99745..チェリー
東京の空。
2007年07月18日(水)
「余命1ヶ月の花嫁」〜乳がんと闘った24歳最後のメッセージ〜、という番組を観ました。

話は、この番組のこととは離れて、ちょっと私事になりますが…。
もう月日が経ったので、正直な出来事を話します…。
この2〜3月くらいにかけて、メディア取材との間で、すれ違いを起こしてしまい、かなり心苦しい経験をしました…。
(私自身が取材対象ではないのですが、ちょっとかなり近い距離にいました。)
テレビは、視聴率優先だなって思ったし、障害や病気を題材にするには、感動とか仕立てることになったり、当事者の思いや、現実とは離れてしまったり…。
(そんなメディアばかりではないことも、知っていますが、今回出会った方々とは、ちょっと運が悪かったのかもしれません…。)

なので、それまでは、感動や同情になったとしても、病気や障害と共に過ごしてる人がいるということを、健康な人に知ってもらうには、メディアは有効であるとか、テレビで流す意味はあると思ってました。
例え、それが、健康な人には、明日になれば、流した涙など、忘れられてしまったとしても…。
もしかしたら、いつか、たまたま、病院に行くことになった時、怪我した時、家族が病気になった時、街でたまたま障害を持った人と出会った時、何か心に思い出したりすることも、あるのかもしれない…と。
そう信じ切っていました。

そういうわけで、メディアを通して、辛い思いもしたけれど、今も、メディアは全く嫌いではないし、こういう番組も、嫌悪はしません。
そう再び思えたのは、今夜、この番組を観たからかなと、思った。

乳がんの転移で、余命1ヶ月と告知された24歳の女性が、彼氏や友達や、家族や親戚と、共に過ごした1ヶ月間を、取材されたものです。
友達が、結婚式のサプライズを用意したり、女の子として、ウエディングドレスを着たいという夢を叶えたり、身近な人に、愛し愛されて、そして、天国に旅立ちました…。

番組最後に、彼女が、「東京の空気は、おいしいんだよ。」というような言葉を、話していて…とても心に残っています。
今、健康に過ごしてる人は、自分の今ある身近な幸せに、気付かないで、暮らしてると思います。
病気になったら、日常生活の、ほんのちょっとした幸せに、気付くんです。
だけど、これは、健康な時にも、気付けるといいのにね…。

彼女を支え続けた彼や、結婚式のサプライズを用意した友達は、とても素晴らしい人だなと思ったけれど…。
素晴らしかったのは、やはり、病気と闘った彼女なんだと思う。
自分がいなくなった後も、彼や家族や友人、みんなが仲良く過ごして、人の縁が彼女を通して繋がっていく。
そこに、彼女がいなかったことに、涙が込み上げてきた…。

今何してる?

「生きてる。」

と答えた彼女の、真っ直ぐな瞳が、カメラを通じて、どんな長くて立派な言葉より、心にズシンと…届きました。

メディアって、何なんだろう…?
病気の人をテーマに取り上げると、視聴率も上がり、健康な人は、自分の健康に感謝して、生きる喜びを知るのかもしんない。
それじゃいけないんだろうか…?
私だって、健康だったら、そうかもしれない。

だけど、それだけではなくて、メディアには、きちんと真実も伝えて欲しいと思う。

番組の終わりに、乳がん検診について、説明されていました。
彼女が取材に応じた気持ち。
「がんと闘う自分の思いを、同世代の人達に伝えたい。」
という思いが、伝わってきました。
番組の制作過程において、彼女の意思が、生かされてるんだなぁ、と感じることができたような気がします。
この番組を通して、彼女の気持ちに触れた方々が、乳がん検診を受ける女性が、1人でも増えますように。
もちろん私も、含めて。

乳がん検診と、子宮がん検診には、行きたいなと思ってるんですよ。
在宅医のスタッフは、「若いがんは、滅多にない。」と言いますが、重度障害の身で、がん検診?と、思われてしまうかもしれないけど、私だって、自分の命は大切に思ってますから。
私は、人より、腫瘍とか、がんとか近い場所で、過ごしてきたんで、遠くには感じないんです。
それと、死についても。
健康な人だって、明日事故に遭うかもしれないし、心臓が止まってしまうかもしれない。
命の終わりは、いつかなんて、誰もが知らずに生きてる。
だけど、私は、命の大切さを、病気から教えられたから、ちょっと得した気分もする…♪

外に出たら、車椅子から、よく空を見上げます。

大阪の外の空気も、おいしかったりします(^ω^)

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