るり子の日録【愛が終わる日】
るり子の日録【愛が終わる日】
るり子



 愚かな理解

彼が私に

声を荒げて

感情をぶつけたことは過去に二度ありました。





それは、

二月に新橋で

彼に黙って元彼に逢った事を その翌日彼に話したときと、


秋の一泊旅行のスケジュールが直前まで立たない事に

私が不満の声を漏らしたときでした。


いずれも昨年の事です。





私に対して激しい感情をぶつけてくる彼でしたが、

そのどちらにも 彼の深い愛を感じていました。





怒りには 大別すると二通りあるように思うのです。

対象が好きだから 何とかしたくて怒る場合と、

対象にうんざりしたから もうどうでもよくなって怒る場合と。





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類のものの様でした。






前回の諍いで

彼の心の中の何かが壊れたと

彼は私に告げていましたから、

それ以来

私は、その壊れた何かを復元するべく

密かに心を砕いていた気がします。



私にとっては 

その行為が、

より彼を理解すること

だったのです。




だから

「私はあなたを理解しているつもりだわ。」

という自分の言葉に自信があったつもりでした。





お仕事の時間帯は決して電話をかけない。

彼の予定を捻じ曲げる様な束縛はしない。

へこんでいる彼には、さりげなく寄り添っている。

リードを好む彼だから、気持ちよくリードされる。

根拠のない我侭を言わない。





乱暴に言えば私の理解とは、

彼が不快に感じることを知り、それを極力避けることで

『彼の好みの女を理解する』

と言う愚かな理解に行き着くのであり。





「理解しているだと? 」

他方、

彼の理解とは、

「俺の愛情をおまえは正確に理解しているのか?」

というものですから、

『俺の精一杯の愛情を、理解する』

という二人の関係の本質にある訳で




彼の言わんとする理解は、

わたしの思っている理解と

違うところにある訳です。





彼が怒って

うんざりするのも無理無い話です。

それでも

電話を架けてきた彼。





まだ 心を繋いでいいですか?





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2003年04月04日(金)
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