あれから月日は流れた。 自分は少しでも成長しただろうか? 少なくとも3年11ヶ月より前と後で自分は物事への認識が変わってしまったと思う。 なんていうかある種の無常観を感じて仕事もリタイヤしてしまった。 なんかいろんなことがどうでもよくなった。 あんなんきたら、もうどうしょうもないじゃないか。 自分の存在意義もよくわからないし、自分がこれからどうしたいのかもわからなくなってしまった。
今僕を必要とするのは大学の講義のコマを埋める人員でしかない。 他になりたいものは今となっては手放してしまったものばかりだ。
大学に戻りたい。戻って研究をしながら講義や実習をやりたい。 あの頃のように大学の中で無力感に陥っていた自分とは違う。 今ならいろんなパスを使って研究できる。 戻るためには研究できることを証明するしか手はないと思う。
ダブルフーリエの研究は現在欧米で計画が立ち上げられつつある。 銀河間ダストの研究もプランクが結果を出し始めていろいろな展開を見せつつある。 SZ効果の観測をするための光学系の開発に必要な光学素子の評価システムも出来上がりつつある。 それらができることを証明することが、5年も論文を出さなかった自分にはできるか? タイムリミットは近づいている。
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