るり子の日録【愛が終わる日】
るり子の日録【愛が終わる日】
るり子



 イントロダクション

「逢う度に私を抱いて。」

二年程前、私は辛い恋をしていました。



「俺は正直、SEXは嫌いではない。むしろ好きなほうだと思う。だからこそ、るり子を精神的に深く愛していたいんだ。るり子の身体だけが目的になるようなことは避けたいから、そんな風にそんな目をして、抱いて欲しいといわないでくれ。」

辛い恋の相手が言った言葉がそれでした。



私は混乱しました。

些細な事でいらだった日々でした。

世界を競争相手に、その業界では国内のトップを自負する企業の、とある部署の部長であった人でした。

過酷な仕事と私へのフォローが、その人の時間の全てを奪い、その人は疲労し、いつしか私はその人の愛を失いかけていました。



そんな時、現在の彼が私にさり気なく近づいてきたのです。

彼は、私の心から辛い恋が消え去るのを待っていたというのです。



クリスマスのイルミネーションが街を彩る頃、私は彼に強烈に口説かれ、辛い恋の相手に心を残しながら彼の女になる日を迎えました。






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男と女は、根本的に感情のありようが違うと、つくづく思います。

それはまるで、ベッドの中で互いを執着し確認するその方法そのもののように思えます。


目的達成のためのスタートダッシュが良く、完了の切れもいい男。

スロースターターで、なかなかピリオドがきまらない女。

ハイにいる間の高まりは同じでも、始まりと終わりが別の生き物のように違う。

日常的に感情の面でもそれを繰り返し、耐え切れずどちらかが、いずれ疲労してゆくのです。




携 帯 電 話
あんまり放っておかれると、貴方の事を忘れちゃいそうなの。だから・・・
Heそうかなぁ、俺は忘れないよ
だって、ずっと逢えないもん
He一週間前にあったような気がするのは俺だけかな?
『私は、毎日あいたいの。』




たった数文字のこの言葉を、どうして私は言えないのでしょう。

BBS


2002年06月22日(土)
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 初めて彼に抱かれた日

私たちは、丸の内から日比谷をゆるゆる歩いていました。

前日、お台場の観覧車で、私はイヤリングとネックレスをプレゼントされていました。

それを身につけるということは、私の心が以前の辛い恋を忘れつつあるということでもありました。

寒い冬の風で凍える私の手を取り、彼は自分のコートのポケットの中で私の手を愛撫しつづけてくれていました。

植村で夕食を共にし、夜の銀座を彼の腕にぶら下がって歩いていた時。




「ホテルに行こうか。」

突然彼が私に言ったのでした。



ためらう心が私の返事を一瞬遅らせます。


歩きながら私は自分の心を探っていました。

答えはとっくに出ていたのに。




彼は心が呼び合えば、肌を合わせることを自然に欲するようになるんだと、常々言っていました。

だから、いたずらに僕を怖がらなくてもいいし、君が望まないなら僕はそう言う関係には持っていかないから。とも。







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和光の前で私は

「抱いて・・・。」

と、彼に小さく耳打ちしました。




「オーライ。」

そういうと彼はタクシーを拾い、鶯谷に行くよう運転手に告げました。







携 帯 電 話
私のこと好き?
Heあぁ、好きだよ。
どのくらい好き?
He時々、君を食べてしまいたいと思うくらい、君が好きだよ。
『なら、愛しては・・・・いるの?』




聞きたいけれど、聞けない言葉が多すぎます。

BBS


2002年06月23日(日)
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 肢体を曝した、鶯谷の夜

肢体を開くということは、心を預けることに良く似ています。

服を脱ぐ、お風呂に入る、ベッドに横たわる。

彼との始めてのSEXの始まりです。

KISSが好きな彼は、唾液を吸い尽くすように私の唇をふさぎます。

コートのポケットで私の手を愛撫し続けた彼の手は、今は私の肢体を愛撫していました。




「るりちゃんの感じるところを、これから丹念にさぐっていこうね。」

そういいつつ、彼は私を自在に触れます。

彼の指が私の奥深く、深くさまようたび、私の口から声が漏れます。

女を扱いなれている男の手です。



幸せでした。


少しうつむき加減で、ブラジャーのカップに胸を収めていたら、彼が近寄り、私の脇から胸のふくらみをフロントに回すようにして、形良くカップに納めてくれたのが、とても印象的でした。

時折目をあければ、優しくほほえむ彼の目がありました。



こんな小さな事を、ずっと覚えていたいのです。




深夜3時を廻っていたでしょうか、私に背を向け彼はケータイの着信と録音をチェックしだしました。

後ろから抱きつくようにして、私は彼のケータイの情報を共有しました。






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明け方、彼は鶯谷でタクシーを拾い、私の行く先を運転手に彼自ら告げ、路上で見送ってくれました。





その時々に去来する感情を忘れないように、また淋しい時に思い出せるように、

私は昨日からここで駄文を綴る事にしました。

私は彼をまるごと欲しいのです。

だから、最初は決して家庭のことを触れようとしなかった彼に、何でも聞きたいと言って、私は彼の生活の全面的な情報を得るようになったのです。




「僕が変わることで、この関係が長続き出るのなら、君のいうとおりこれからは何でも話すようにしよう。」

彼はそう言いました。




これは私の癖でしょう。

癌告知をして欲しい心と一緒です。

嫉妬は不思議とありません。

傍にいるのがわたしであったらいいのになと、、、、思うだけです。

強く強く思うだけです。





携 帯 電 話
Iあなたは幸せ?
Heさぁ、どうだろう。でもまぁ、るり子という女と知り合えたことは、幸せというものでしょう。
I泣かせるじゃん〜(笑)
Heじゃぁ、君の暖かさを感じながら君と一つになって愛し合っている事を思いながら今夜は寝るよ。
『それなら私を、所有したくない?』




聞けない言葉、いえない言葉。それを口にすれぱ、彼はとっても困るでしょう。

BBS


2002年06月24日(月)
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 JR駅そばのラブホテル

銀座にある、フロアーがゆっくり回転するレストランで夕食を共にとった日のことです。


私たちは、ガラス質の壁面が美しく煌く、某JR駅そばのラブホテルにいきました。

私は彼にいだかれるようにして、そのホテルの一室に入ったのです。




最上階の一室をチョイスし、その部屋の入り口のドアをあけると彼は、

まるでそこが自分の家のようになれた手つきで、自分のコートをハンガーにかけました。

その自然な振る舞いに、何か隠された意図のようなものを私は感じました。




私の疑問は、すぐに氷解しました。






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だからホテル入り口の隠しカメラも彼には解っていたし、部屋の間取りも全て知っていたのです。




それは、そのホテルで何か事件が起こった場合、

ビデオテープをチェックされることで、たやすく彼と私の情事が露見するということでもありました。





そんな危険をはらみつつ、抱かれる。





私はとてもエロチックな感情をそこに見出していました。

またそんな危険を冒してまで私をそのホテルに連れてきた彼の感情の内側を、私は嬉しいものとして受け取ったのです。




キスから始まる彼の愛撫は、とても優しく、時に激しく、彼の長い指が私に滑り込みます。

私の中で、彼の指はとても饒舌です。

その彼の指はまた、美しい建物のパース(完成予想の水彩画)を描く手でもあるのです。






「るりちゃん、自分の好きなように、俺の上で動いてごらん。」


彼に言われるまま従います。





「るり。るり子は、俺が抜けるか抜けないかの際で愛されるのも好きなんだね。」


彼は、なんて私をよく理解するのでしょう。






「るり子、俺は、おまえのものだよ、るり子。」


私を口説こうと思った半年前から、彼は妻を抱いていないといいます。







商業ビルを得意とする彼に、ある日私は言ってみました。


「ねぇ、私と貴方の、二人だけのお家のラフスケッチかパースが欲しいの。」




彼は

「おぃおぃ、俺を一時間拘束したら四〜五万はかかるんだぜ。(笑)」





そう言いながらも、ひと月ほどたったある日、コテージ風のスケッチを持ってきてくれました。

「本当のお家みたい。」

私がそう言うと





「ほんとうに建つよ。これを工務店に持っていけばね。」

と、彼はいいました。





でもこれを私たちが工務店にもっていく日は、おそらく一生こないでしょう。








携 帯 電 話
I腰を痛めたんだって?
He今日の午後、病院に行って来るよ。
I診察の結果を私に一番に教えてね。(笑)
Heあのさぁ、入試の結果じゃないんだから。(笑)
だって、それくらいは一番でありたいんだもん。




このくらいは言えるのです。
彼のなかの「女に対する愛情」というパートの殆どを占めているのは、少なくとも今は私だという事を、私自身が知っているから。
いつまで続くかわからない、儚く危うい一番です。

BBS


2002年06月25日(火)
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 夜を越えて彼と共に朝食を

それは夢のような憧れです。




思い続ければ、夢の叶う日が・・・・やがて私に、訪れました。




振り返れば、昨年の六月、

私は当時付き合っていた人に、辛い恋を清算したいと言い出し、、、、、、

その辛い恋を自ら手放したのでした。

自分で言い出したはずのなのに、自分でも意外なほど深く憔悴し、

二日間、私は何も食べ物がのどを通りませんでした。




支えてくれたのは、友達です。







その中に、私を支えるでもなく、つきはなすでもなく

冷静に私を見ている、一人の男がいました。






私は辛い恋をしている最中から、

「なんだか、いい男がいるじゃないの」

という程度の気持ちで、その人を知覚していました。

辛い恋を失った時でも、私はまだ、その辛い恋に夢中でした。

憔悴している私に「なんだか、いい男」が、やたら快活に話し掛けてくるのです。





『この人、私が好きみたい・・・・・でも、まさかね。』






好みのタイプというものは、とてもよく似ているものです。

彼のその快活さと知性と明るさと、また理系の男が持つ少年のような無邪気さは、辛い恋の相手のそれと同質のものでした。

いつしか私は彼の語りかけを待ち望むようになっていました。

後日、彼は





「俺の心にびんびん響く感受性を持つ人がいて、その人が女の形をしていると思った瞬間、たまらない気持ちになったんだ。」

と、私に告げました。





サルビアの花が燃え立つ頃、

「なんだか、いい男」は熱心な口説きを掛けてきました。

彼のそれは三日間に及ぶものでした。

私は彼の真実に触れたような気がして、彼を新しい恋人に選んだのです。

恋人といっても、当初のそれはプラトニックなものでした。

私たちがフィジカルな関係になったのは、それから三つき程時を経た、クリスマス間近のことです。

それは、一昨日の日記にあるとおりです。







「帰ったらイヤ、嫌なの。」

その日だけの「つかの間のさよなら」が、私には永遠の別離に連なる気がするのです、

いつもだだをこねて、彼を困らせてしまいます。







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それは新橋と銀座の中ほどにある、第一ホテル東京でのことでした。

松坂屋のデパ地下で、二人だけのディナーのために、沢山美味しいものを買いました。

ルームサービスも頼みました。





幸せな気持ちでベッドに横たわりテレビを見ていると、彼が

「腕枕をしてあげるよ。」

と言って、ソファーからベッドに移動してきました。






キスからはじまる、二人だけの夜の秘め事です。

彼の快感を引き出す方法を、私は何時の間にか身につけていました。

それは私が彼と肌を重ねるうちに、彼に教えられた彼の好みの方法でした。

胸への愛撫をきつめにしてもらった私の胸は、鋭く立っています。







「るり、るりの胸が僕を欲しているよ。」





快感が、私を貫きます。

彼の長い指を用いた愛撫は、必ず私の奥へ内部へと向かいます。

私の、何処を触ればどんな声がでるのか、楽しむように彼は私を刺激します。

私は自分の体内に指を入れたことがありません。





女の身体を自由に触れることができるのは、実は男であったりすると、私は思うのです。





「私は、あなたの何人目の女なの?」彼は笑って応えません。

私は翌々日でも下腹部が覚えている、セックスの記憶・余韻というものが好きです。





愛の記憶とそれらは重なるのです。








携 帯 電 話
I今、何を考えているの?
He君との事だよ。(笑)
Iいつのこと?(笑)
Heいつと言うより、全部だよ。るり子の感じている時の顔や声、肌のぬくもりやいっぱい濡れてる感触、キスの甘さや、いろいろ考えてる。
『あなたの、最後の女になりたいの。』




言って叶うのなら、私は何度でも言うでしょう。
彼は私とこういう関係になる二年ほど前に、全てを捨てて奪い取ろうとした女性がいたと告白しました。
「では、私のためにも、全てを捨ててくれますか?」
これも、私がいえない言葉の一つです。

BBS

2002年06月26日(水)
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 初めての体位

彼と初めて迎える朝です。

私は、頭がぼぅーーっとしています。

ぴったりくっついたツインのベッドは、クイーンサイズより大きいのですが、

私たちはシングルでも広すぎるほど、ぴったり寄り添っています。




浅い夢を見ていました。

彼が胸を触ります。

はっとして、夢から戻ると、彼の手が私の胸にありました。

薄く目を開くと、彼はキスを唇にしてくれました。





昨夜の続きで、

朝の光の中で、一糸まとわぬ二人です。

「男の朝とは、つまり、こういう状態なんだな。(笑)」

といいながら、彼が私に入ります。

とても不思議な気持ちです。

ゆめごこち、でも、現実です。



私は昨日の夜のことを思い出していました。






「るりちゃん、エッチがすきだね。すごく上手いよ、フェラが。」






私は彼の深い愛情に、ただ応えたかったのです。

足を高く上げてしたいという私に、

「そうだね、るりちゃんの角度からしたら、そのほうがより感じるかもしれないね。でもむしろこの方がきっとイイよ。」






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私には、初めての経験だというと、

「嘘でしょう?この程度は、普通するでしょう。」





でも、私には本当に初めてのことだったのです。








ホテルのダイニングルームでフレンチスタイルの遅い朝食をとりました。

その後、ディズニーシーで一つのお皿をシェアーしながら、楽しい時も持ちました。





女は、その人にとっていつも特別な存在でありたいのです。






テーマパークが嫌いの彼が、私を連れてディズニーシーに行く。

それはスーパーにスペシャルなことでした。








携 帯 電 話
Iハーゲンダッツでも食べようかなぁ
He太るぜ、愛すは(笑)
I好きと愛してるは、違う?でしょ?好きはいっぱいもらったけど、愛はまだかも。
Heアイスと愛すをかけたんだよ。(笑)
そんなの、知ってるもん。ぶーぶー。




そのあと彼が言いました。「かわいいやつ(笑)」
でも、私は煙に巻かれただけなのです。
BBS


2002年06月27日(木)
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 安全日のカテゴリにあったはずの

複数のクライアントをかかえる彼はいつも多忙です。

彼に対する思いで心がいっぱいになってしまったある日、私は彼に





「六時間ぐらい、まったりくっついていられたら、すごく幸せなのに。」

と、つぶやいてみました。





「そうだね、六時間という事は3時頃待ち合わせをすればいいのかな?」

彼はその私の望みを叶えるべく最大の努力しようと約束してくれました。




他愛ない約束が現実の事となった春まだ浅い日。

雨に煙る都庁を眼前に見るホテルの32階の部屋で、私は彼の到着を待っていました。





「俺が部屋に入ったら、すぐに君とエッチだな。」






そう前日に語った彼の言葉を私は思い出していました。

生理前一週間ほどの時期であり、私のなかの女が、彼を強く求めています。

軽くお昼を済ませていくからという彼に、




食べるくらいの時間があるなら用意しておくから、

食べずに一分でも早く来て欲しいと、私は伝えていました。

今日のマイデリバリーは、京王デパートのデパ地下です。^^;





ホテルの一室で二人だけの食事をとることは、

セックスの延長のような気分だと思う事があります。

本能と快感という部分で、またプライベートな所作という意味で、

それらの行為はとても親密な感情を私に抱かせます。





高層階の大きな窓は二重のカーテンがおおきく開け放たれて、

この日が霧雨であるにもかかわらず、十分に明るく。








「るり子、向かいの窓から、誰かがみているかもしれないよ。」








と、いたずらっぽい目つきで、彼は白昼の明るさのなかに私の裸体を曝しました。

「るり子は、ヘアーが薄いね。ほら、あの窓から誰かみていない?」

いじのわるい彼の言葉に、私は隠微の淵に落ちていきました。



「るり子の声が、廊下に聞こえているぜ、きっと。(笑)」

宿泊を目的とするこの種のホテルは、防音に気を使ってはいない事を、設計士の彼は熟知しているのです。







「るり子、おまえの自由に、俺のもので遊んでごらん。」

そういいつつも、六時間という約束どうり、下から私を突き上げる彼。








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(えげつない描写が続いてごめんなさい。でも、忘れないようにここに記録しておきたいのです。)


その後もう一度体勢の上下を入れ換え、再び彼は私を上から抱きしめる形で、私の下腹部に、はてました。




この日は生理直前という訳でもない事を彼は知っています。

でも、コンドームを前日買って用意していたにもかかわらず、それらを使う事は結局なかったのです。






安全日のカテゴリにあったはずの、私の一週間後にくるはずの、その生理がぴったり止まりました。












携 帯 電 話
Iほらね、私のいったとおりでしょ?
He君にはかなわないなぁ。結婚してたら絶対俺は、君の尻の下だぜ。(笑)
Iそんなことない。少なくとも貴方が帰ってくるのをずっと寝ないで待ってるわ。
He起きて待ってると思うと気を使うなぁ。寝ていて欲しいなぁ。(笑)
だめよ、抱いてくれるまで起きて待ってるもん。




戯れに彼が言いました。「結婚していたら・・・・と」
それは何気なく彼の口に上ったものなのか、はたまた含みを持たせたものなのか、私にはわかりません。
時を違えて二度、彼の口からその言葉は発せられたのでした。

BBS


2002年06月28日(金)
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