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■ ホトケか偶像か
うちの職場に、ちょっと気になる子がいる。
簡単に言えば、「何を考えているかわからない子」だ。
何かを説明しても、その説明をオウム返しに返してきて、 本当に理解しているかわからない。 その子の言葉で、返してくれない。
何かを話したら、それをそのまま同調して、その子の意見や思いが見えない。
その子と同期のAちゃんに話を聞いても、
「あの子欲っていうのが無いんですよー、そもそも一緒に遊んだりもできてないんですけど、たとえば私や他の子が「あれかわいい! 欲しい!」って言ってても、「ふーん」「私は別に…」「いいよいいよ」みたいな。特に買ったりもしてないし…何が好きなのかもよくわからないんです」
前、職場のひとの誕生日をひそかに祝おう という企画をしていて、 その子の誕生日の前の日にAちゃんと私達先輩は打ち合わせをしてみた。 で、その子の好きなものとか、好みのものとか無いのか同期のAちゃんに聞いてみても、
「それが…、わからないんですよ…」
と、心底困った様子でAちゃんは答えた。
Aちゃんは別にその子を避けているわけでも、超ツンツンなキャラというわけでもない。とても社交性があるし、話しやすい子だ。 それなのに、そんな子が同期なのに、わからないとは…
のみならず、
Aちゃん「たとえば私達が、「先輩にこんなこと言われたー!」って愚痴言ったりしてても、そういう話をしてこないんです。何か理不尽なことを言われても、それについての不満を聞いたことが無いんです」
職場で、たとえば先輩の目を気にして思いを言わないことは判る。 でも、同期の子にすら愚痴…というか、感情の一つも漏らさないのかな?
Aちゃん「いやー私ダメです、色々愚痴ったりしちゃって…あの子ほんとに、仏ですよねぇ」
うーん。 果たして、ホトケか偶像か。
考え とか、思い とか、人間性 とか、人間くささ とか? 人となり とか、そういうのが見えにくい。
まだまだ観察がいるみたい。
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ってわけで、色々聞いてみた。
私「ねえねえ、Bちゃんの好きなたべものってなに?」 Bちゃん「好き嫌いとか、特にないんですよ」
私「好きな色は? なにいろの服着る?」 Bちゃん「特に…あ、緑、ですかね。 服は…特に色は…」
私「じゃあ、学生のときとか、ちょー仲良い子とかは?」 Bちゃん「なかいい? うーーーーーーん………、 …あっ、でも同じマンションの下に住んでる、いっこ下の子とは…一緒に鍋したり」 私「うーーん…カラオケとかは? 何歌う?」 Bちゃん「カラオケ、行かないですね」 私「じゃ、じゃあ、音楽とかって何聴く?」 Bちゃん「そんなに、聴かないですねぇ…」
が、 ガーーン
暖簾に腕押し みたいな、手ごたえのない会話にちょっと心が折れそう
わかったのは、緑色が最近ちょっと好きらしい ってことくらいだった あとは特に好き嫌いがない ってことくらいだった
Bちゃんは終始困ったようにぎこちなく笑っていた。 ごめん、つかれさせちまったね。
2010年02月28日(日)
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