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8月のある日、ふと。 同じ頃に読んだ2冊の本の内容を 全く覚えていないことに気がついた。 それらの本を読んだのは、随分と前のことにはなる。 季節やその時の状況、相前後して読んだ本のこと、 それらは覚えていたのに、 『アトムの子ら』と『星を継ぐもの』については、 皆目覚えていない。 再読はめったにしないのだが、 何ページめくっても、いっこうに思い出してこないので、 結局、2冊とも最後まで読み通してしまった。
どうして忘れてしまったのだろう。 そう首を傾げたくなるほど、 どちらも忘れるにはもったいない本であった。
『星を継ぐもの』は、これ1冊でも物語は完結しているが、 これ以降2冊『ガニメデのやさしい巨人』『巨人たちの星』と続く。 人によっては、蛇足のように思う人もいるかもしれないが、 私はどれも、秀作だと思う。 (さらには、『内なる宇宙』という同じ主人公が 登場する物語へと続いているらしい。※未読)
・『星を継ぐもの』
私たちはいったいどこから来たのだろう?
ジャンルはSFであるが、
人類の出自を問う壮大なミステリということができる。
・『ガニメデの優しい巨人』
『星を継ぐもの』では、人類の出自の答えは明かされるのだが、
それでは、いったい"彼ら"はどこへ行ったのか?
前作で提示される"彼ら"と人類の物語。
・『巨人たちの星』
3冊の中で一番、派手ではらはらするエンターティメント(?)な物語。
その分、精神性は薄いが、"人間"という生き物の愚かさに
頭を抱えたくなる。
どちらかというと、ミステリ読みで、 あまりSFは読んでこなかった。 ハインラインを少し読んだくらいで。 けれど、これらの本以降、SFのおもしろさに触れ、 SFの名作を読み始めた。 たとえば、ジェイムズ・ティプトリ−・ジュニアやマッキンタイアである。 とても、新鮮である。(シィアル)
『星を継ぐもの』 著者:ジェームズ・P・ホ−ガン / 訳:池 央耿 / 出版社:創元推理文庫1980
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管理者:お天気猫や
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