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こんなに好きでもいいですか? すみれ 【MAIL】【HOME
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2003年02月14日(金) 別れ道


今日、やっと出張から戻って来る彼。
道中に寄ったレストランが昔、私と母がよく行った場所だった事が解かり、
少しだけ朗らかな気分になったが・・・・・。



今日はst.valentine'sday。
きっと街中に素敵なカップルが渦巻いて、愛の言葉を囁きあってる。
私もそうしたいけれど、彼は出張から戻ってきても又会議・・・。
何日も前に知っていたから、寂しくは無かったけれど、
「ごめんね」
の言葉もくれない・・・。
それより・・・
彼は大事な事をすっかり忘れている・・・・。






今考えると・・・あれが私達の分れ道だったような気がする。
今まで1年以上も彼と付き合って来て、
私が目にした一番、恰好悪く最悪な彼だった。
額に汗しながら焦った顔でズボンをずり上げ、
ベットの脇に黙ってつっ立ったまま呆然としてた。
徐に・・・・

「まいった・・・まいった・・・」

額の汗をぬぐいながら、そう言う彼を見上げて、
私は彼の行動を期待していたのに・・・・・・・・・・・・・・・・。

「旦那が戻って来る前に帰るね・・・
僕が帰っても大丈夫だよね?」

そうやって彼は家へと戻って行ってしまった。
彼が帰る道すがら、電話で彼と話していたら・・・・。
彼が続けてこう言う・・・・。








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あの時、同居人が怒りの余り家を飛び出していかなければ、
膝を交えて本当の事を話をするつもりだった。
同居人が家を飛び出して行かなければ・・・・・。
私達は何か変わっていたかもしれない。
私は同居人との離婚に踏ん切りがついたと思うし、
彼も又私との事で責任の重さを実感しただろうと思う。

一年前・・・彼の意志が種明かしされたように感じた。
家族とは離れたくないけれど、
私とも別れたくない・・・。
年の頭には
「今年の目標はすみれと一緒に暮す事だから」

そんな事を言ってたくせに・・・・。
彼は・・・とても我侭で少し嘘吐きな人だと何時も思う・・・・。


あんな事があったのに、ダラダラと付き合いを続けている私達は
別れ道を只彷徨っているだけなのかもしれない。
そして、時々あの時の彼の醜態を何度も何度も思い返すことだろう・・・。


一年前の事なのに、本当に・・・・・ありありと頭に蘇ってくる。
彼の言葉も醜態も・・・・・。





ごめんなさいね・・・日記に何度も書いてるけど・・・↑エンピツ投票ボタン

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今日、彼にその事を何度も聞いてみたけれど、
去年の今日何があったのか思い出せないらしい。
彼にしてみたら喉もと過ぎれば、どうでも良い事みたいだ・・・。
明日は約束の日なのに、
どんな顔をして彼に逢えば良いというのだろう・・・。













2003年02月13日(木) 増設



どうして、こんなふうに気力が出ないんだろう。
ただ、彼がこの街に居ないだけなのに・・・・、
優しい声も少し遠く感じる。
何も遣る気が起きないのは、そのせい・・・・・・・・?


彼は今日も出張続行。
何時もは1日で帰ってくるのに、
今回は2晩も、この街に居ない。
電話代は高くつくから、夜の電話より、
移動中の少しの時間だけしか話さなかった。
それも、最初は私が家にいる事を訝しそうにしてた。

「すみれ・・・今日はずっと家に居るの?
二日も休めるんだぁ・・・・・。」

そんな事を言ったって、子供の調子が良くなる訳じゃないのに・・・。
彼は、私の会社の事を心配しているのか、
子供や私の事を心配しているのか解からない。
そんな話し方だった・・・。

きっと、今日も彼は自分の事で精一杯・・・。
恋に費やす余力なんてものはほとんど残っていない。

随分、前に言ってた・・・。


「僕はもう若くないし、恋に・・・使う体力は限界を超えてると思う
だから、駆引きだらけの恋は余り好きじゃない。
御互い正直な本当の気持ちを見せ合おう・・・・」


でも・・・・。
私の本当の気持ちを言ったなら、
すぐにパンクして動かなくなるくせに。








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「メモリーの増設って、そんなに難しくないよ〜」




自分で言ってたくせに、心の容量は増設しないのかな・・・・・・。


2003年02月12日(水) ゴッコ遊び






不倫が美しいなんて思ったことは一度もない。
最初に不倫をした時、嫌と言うほど痛い思いをしたからか、
不倫を美化したいとも思わない。
好きな人に守るべき人達が居たという全くもって滑稽な話。
ただ、それだけの事だ・・・。
そして、その為に
痛い想いをしたり、幸せだと思ったり、
泣いたり、笑ったり、
それの繰り返し・・・・。



不倫の本は実の所、数える程しか読んだ事がない。
有名所は読まなくっちゃ・・・と思うものの、今はそれに裂く時間さえもない。
太宰が不倫の果てに入水自殺を行ったのは、我侭としか思えない。
それでも、今の私には勇者として映ってしまうのは、
私も不倫をしているからだろうか・・・・。
否、それよりも彼と一緒に行った、あの郷土館の中にも掲げられていた
有島武郎の方が好みだ。
心中寸前に女と戯れている事を知人に手紙で伝えるなんて技は
並大抵の人は出来ないんじゃないだろうか・・・・。











何日か前は気分が良かったのに、
今日の彼の言葉を又深く考えすぎた私は、
こんな真夜中に又色々と余計な事ばかり考えている。

彼は今日、長い出張に旅立って行った。
場所は出逢って間もなく私と一緒に行った、あの街。
彼は何故かそこへ行くと何時もより私に甘えた態度で電話を掛けたり、
メールを送ったりしてくる。
今日も私が色々と考えてしまう種は、そんな遣り取りの中から飛び出した。

「今度、又連れて行ってね・・・・」

私のこんな発言がいけなかったのかもしれない・・・。
彼はあの時の事を思い出して・・・・






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そんな事を言う・・・。
「あれが駆け落ち・・・?」
確かに3日も家を空けて彼と一緒に居れば、
駆け落ち同然にアチコチ行動を共にした事になるし、
この街を離れて500km近くも離れた地方に足を向ければ、
こんな関係の二人だ、まるで駆け落ちしたように他の人にも見えるかもしれない。
それでも、私のバックには着替えの洋服やお化粧道具が綺麗に納まっていて、
私の想像する夜逃げ同然で手を取り合って逃げ纏う様な、そんな駆け落ちとは
程遠い物だった。
「あんなの・・駆け落ち・・ゴッコだょ」
又、何処かでザワザワと喚いている女が一人・・・。


「恋愛ゴッコ・・・・・・失恋ゴッコ・・・・・・。
不倫ゴッコ・・・・・・ヤキモチ焼きゴッコ・・・・。
ソープ嬢ゴッコ・・・・SMゴッコ・・・・・・。
駆け落ちゴッコ・・・・お別れゴッコ・・・・・。
ゴッコ遊びなら、何でも御座れ・・・・。
ゴッコ遊びならお手のもの・・・・。」


「一番したいのは・・・やっぱり心中ゴッコだよね・・・」

今日の私は・・もう、どうやって一緒に死のうか模索中。
















******************************************************************
日記を御覧になって下さっている方・MyEnpituして下さっている方へ

更新が遅くなったのと、纏めての更新を御了承下さい。
今は時間のある時に纏めて更新する事しか出来なくなってしまったので、
今後の更新も不定期になるかもしれません。
申訳御座いませんが合わせて御了承頂ければと思います。


御手紙を下っている方へ

更新が途絶え心配して頂き、誠に有難う御座いました。
御返事は必ず致したいと思っているのですが、
少し遅くなると思います。
どうぞ・・・首を長くして待っていてくれる事を御願い致します。

                               すみれ
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2003年02月11日(火) 想像してみよう

最近はゆっくりテレビを見る時間も無くなってしまった。
仕事から帰宅すると、急いで食事の仕度をして子供に夕食を食べさせて、
御風呂に入れて少しだけ御話をしたら、もうベットに行く時間。
朝は同居人と子供が寝ている間に御弁当と自分の身支度を整える。
その間、テレビを点けておく時間なんて、1時間もあるんだろうか・・・。

それでも2・3日前は子供を膝の上に乗せて、二つの番組を見る事が出来た。
一つ目の番組はどうしても見たい番組の前に放送していたから、
知らず知らずのうちに目にする事となってしまった。
「シニア世代の御金の使い道」
そんなタイトルだった様な気がする・・・。
画面には満面の笑みで寄り添う老夫婦が映っていた。
夫婦はこれから豪華客船で、
200日近く掛けて世界一周旅行をする直前だと言う。
画像の後ろでアナウンサーが旅に掛かる莫大な費用と
旅行に応募する人は半数以上がシニア世代だと話していた。

「そう言えば会社の先輩が、
私達の時代には年金なんて貰えないかもしれないって言ってたな〜
どうせ、貰えないなら初めから期待などしない方がマシだ。
私達が老夫婦と同じ歳になる頃には
豪華客船の旅なんて、1日だって行ける訳無いょ・・・」

何時もの様に悲観的な戯言を一人で考えながら居ると、
その番組がそろそろ終る頃、老夫婦の奥さんがこう言っていた。





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皺だらけで今まで生きて来た垢が何処かに、こびり付いている筈なのに、
陽に晒された、その人の笑顔はとても美しかった。
そして、隣で寄り添う御主人の顔も幸せそうに見えた。
「何で老女の顔なんかに胸が熱くなるんだろう・・・」
私はそう思いながら、見たかった番組が放送されるのを待っていた。


ビデオが録れないのは同居人のせいで・・少し怒っていた。
何度、遣ってもデッキからAVビデオのテープが詰まって取り出せない。
「このデッキも私の物なのに・・・」
そうは思っても番組が始まりそうになって怒る気持ちも薄れてしまった。
何度か番組の中でウッドストックのステージが映し出された。
私の生れた時代は反戦運動が盛んだったらしく、
リアルタイムで生きて来たのに、
幼少時代で全く覚えていないのが少し悔しくさせた。
番組の主人公も反戦運動に加わった一人。
射殺された当初はLove & pieceを大きな声で掲げたからだと言う出す人が
多かったけれど、未だに真相は闇の中。

そんな事よりも今日は二人の愛あるショットを
沢山、目にする事が出来て嬉しかった。
若かった頃の彼と彼女は何て素敵だったんだろうと思った。
彼が何時、彼女と出逢ったかは知らないし、
彼女が何時、日本を離れたのかも知らないけれど、
二人は御互いに必要として出逢い、
一緒に食事をして、一緒に語り合い、一緒に眠ったんだろうと思うと、
もう、それだけで感動してしまった。
ちょっとしか目にした事がなかった「IMAGINE」のPVを最後まで見た時、
私は思わず涙ぐんでしまった・・・・。
あの・・・JOHNとYOKOが見詰め合って・・・一瞬のうちにKISSするシーン・・・。
どうして、こんなにも愛は素敵なんだろうと・・・マジマジと想ってしまった。
今でも頭の中でピアノの音と、そこに腰掛ける二人が見える・・・。






想像してごらん 所有なんて存在しないと

君にもそういう考えができるかしら

貪欲になったり飢えたりする必要はない

兄弟同士なんだから

想像してごらん すべての人々が

この世界を分ち合っているのだと・・・





目を閉じて私も想像してみた・・・・。
すると・・・・






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「私達はやっと第二の人生が歩めるんです」
あの奥さんの満面の笑みが頭の中で輝いた。


私は目を開いて考えてみた。
本当に互いを必要としている人達は・・・
何処かできっと、交差する時期が来る筈だ・・・。
それは長い人生の中で直ぐに起こり得る事かもしれないし、
もしかすると、最終地点に近くなってからかもしれない、
長い時間を要しても、恵まれない愛に生きる人も居れば
とても少ない時間、溢れる愛の中で生きる人も居るだろう。
自分の人生だ・・・どれが良いかなんて誰も決められない。


私はもう一度、静かに想像してみた・・・・。
柵や偽りの生活が綺麗に取り払われて、
何の迷いもなく、安心して彼と笑っている自分の姿を・・・・。







the anthology of johnlennon lyrics
1971/1984 "IMAGINE"



2003年02月10日(月) 思い違い


昨日は子供と一緒に仲良く遊んでいた。
最近はブロックやパズルがお気に入り。
自分で工夫して遊ぶのが好きなのかパズルが上手く嵌らなくても、
色々と角度を変えて上手に完成させる。
私が大袈裟に褒めて手を叩くと、照れたように笑うのが可愛い。
何度も何度も同じパズルばかり繰り返す。


金曜の夜に彼と逢って、その夜に意見が少し食い違った後、
土曜の夜はグッスリと眠ってしまった。
私は職場で又素直に人の話を聞かない人達と時間を共にしていたし、
帰宅してからも夕食の支度やら子供を御風呂に入れるやらで慌しい時間を
過していたので疲れてしまっていた。
子供が寝静まった後、深夜に目覚めて自分の事をアレコレする時間は
以前なら容易に出来た筈なのに、外に仕事へ行くようになってからはそれも
儘ならなくなってしまった。
土曜の夜も彼は一人で起きて私を待って居てくれたのに・・・。
せめて、彼の家の暖房が切られていなかった事だけを祈る・・・・。
土曜の夜はそれ以外にも起きられない程、体調が悪かった。
眠りながら胃腸がムカムカしていた。
眠る前に体温を計ると少しだけ熱があった。
風邪はもう3週間も前にひいたから、このムカムカは別のものだと思いながら、
何時の間にか眠りに堕ちてしまった。

午前中に彼からメールが1件。
そを見て可笑しくて笑ってしまった。





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「う〜ん・・・・・どうすればいいんだろう・・・
なかなか意見って合わないね・・
無理に合わせなくてもいいんだろうけど・・
その度に喧嘩は嫌だね・・・」

喧嘩などしているつもりは無かった。
喧嘩の前に私が種火を無理に消してしまったから、
きっと彼はナカナカ連絡をしなかった私に対して、
勝手に自分で喧嘩をしていると解釈したのだろう。
余りの可笑しさにリメールを一件。

「何も怒っていないよ〜。昨日は寝ちゃってごめんね。
ちょっと体調が悪くて・・
昨日から少し熱があるみたいだょ、
このまま倒れたら子供・・どうしよう。」

そういえば・・・。
私が漠然とした悩みを抱えて右往左往していた去年の秋は
彼からメールが来なかっただけで嫌われたんじゃないかと、
必死に彼の腕にしがみ付こうとしていた。
でも、それは私の思い違いだった・・・、
恋愛期間もある程度の時間が過ぎると落ち着きさを必要としてくる、
マンネリは嫌だけれど、随分前に彼が何度も同じ事を言っていた。

「メールが来なくても僕がすみれを忘れているんじゃないかなんて・・・
そんな事、考えないで・・・・。」

今はちょっとだけ逆の立場・・・・。
















っと思ったら、その後待っても待っても返事が来ない・・・。
「ねぇ!!何であの後、夜になってからの返事だったの?」
今日になって彼に言ってみたら、
「だって・・・すみれは怒っているとメールくれないから・・
携帯もPCも何も送ってくれていないと思って見てなかったょ」

「でもね・・・前は気になって何度も何度も見ていたよ〜
1時間に何度も何度も・・・・」



今日はちょっと離れた所に居る彼と電話・・・。
帰社してからの「帰るねコール」も無しにした・・・・。
今までは彼が家に帰宅する事を思うと、
寂しくて言い知れぬ不安に襲われた日も在ったけれど、
今日はその前に話せていたからか、案外「帰るねコール」なんて
無くても良いのかも知れないと思った。
このまま・・・落ち着いた日々が送れると良いんだけど・・・ね・・・。



2003年02月09日(日) ずれた恋愛感



一昨日の夜、彼と束の間の時間を過し手を振って、
一往復のメールの遣り取りをした後も私達はまだ繋がっていた。

私は帰宅してからPCを開き、ネットサーフィンをしていたが、
きっと彼はもう眠っている頃だろうと思い、ベットに横になった。
暫くすると微かに鳴るベルの音で彼が私を呼んでいるのに気がついた。



「あれ?すみれ・・・寝るって言ってなかった?」

彼は何度も同じ事を聞く・・・。
私が又別の誰かとチャットしているんじゃないかと疑っている様子。
やっと疑いが晴れて、よくよく話を聞くと
家に帰る途中で一人食事をして帰ったという。

「そうか・・・遅くならせてしまってゴメンネ。
それから・・・やっぱり・・・何も出来なくて・・・ごめんね・・・・。
どうにかしてあげたいと思ってるのに・・・何も出来ない自分が歯痒いょ」
「いいんだよ・・・何も出来なくても・・・
すみれが居てくれるだけで・・・」

穏やかな遣り取りだった。
来週の待ち焦がれている二人のイベントスケジュールや
彼の好きな趣味の今後の予定。
お互いがお互いじゃなければ、こんな関係がここまで続いてこなかったね・・・・。
そんな話をしていた。

「すみれ・・・明日も仕事でしょ?寝なくて良いの?」

ここでメッセを落とせば良かったのに、欲張りすぎの私は、
彼の家の人が近くで起きているのにも関らず、
まだ・・・彼を独り占めにしたかった。

そして、その後私達は何故か御互いの嫉妬心について語り合いだした。
彼のヤキモチは最近、みるみるうちに加速度を増していたし、
私はそれを緩めい気持ちと安心を与えてあげたかった。


「私は誰か知らない人と貴方が仲良くしていても・・・
貴方が好きだから、もしかしたら黙認しちゃうかもしれない・・・」

「僕は 相手が浮気したら・・それを許してしまう事は・・・
できないな・・・」

「でも、相手の事が本当に好きだったら・・一緒にいたいでしょ?
だったら・・・どこかで許してしまうかもしれないょ?」







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私は・・・何でこんな話になっしまったんだろう・・・と深く胸が痛かった。
彼は何時も「相手を好きになるという事は相手の全てを受け入れる事」だと
私に言って来た・・・。
私も最近はその意味が解かってきたつもりだった。

家庭を持っている彼。
仕事で時間がナカナカ作れない彼。
趣味に没頭する彼。
何事も拘りを持って物事を解釈する彼。

その全てが私に好都合の彼ではないけれど、
それでも、私は彼を好きになり続けたし、
それは全くもって変わらなかった。
だから、出来るだけ彼の言うように全ての彼を受け入れたかった。


「何だか喧嘩になりそうだからやめようよ・・。少し悲しくなっちゃった・・」

「 僕はヒートアップもしてないよ。 恋愛観を確かめているだけだけど?」




あぁ・・・まただ・・・・。
さっき逢ったばかりなのに・・・・。
彼の言葉が無機質にしか感じない・・・・。
私はただ黙って彼の吐き出す言葉を待っていた。


「 僕達は 恋愛観が違うんだね・・・・」



彼の家の人は・・・・
少なからず私の影を感じた筈なのに、
どうして今でも彼と一緒に暮しているんだろうか・・・・。
それは彼の事を必要としているからなのだろうか・・・。
私と一緒で・・・好きな男が浮気していても・・・
自分の気持ちを成就したいが為に一緒に居るんじゃないだろうか・・・。


彼も何故、私が好きだと言いながら、
家の人と一緒に居るんだろう・・・・。
自分では好きな相手が自分ではない男と一緒に居る事が
許せないと言っている筈なのに・・・。


家庭が崩壊している私に・・・男友達が居ちゃ駄目なんだろうか・・・。
気の合う人と時々食事に行ったりドライブに行ったり、
それさえも許されない事なのだろうか・・・。


彼も何かを諦めたんだろうか・・・。
私達は恋愛感が全く違うから・・・。




彼の一言で私の胸は・・又・・・
大波と小波が渦巻く海の底のようになる。




2003年02月08日(土) NAI


昨晩、彼の車を降りて家へ戻る時、彼が私に問い掛けた。

「ねぇ、すみれ・・・ごめんね・・って・・・
僕に何か悪い事をしているの?
ごめんねって・・僕に何か謝る事があるから言ってるんでしょ?」

訳は又今度・・・と言って歩き出した私だが、
彼が心配している理由は解かっている。






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私の事を考える時、
それが彼の心を支配している。
出逢ってからもして来た、彼への裏切り行為・・・。
彼はそれを今も・・・何時も・・・恐れている。
どんなに弁解しようとしても、彼はそれを受け入れようとしてくれない。
私達の心は
まるで、恋愛感が交差しないように組み立てられている生き物みたいだ・・・・。



「ごめんね・・・貴方の仕事が大変なのに、何も出来なくてごめんね。
今日も仕事で疲れていたのに逢ってくれて、とても嬉しかったょ・・。
でもね、きっと私はこれからも・・・貴方に何も出来ないかもしれないょ・・・
一緒に居たいけれど足手まといになりそうで・・・貴方は・・どう思う?」

彼が家へ到着する少しの間に誤解を解きたくて、メールを送った。
足で纏いになる・・・・。
それは確実な事だった。
まだ彼の会社や身の上が定まった訳でもないのに、
一昨日の私の気持ちはどうだっただろう・・・。
我侭で自分の事しか考えられない女がベットに横たわり、
会社の事や社員の行く末を心配し、家族を養う為に
日々奮闘と努力をしている男の事を想う画なんて、滑稽だとも思うし、
それをこれからも描き続けるのは不可能な事だと思った。
誰だって自分が色々な事を頑張っているのに、
「逢えないの?」
と口を開けば言い出す女の事なんて、そうも構っては居られないだろう。

「何も気にしなくていいよ・・・
だって何も出来ないのはお互いさまでしょ?
僕だってすみれに何もしてあげてない・・・
何かしてあげたり何かしてもらったりが重要じゃなく
何もしなくても繋がって居られる事が大切だよ
今日は疲れていたけど逢えて良かったよ。」

直ぐに彼から返答のメールが来た。
寛容で優しい答えだった。
でも・・・彼の答えは私にとって美し過ぎた・・・。
何かをして貰いたいとか何かが欲しい訳ではないけれど、

「出来るものなら、何とかしてあげたい」

御互いに、相手の事を思いやって、
その為に努力し続けて行く心が私には喉から手が出る程欲しくて、
そして、彼に与えてあげたいものだった。
だから尚更、思い悩んできた。
何も出来ないし何もしてもらえない事が、
果たして幸せな事に繋がるのか、
私には・・・・
まだ解からない未知の領域のようだ。








幸せだけど恐いのはなぜだろう
すべてが消えてしまいそう 
今にも目の前が真っ白に光って
あなたが線だけになってしまう
夢見て泣いたの
流れる時と涙
溢れる愛と涙
何もないあなたを
ずっと抱きしめて
そう 
な な 何もないあなたと
な な 何もないわたし
な な 何もない世界で
な な ながいくちづけを


1997 lyrics&composition kazuya.y


2003年02月07日(金) 逢いたかったょ・・・。









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私は何度も何度も彼の頬に自分の頬を押し当てながら、そう呟いた。
水温と気温の温度差が激しくて、
車の回りは厚い靄掛かりで私達だけが別世界に居るようだった。
目を凝らして良く見てみると、
さっきまで輝いていた三日月も靄で見えなくなって、
側にある筈の川のせせらぎも、もう耳には届かなくなっていた。



「ねぇ〜すみれ・・・何だか・・・幻想的だよね・・・」



さっき彼が呟いた声は、
もう別の擦れ声になって私の耳に届く。


「そうだね・・・ずっと・・・逢ってなかったもん・・ね・・・・」

私の下で吐息混じりに呟いた彼の言葉が、
同じ気持ちで居てくれたようで嬉しかった。








今日も又彼は午後から遠出していた。
何時もより遅い出発だったから帰ってくるのも深夜だと思っていたら、
私が家で夕食を摂る頃には街の近くまで来ていた。

「もう眠くて駄目かも・・・」

私が今から夕食だよと言うと同時に、
彼は疲れ果て駐車場の片隅で仮眠すると言う。

誘ったのは私からだった。

「夕食が終った後、ちょっとだけドライブに連れて行って?」

終ったら又電話するからと約束して、急いで夕食を食べた。
彼は正直な人だから、本当に疲れ果てて限界だったら、
素直に私の誘いを断るだろうと思った。
天邪鬼な私は・・・断られたら断られたで又それを嘆くのだろうけれど・・・・。

「もう向ってるよ?10分後には着くからね?」

暫くして掛けた電話の答えが不意を突かれた様で、
私は飛び上がるほど喜んだ。
逢えないと思っていたのに、逢える時の嬉しさは、
まるで神様からの御褒美の様に満面の笑みを齎せてくれる。






「あのね・・・もしかすると取締役になっちゃうかも・・・・」

それは帰りがけの運転席で彼がポツリと漏らした言葉だった。
そろそろ会社がどちらに転ぶか、社員の皆は痺れを切らしている様だ。
今の役員は社長を除き、全て会社を退く事に決定したらしい。
その後の役員の取り決めや辿る進路方向は社員全員で決める。
私が貴方が役員になる事は悪い事ではないでしょ?と聞くと、

「でも、今の役員が会社に払い戻した株の半数以上を
今度は僕が買い上げなくっちゃいけなくなるんだよ?」

彼はとても困った顔をしてそう言う。
私もとても怪訝な顔つきに変わってしまった。
今後の行く末も解からない会社の株なんて誰が買いたいと思うだろうか・・・。
それを彼が買う事になってしまうんだろうか・・・・。
彼の業績を見れば今までだって役員じゃない方が可笑しい事だと思って来た。
それは私よりも一緒に働いている人の方が強く感じて来たはずだ。
でも、裏側にそんな事があるなんて私は知りもしなかった。
仕事では完全な信頼を取引先からも社員からも得ていたし、
何よりも経験や実績が彼にはあった。

「何もこんな時に取締役の話が出なくても・・・・」

私の心は又グルグルと回る渦のような気持ちになってしまった。

「ごめんね・・・・」

こんな大変な時に私に逢ってくれた感謝の気持ちと
彼が困っているのに何もしてあげられない無力の情けなさと
それから、
それから、

それから・・・・

何だかよく解からなかったけれど、
私の口からポツリとそれだけが、零れ落ちた。



2003年02月06日(木) returns



「今峠を下りた所だよ〜 寝坊もしないで無事向かってます。
すみれはそろそろ出勤かな?今日も頑張ろうね」

デスクに着くと、もう彼からメールが来ていた。
普段より1時間以上も早い出勤。
朝ご飯はキチンと食べただろうか、道中、居眠り運転なんてしないだろうか、
そんな心配をしていたが、その後一向に彼からの連絡は無く、
私から連絡する事にした。


「ありがとう心配してくれていたんだね。
御蔭で300万の仕事取れたよ〜。
すみれも仕事頑張ってね。」


彼からの返事を読んで、ホッとした。
それでも、これからの彼の勤める会社の行く末を思うと、又少し不安になった。
彼はその腕で今まで沢山の仕事を取って来た。
今日のようなコンベンションを幾つもこなし、多額の利益を齎してきた筈だ。
仕事が好きだと言っていた彼・・・。
それなのに会社がこんな風になるなんて・・・・。
これから、彼はどんな風になるのだろう・・・とても心配だ。

自宅に戻って「帰って来たょ」と一言だけ言いたくて、彼の携帯に電話をしたが、
又、あの女の人の声がするだけで彼の声を聞けなかった。
会社に戻ってから又社員会で遅くなると連絡を受けていたから、
どうやら、もう会議が始まっていたらしい。
いよいよ、会社の方向性を決めなければいけない時期に突入したんだろう。
それと同時に彼も決断を迫られる・・・・。
自分の本当に遣り続けて行きたい事と家族を食べさせる責任は、
もう一致しない・・・。
これから、私の事を考えるのは今まで以上に困難になるんだろう。
まずは食べて行く事、家族に不自由な思いをさせない事、
それから仕事の事、自分の遣りたい事、趣味の事、
私の事を考えるのは一番、最後・・・・。
その時には幾ら彼だからといって、考える心は容量オーバーして
私の事など入る隙間も残っていないだろう・・・・。



「電話でられなくて ごめんね
その後、社員で飲み会。 帰りにメールするね」

彼からの電話は何時まで待っても来なかった。
きっと、飲みすぎて酔いが覚めるまで、又車の中で眠っているのだろうと思った。
私も疲労で眠たく倒れてしまうんじゃないかと思ったので、
子供と早々にベットに潜り込んだのにナカナカ眠れなかった。
絵本を読み聞かされるのも飽きたのか、
こんな日に限ってスースーと寝息を立てながら、子供はあっという間に眠りに堕ちた。
私は一人で天井を見上げながら何日か前の彼との電話での遣り取りを思い出した。

「もう・・・暫く逢っていないね・・・?」

私がそう言うと・・・。
「この前、少しだけ逢ったでしょ?」
彼がすかさず、そう答えた。

彼に逢ったのはもう2週間も前、
それも、たった2時間だけの逢瀬だった。
休日に私に逢う時間を少しだけでも作ってくれた事は嬉しかった。
でも甘い特効薬は、そろそろ切れて、禁断症状が出る時期。

「だって2時間だけだったでしょ?」

「2時間だけでも逢えないよりは良いでしょ?」


彼はそんな風に答えていた。
私が最後に・・・何だか3年以上も一緒に暮した夫婦みたいになって来たね、と言うと。
「えっ?そんな事無いよ?
逢っている時はラブラブでしょ?」

彼はそう言うけれど、冗談のつもりが何だか私を又悲しくさせた。
彼に逢っていると楽しくて嬉しくて、とても幸せな気分だ、それは今も変わらない。
でも、こうやって次に逢える日は何時来るのだろう?と考えると、
約束も取り付けられない状況が酷く厄介に思えて来て仕方ない。

「最初はチョットだけでも顔を見られるだけで嬉しくて・・・
ただそれだけで満足だったのにな・・・・あの頃に戻りたいな・・」

そんなに時間が過ぎていないのに、
私は胸の中でそう思いながら寝返りを打った。

彼の仕事が大変だって知っているのにも関らず、
やっと、この前の諍いが修復したばかりなのに、





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2003年02月05日(水) 小さな幸せ


昨日は彼と仲直りして、
やっと夕方にBirthday cardとおめでとうのメールを送った。
夜には又会議があって、
それを見て少しでもホッとしてくれればと思った。

家に帰る暫しの時間、又電話を繋げる。

「今日は沢山話してるね〜」

彼とは話しても話しても・・・飽きる事は無く、
私はまるで餓鬼みたいに何時までも「もっと、もっと」と必死になって
心を満たそうとしている様だ。

「明日は出張に行かなくちゃ・・・・」

話を聞いたら、とても朝が早い仕事があって、
どうしても遅れる事が出来ないらしい。
朝早く家を出て仕事に向うくらいなら、
いっそ泊り掛けで出張に行った方が楽だと彼も私も同意見。
でも、まだ色々迷っているようで、そのうち彼の自宅の駐車場に車が滑り込んで
「おやすみ」「おやすみ」
私達はそう言って電話を切った。



今朝は忙しない出勤準備中PCを覗くと、
彼からのオフライン。
「すみれ・・・もう寝てるね。
明日も仕事だしね、今日はゆっくり休めたのかな?
明日も頑張ろうね
今日は誕生カードやおめでとうコール、ありがとうね
それじゃ、おやすみ」

ちょっとした事だけれど、眠る前PCを立ち上げて
彼が私にこうやってメッセージを残してくれた事をとても嬉しく感じた。
別々の家から仕事へ向い、全力で自分の与えられた仕事をこなし、
そして疲れ果てて又無機質な家庭へ戻る。
きっと、彼は彼で忙しくしているし、
仕事中は私の事など考える余裕も無いだろう。
本当に小さな事だけれど、こんな生活の中だから
尚更彼の優しい気持ちを感じて
出勤の車を運転出来ると
「今日も一日頑張ろう」と素直に思えるから不思議だ。


今日は何度か仕事中にも遣り取り出来た。
午後2時になって、彼は「やっと昼食にありつけるょ」と言っていた。
キーボードを叩きながら
「御苦労様・・・」
心の中で呟く私。


帰宅してから、出張に向うのかな?と思ってメールを出した。
8時過ぎになって直帰して明日の早朝に出発するとメールが返って来た。
「そうか〜明日行く事にしたんだね」
「うん、今日は早く寝なくっちゃ・・」
そして又「おやすみ」と御互い言い合って、自分の家へ帰る彼。
それでも、今日は嬉しい事を彼が言ってくれた。







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去年は喧嘩をしていて行けなかった、期間限定のイベント。
喧嘩の途中に一人で行こうかな?とも考えていたけれど、
やはり、一人で行ったとしても意味が無いと諦めてしまった。

「うん、今年は絶対に行こう!!」

単純な毎日でも、その事を考えると何とか来週まで持ち堪えられそうだ。



2003年02月04日(火) Nice, a guy



やっと仕事が休みになった。
台所を綺麗にしたり、溜まった洗濯物を洗ったり・・・。
そんな事をしなくてはいけないと思いながら、
何故か気持ちは全然別の事を考えていた。




午前8時30分




そろそろ彼が家から会社へ向う時間。
でも、私は何から話して良いのか解からなかった。
ただ、心に靄が掛かったこの状態が嫌だった。
それでなくとも、私と彼の関係は曖昧な状態のまま、
もう随分と続いてしまっていた。
御互いに、もう後ろへも前も進めない状態・・・・。
どちらか一方が「もう止めにしよう」とだけ言えば、
それはそれで良い事なのだろうけれど・・・・。

久々に胸の鼓動が激しく鳴った。
もう・・・これで終わりなんだろうか・・・。
ここで諦めなければいけないのだろうか・・・・。







「コチラは留守番電話サービスです」






又あの女の人の声がする・・・。




それから、彼に繋がったのは2時間後。
私からの第一声は・・・・・。











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「うん・・・・・ありがとう」




本当に嬉しそうに・・・彼は答えた。
その後、又隣町まで商談に出掛ける途中だと言う。



「この前は・・・どうして僕に怒ったの?」

彼に聞かれて、この前の喧嘩の発端や私の心の余裕のなさを説明した、
そして、彼は・・・

「すみれが送ってくれたメール・・・あれは正論だと思うょ・・・。
僕は今すみれの将来を・・守ってあげる事など出来ないから・・・」

そんな事を言い出した。
何だか悲しくなって溜息が漏れた。
今ではなければ、いつ彼は私を守ってくれると言うのだろう・・・。
それは明日かハタマタ10年後か・・・いや・・・もっともっと、先か・・・・。

「別に・・・貴方に守って貰おう何て思っていないよ・・・。
私が同居人と別れたとしても、
誰かにどうにかして貰おう何て思っていない・・」

「ただ・・私が一人で子供を育てて行かなければいけなくなった時・・・
貴方の負担が大きくなり過ぎて・・・貴方が苦しんだり、
私の事を迷惑だと思う時が来るでしょ・・・?」

「今までも色々あったけれど、すみれの事・・・
迷惑だなんて一度も思った事はないよ。
誰か他の人と付き合ってたら、もっと違っていたのにと思った事もない。」

彼はとても静かに一つ一つの言葉を噛み締めるように、ゆっくりと答えた。

「でも、すみれは僕じゃない人と安定した付き合いをしたいんでしょ?
それが本心じゃなとしたら・・・僕を試したの?」

私は彼を試した訳じゃない・・・・。
でも、もっと確信的な言葉が欲しかった。
彼の立場からして、そんな事は軽々しく口に出せないと解かっているのに・・・。

私達はどちらも無い物強請り。
御互いに目には見えない気持ちを探り合う。
そして、心の扉をパタパタと開けたり閉めたりして時々疲れ果ててしまう。

「貴方を試した訳じゃないよ・・・。
ただ、先の事を考えると・・・うまく遣って行けるのか・・・
解からないから・・・、
でも・・・一緒に居られるだけ居たいと思ってる・・・」

「本当に・・・そう思ってるなら、
僕の心を試したりしないで・・・御互いに想い合ってるなら、
そんな事しなくても良いと思わないかい?」

彼は何時もより紳士的だった。
そして私は、その言葉に納得して頷く。
私の気持ちを荒立てないように慎重に話を進めくれる彼。
今日は特別な日だから私も理論的に話をしたつもり・・・・。



「駄目だね〜もっと話をする時は言葉を選ばなくっちゃ・・・
すみれが余計な事を考えないように、気をつけるネ・・・」



2時間の仲直りドラマの最後に、彼が投げ掛けてくれる言葉・・・。
優しく寛容で・・・心地良い。
彼は又一つ大人の男になったような気がする。



空の上に居る貴女・・・・見てくれていますか?
彼はこんなに素敵な男性に成長しましたよ?
暖かくて・・涙が零れる様な・・そんな想いです。
私は今日・・貴女に心から感謝します。


2003年02月03日(月) Clear


何時もの様にデスクに着く、
朝の打ち合わせで、昨日まで開催していたイベントは、
予算もクリア出来ずに失敗だった事が報告された。
今月は何時もの月より日数が少なく、
それ以上に不況の波に押されて、
昨対もクリア出来ずにフロアーの御偉方は殺気立っている。


土曜の件で課長が何か言ってくれるだろうか?と期待していたけれど、
彼の頭の中はどうやら数字の事でイッパイらしい・・・・。
始業時間を少し過ぎてから
「この前の件で納得がいかないので少し御話させて下さい」
自分から言ってみる。
今日は大きな会議が二つも入っていて、忙しいそうにしていたけれど、
午後になって、やっと話し合うチャンスをくれた。
私が昨日、自宅から責任者へ個人的意見をメールで伝えた・・と報告すると、

「どうして報告や承諾もなしに勝手にそういう事をしたのか」

案の定、そう言われた。
私は思いきって本心を伝える。

「でも、今朝も課長は何もおっしゃって下させらなかったですし、
私が複雑な思いで仕事をしているのを感じていなかった訳でもないでしょう。
私はそんな課長に信頼を預けられる事が出来なかったので・・・」

他にも色々話した。
少し反論もされたが、自分の会社への考えや、
一人一人の役割、
そしてそれを理解して真っ当した時こそ会社の基本が成り立って、
商品を購入する人への最高のサービスを提供できる事・・・。
ちょっと、でしゃばり過ぎだろうか・・・そうも思ったけれど、
そんな自分の思いをぶつけてみた。
課長も自分の事を信頼して貰えなかったのが悲しかったのか、
素直に「ショックだ・・・・」と話していたが、
最終的には私の話を理解してくれた。
この業界では老舗と呼ばれている会社は、
昔の時代を引きずってか縦社会の様な所が多々あって・・・
課長もそれはいけない事だと思っているらしい。
私の意見は夕方から行われる営業会議で
それを反映させてくれると言ってくれた。


御化粧を直してデスクに着くと、何だか晴れ晴れした気持ちになった。
不透明な事柄は暖簾に腕越し状態で、
何をどうすれば効率良くこなして行けるのかさえも掴めずに、
空回りして行くばかりだ・・・。
きっと、そんな人達もこのフロアーには沢山居そうだけれど、
私はそれを出来ない性分なのだろう。
胸に一物溜めて置く事が出来ないのは・・・大人になっていない証拠。
でも、今回はそれが良かったのかもしれないと笑顔になった。








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そして、私を支持してくれる人が・・・もう一人・・・・。
ただ・・・それは歓迎できない支持の仕方だった。


「金曜日は突然の事で・・・返信できなくてごめんね。
正直、どうリアクションして良いか、わかりませんでした。
1年以上も付き合って来たのにすみれの気持ちを酌んであげられないのは、
本当に情けない事だと思う。
お互いの生活環境が変化していく中で、すみれの言った通り、
お互いの関係も大きく見直さなくてはいけない時期だよね。
今は、すみれ自身の生活を守っていく事が一番大切な事。
将来を考えると、のんびり構える人とは付き合っていられない、
早く安定した家庭を築きたい、というのが本音でしょう。
僕も・・・そう思います。
特に、すみれの子供の顔を見たり声を聞く度に・・・
そう感じていました。
ごめんなさい・・・
突然の展開だったので、舌足らずのところはご勘弁下さい」



もう彼からは来ないだろうと思っていたのに、
丸々2日開けてのメール・・・・。
果たしてこれは彼の本心なのだろうか・・・。
どちらにしても、次はこの問題をクリアしないと先へは進めない・・・。


2003年02月02日(日) 誰かの御蔭・・・・。


昨日も早くに眠ってしまった。
子供が眠った後、もう一度起きようと思っていたのに、
案の上起きられなかった。
昨晩はそれで良かった。
同居人も子供も寝静まった深夜に考える事は・・・・、
きっと、何をどのように考えているかも解からない彼の事だったから・・・。


今日は久し振りの休みで子供と一緒にユックリとした朝を迎えた。
仕事をしだしてから同居人と休みを共にする事が少なくなるのに付随して
目に付く苛々も少なくなったと思う。
これで大きな問題を持って来なければ只坦々と生活して行くだけなのに・・・・。
私はやっぱり子供と二人で生活して行った方が幸せなんだろうな・・・・。
そんな事を考えていたら

『パパは?もう御仕事?』

昨日の夜もチラッとしか逢って居ない同居人の事が気になるのだろうか・・・
子供がイキナリ普段は発しない事を言い出した。
「うん・・御仕事行ったょ」
それだけ言うと「今日は何して遊ぼうか・・・」
私は同居人の事から気をそらして、普段通りに子供に接していた。


いつもの様にオヤツの時間が過ぎると、添い寝しながら御昼寝をさせる。
子供が可愛い寝息を経て始めると、私は昨日の職場での一件を考え込んだ。
そのうち、やはり納得の行かない自分の気持ちが沸々と湧き上がって来て、






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そう思い立って、今回の責任者に手紙を送る事を思いついた。
きっと課長はこの突飛な行動を責めるかもしれないけれど、
これ以上、仕事の事で精神的容量を侵食されるのは耐えられなかった。
今の私の立場・・・誰かが居てくれる御蔭で仕事が成り立っている事、
誰かが居てくれる御蔭で商品が開発されて、
誰かが居てくれる御蔭でその商品が売れて行き、
誰かが居てくれる御蔭で次に繋がって行く、
商品を作る人、売る人、買う人、
そして私のような裏方も・・・。
皆、誰かが居なければ成り立たない関係。
当たり前の事だけれど、当たり前の事こそ忘れがちだ。
どうしても、それを解かって欲しかった・・・。



手紙を書き終えると少しスッキリした。
徐に言いたい事を書き殴ったから読む方はとても大変だと思ったけれど、
納得しないまま坦々と仕事をこなすだけなら、別の会社へ行った方がマシだ、
そう思いながら何行も何行もツラツラと自分の意見を書いた。
「何時の間にか・・・この仕事を好きになってたんだな・・・・。」
書きながら自分の変化に驚いた。



手紙を書き終えて暫くすると私も眠くなって来てしまって、
子供の横でボーっとしていた。
仕事への疑問点や問題がクリア出来たなら、
次に解決しなければいけないのは彼との事だ・・・・。
でも、今日も一通のメールさえ届きはしない。
元々、週末はとても不透明な関係だから、
彼が何をしているんだろうなんて、気にしたとしても仕方なのだけれど・・・。


私は彼の御蔭で・・・何とか、ここまで遣って来れた・・・。
直ぐに悪い方にしか考えが行かない私をここまで見守ってくれて・・・。
随分前に喧嘩した時、

「すみれには嫌な事が沢山ありそうで・・・。
それを僕がどうにかしてあげたいと思ったんだょ・・・・。」

そんな事を言ってくれた彼・・・。
今もその気持ちは同じだろうか・・・・。
そして、私は・・・・。
私は彼に何をしてあげられるだろう・・・。
何だか考えるだけで疲れてきてしまいそうなので、
私は又、目を閉じて彼の事を考える作業まで放棄した。




2003年02月01日(土) ハスキーボイス


昨夜はベットの中で堪えきれずに泣いてしまった。
子供も不安に思ったのか、私に抱きついて来て、
私もそのまま眠ってしまった。
深夜に少し目が覚めると、
ベットの下で、同居人が布団に包りながら寝息をたてていた。
私もそのまま再び眠りに堕ちると、
翌朝目が覚めた時にはもう、同居人の姿は無かった。


こんなスッキリしない気分でも、
何時もと変わらないテンションで仕事に望まなければいけない。
今の私にはとても辛い事だけれど、
それでも私のしている事が誰かの為になれば、
それは自分の幸せにも繋がるのだろうと・・勝手に解釈してデスクに着く。
それが・・・今日は歯車が大きく狂ってしまった。
どうして、こんな風になってしまったんだろう・・・・
悩んでみても仕方ない事なんだろうけど、








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何だか・・・とても辛い一言だった。
私の声はハスキー過ぎて低音だし、顔も見えない電話での遣り取りだと
不機嫌に聞こえてしまうのは理解出来た。
それに付け加え、書類に不備がある場合は、
その確認作業を全て私に委ねられている仕事上、
どうしても相手は私に不備を責められているとしか聞こえないのも理解出来た。
だからと言って、それを責めたつもりもないし、
只内容を確認したかっただけなのに・・。



「貴女・・・・・・偉い訳じゃないでしょっっ」



そんな事まで言われた。
自分の非を認められない、こんな営業マンに
何故そんな事まで言われなくっちゃいけないのか・・・。
言ってる本人だって偉い訳でもないのに・・・・。
そういう想いで憤慨して手が震え出して来てしまったけれど、
そんな事を言ったとしても余りに子供じみた押し問答だと気を取り直し、

「そんなに私の言い方が不快に思うのなら、
書類に不備が無いように御願いします」

とだけ言って電話を切った。
相手が面白くないのは重々承知だった。
どうしても事務的な内容の遣り取りになりがちな確認作業だったし、
誰だって自分の非を只責められると思えば良い気がしない。
私だって・・・
忙しく毎日バタバタしているのを知っているくせに、
イチイチ不備の内容確認なんてされたら良い気持ちには到底なれないだろう。
でも、どうしても私の仕事はそれを明確にしなければいけない仕事・・・・。
会社の利益の為に・・・。
そう思って仕事の成果が反映されるのを強く望んでいるのに、
末端に居て要となる営業マンに
汲み取って貰えない気持ちが悔しかった。


その後、目の前に居る先輩のデスクの電話に、その相手から電話が掛かった。
ベテランと呼ばれる先輩はこの会社に8年は居るらしい。
そして、それらしく直ぐにPC画面を見詰ながら、
やっぱり何も記入されていない書類の作成画面の事を話していた。
電話が終った後、私に

「責任者が・・この欄の無記入禁止を
キチンと伝えていなかったみたいだょ・・・」

それを聞いて又落胆した。
仕事で涙を流すのは恰好悪いとは思っていたが、
今までも何度も何度も涙を流してきた。
新しく就職した今の会社では初めてだけれど、
結婚前に働いていた時は、
ホンの少しで予算がクリア出来なかった時・・・。
部下が違う部署から色々と注意をされてしまった時・・・。
何だか自分が一生懸命遣っているのに、それが上手く反映されない時は
本当に悔しくて涙を沢山、零した。
だからと言って諦めるのも悔しくて・・・・。

「絶対、クリアしてやる・・・人になんてツベコベ言わせないぞ・・・
今に・・・・追いつけないくらいの数字を見せてやる・・・」

そう思いながら、自分を奮立たせ何とか1つずつクリアして行った。
問題が全て取り払われて、自分が満足の行く結果を成し遂げた時、
「良く頑張ったね・・・・」
最後に今までツベコベと言い続けた人が、満面の笑みで私を認めてくれた時、
私はその人の事を心の底から感謝した。
「あぁ・・・この人があの時、冷たい言葉をくれなかったら、
今まで頑張って来れなかっただろう・・・・。
この人が居てくれて良かった・・・。」
そう思って頭を深々と下げた。


営業マンの気持ちが解からない訳ではなかった。
あの時の仕事への未熟者だった私と同じ段階に彼も今は居るのだろう・・・。


只・・・私の仕事に日々、アレコレ指示を出す上層部は
今回の事をなんて言うのだろう・・と思っていたら、
只一言・・・・・。

『営業マンなんて馬鹿なんだから気にするな』

それだけだった・・・・。
何だか、ふに落ちなかった。
日々、情報漏れが無いように言って来たのは確かに上層部の筈なのに・・・。
次に商品を購入する人の為に・・・・。
満足の行くサービスを提供する為に・・・・。
そう指示され、それだけを頭に置いて仕事を全うして来たつもりなのに・・・。

  







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余りに気分が悪かったので、定時で仕事を切り上げ帰宅途中の車の中。
私の頭の中で、そんな言葉が何度も何度も木霊した。




仕事から解放されると、もう一つの憂鬱が遣って来た。
彼からは何の連絡もメールさえも届かない。

一体・・・私の精神的底辺はどの位の深さの所にあるんだろう・・・。
まだまだ、底は深そうに感じているけれど・・・。
その割りに限界点はとっくに超えて、
胸の辺りで喚いていた悲鳴も擦れ擦れの状態だろう・・・。
私の心は実際に発声する声よりも、
きっと、もっともっとハスキーボイスだろうな・・・・。



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