告白は喉の奥
L.ニトロ



追想


まだ、手を伸ばせるほどには快復していないのかも知れない。

幼い駄々に傷付けられた。
許しても許しても、返されるのは謝罪の言葉で。
負い目なのか自己不信なのか、単に私に対する興味が薄れていったのか。
大好きなその目が、真っ直ぐにこちらを見てくれなくなっていった。

許せないと怒ればよかった?
本当に、怒っていなくても、その振りでもすればよかった?
…でも、本当に許せなかった時、あなたは私が傷ついていることにも怒っていることにも気付かなかったけど。

もう、理不尽な理由で責められたくない。

地雷原みたいになってしまった自分を知っているから、大事な人を歩かせたりできない。


触られることができない。
傷ついてもいいから愛したいなんて、
まだ、思えない。

2005年06月24日(金)



いつかクラッシュ


純粋に純粋に純粋に…と、
最大限の努力を持ってして、求める余分の混じらない自分の気持ち。

浮かんでくるのは感情ではなく、あなたの笑顔でも声でもなく。
背中。
斜め後ろから見る後ろ姿。

何故だか向けられる背中。
思い出すのは逸らされたままの視線や後ろ姿。

ところで最近心理学に詳しくなってしまいました。
逸らされる視線とか。
反応とか言動とか。
分析にも意味がない。

目を瞑って両手で耳を塞いで、うっかり滑ってしまいそうな口を噤む。

アクセルを踏み込む足を離さないままで、ブレーキも踏む。
無茶をやっている自覚はある。いつも。


その後ろ姿がいつか振り返ったら、アクセルを緩めざるを得ないけど。
もしかしたら背中に聞く高いエンジン音に、振り返れずにいるのかもしれない。

いつか事故るよね。気を付けないと。


上手に黙っていられますように。
上手に黙っていられますように。

2005年06月20日(月)



輝く世界


珍しくマイナス。

人に仕えるようにと育てられながらも、従順であるという才能に欠けて暇を出されたというルーツに因るところは大きく。

便利であるということに己の存在意義を見出して、だけど甲斐甲斐しくお仕えしているのは「そういうプレイ」に過ぎない。
…失敗しちゃったー。ちぇー。

何をどんな風に考えたらいいかな。


照れずにストレートでありたい。
「純粋になりたい」というコピーのあの映画が大好きだった。
プリミティブになりたい。
強くても弱くても構わない。
全ての事象を有りの侭に捉えてねじ曲げずに飲み干して、感激したい。


この世界に気付いたのはいつだったかな。
思い出すのは、多分今頃だったのだろう美しいグリーン。
透明なブルー。
それから私は、例え出ていけない透明な箱の中からでも、その箱ごと美しい世界に住んでいる。
深黒すらも美しく、私の気を狂わせようと追い詰めて暗く昏く輝く。

あなたは。
その中で際立って輝いているわけでもなく、私にとっては最上級であるこの世界の美しさに対する愛しさと同じに過ぎないけど。
他と同じあなたが、他の何にも代え難く好きでいる。

私には、どうやって「ここ」から出ていけばいいのかわからない。
だけど、私にとって当たり前なのと同じに、箱も、というよりも箱ごと私なのだと認めてくれる人は案外いない。


テストする勇気はないなあ…

2005年06月14日(火)



地均し


そう多分、こういうの。

好意も痛みも衝撃も。
吸い込んで、吸って吸って吸って吐いて吐いて吐いて。
飲み込んで溜め込んで重く重く沈め込んで。
心と身体の適応力に任せ、血の流れる傷口を掌で押さえる程度で。

じわりじわりと自分を慣らしていく。
激情に。苦痛に。

そうして慣らすことを、そう、あの人の言った通り。
私は意図的に飽和的無感覚をつくる。

当たり前で、フツーになる。
凄く大好きだから辛くて苦しくて、それでも好きだということを。
感情ではなく、状態に。状態を事実へと。

受け入れて笑う。


本当にきっと、来年には忘れてしまうほど。

2005年06月07日(火)
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