが、 映画のおかげで、楽な部分も確かにある。
『ホビットの冒険』は2年くらい前に読んだ。 だから、中つ国やホビット族への下地はできているとはいえ、 やはり、今回の旅は先が長い。 ずっと前に20ページかそこらで挫折してから、 私のこの本に対する印象もずいぶん変化した。 『ホビットの冒険』を読んでいないと、序章は 確かに、とっつきにくい。
それにしても、『ホビットの冒険』で気になっていたのは、 主人公のビルボが、いつも、仲間とはぐれ、気づくとたった ひとりきりで闇のなかに取り残されたりすることである。 映画でおおまかなストーリーはつかんでいたが、 この第一巻の、旅の始まりを読むにつけ、 若い(といっても50歳)フロドが主人公の今回は、 心を許せるホビット仲間がともにいて、 良かった良かった、とそのことを私は一番喜んでいる。
映画では当然あっというまにホビット庄を出ていったけれど、 本のペースはゆっくりと遅い。 1巻の後半になって、やっと出発するのだから。 『ホビットの冒険』での出発があまりにも唐突だったことを 思えば、これぐらいがちょうどいいのだろう。
フロド一行が旅に出てすぐ、あこがれのエルフたちに会う場面がある。 高貴なエルフ族のギルドールが語ることばは、私たちの世界、 2004年の不安定な世界につながるメッセージを帯びているように思えて、 ひとしきり胸をふるわせられた。
「勇気は思いがけないところに見いだされる。」 と、ギルドールがいいました。 「望みをもて!さあ、もうおやすみ!朝にはわたしたちは、 行ってしまうが、わたしたちの伝達を国々に送っておこう。 旅するエルフ仲間たちに、あなたの旅のことを知らせておこう。 また、よい事をする力をもつ者たちに、あなた方のことに 気をつけてくれといっておこう。 わたしは、あなたをエルフの友とよぶ。 星々があなたの道の果てまでを照らすように! わたしたちは、多種族のひとと出会って、これほどの喜ばしさを おぼえたことが滅多になかった。(以下略)」(引用)
(マーズ)
『新版 指輪物語1 旅の仲間(上1)』 著者:J・R・R・トールキン / 訳:瀬田貞二・田中明子 / 出版社:評論社1992
2002年04月19日(金) ☆あの作家の作風。
2001年04月19日(木) 『愛の続き』
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管理者:お天気猫や
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