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■ 薄情だったその日の私
飛行機で帰れば早いものを
わざわざ新幹線をチョイスして
しかも東京駅で途中下車して
10ヶ月ぶりに 私に逢いに来た人がいました。
たかだか
私とお茶するためだけに 二時間強の時間を捻出した人。
そんな価値は、
今の私と その人の間には
既に
ないのに。
徒労を・・・・・・・・、
そんな徒労をしたら
在来線の乗り継ぎがその先に待っている
その人の帰宅は
当然、
零時過ぎるのは明白なことで。
私を抱く訳でもない、KISSする訳でもない、
手だって取らないし、腕を組んだりもしない。
何が楽しくて、その人はわざわざ途中下車をしたのだろうと思う程
淡々とした関係になった、
かつての私の恋人だった人。
今日彼が
「おまえが会った、かつての恋人って誰よ。」
と、私に聞きました。
時間を人に分け与えるという行為が、
有限な人生において 尤も貴重な事だと
そう認識しているから。
その大切な時間をわざわざ私のためだけに割いた
相手のその行為に
最大限の敬意と尊重を表わし
私は
かつての恋人と逢いました。
今回彼は言いました。
「別にお茶を飲むくらい、何ていうことはないさ。
しかし、俺にいちいち言わなくていいことだ。」
誰だって、独占欲はあるし
嫉妬だってする。
好きな人がらみなら、当然のこと。
でも彼は、
以前のように落胆することなく、笑って流してくれる。
それは、
私の気持ちが彼に正しく伝わっている証拠でもあり、
また
信頼が確かな形として私たちの間に育っているから。
あんなに恋焦がれていたのがまるで嘘のように
自分でも知らぬ間に
かつて愛し合った筈の人を忘却していた。
楽しげに笑いながら過ごしてはいたけれど、
彼の傍らに飛んでいけたらと
ずっとその間、思っていた
正直なほど薄情だったその日の私。
BBS
2002年12月21日(土)
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