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■ 一途な愛し方の癖
「十月は忙しくなるなぁ。」
そういっていたとおり
彼の疲労が腰にまできて、
抱えている現場を回るのでいっぱいいっぱい。
そんな様相を呈している彼。
私たちの会話も
電話で何でも済ませてしまう。
メールもさりげないし、
ましてやチャットなんてしている余裕もない
みたい。
私が淋しがるから
ポイントになるメール送信は外さないようにしている様だけれど、
あふれるような気持ちから
と、
いう訳でもない
みたい。
今日レンタルしたアメリカ映画に
ラブシーンがありました。
とても愛情に満ちた
ベッドシーンだったものだから
彼に抱いて欲しいと思ってしまいました。
が、
今の彼に無理は言いたくありません。
ため息をひとつ漏らしたら、
肢体は覚えていないのに、
頭はしっかり記憶している。
なぜなら
その日の手紙がここ在るから。
過去の人と交わしたデジタルなメールは
一つも残っていないのに、
過去の人が書いた
アナログな手紙だけが
10通ほど私の手元に未だ残っている。
【今日は楽しい時間を 本当にありがとう。
僕は小田急の最終に間に合ったから すんなり調布まで戻ってこれた。
るり子はどうだった?
ごめんね、もうちょっと時間配分をうまく計算しておけばよかった。
本当に逢えてよかった。
なんていうか、単に愛しい人と逢うという事以上に
るり子と逢う事にはいろいろな意味があるみたいだ。
心の澄んだ部分を取り戻せるし、深く人の心を推し量る気持ちを分けてもらえる。
研修生活はなかなか楽しいんだけど、割と表面的な付き合いしかないから
自分の中で麻痺していく部分がある。
それを、昨日一日で取り戻せた。すごく感謝している。
るり子は、僕に随分気を使ってくれているんだね。
嬉しい事だけど、不満に想った事なんかは、オープンに話して欲しいな。
心に溜めておくと、しこりが残ってしまいそうで怖い。
るり子が意味ありげに笑うだろ。
僕が「なに?」って聞くと、
決まって「ううん」とかいって話そうとしないんだよなぁ。
あれはとても気にかかる。
何か感じているに違いないんだが。
それが良い事でも 悪い事でも、
るり子は笑顔に包み込んでのみこんでしまうんじゃないか?
髪の毛を触っていたら、いきなり笑い出しただろ。
「自分が好きなように演出している。」って指摘されてびっくりしたよ。
図星だったから。
日頃思っている事も、
随分とるり子には見透かされているんじゃないかと思うと、
若干恥かしい。
「いっぱい欲情したかったんだよね。」っていうのも図星だったんだよね。
ぐうの音もでなかった。
僕達はそれと気づかずに、考えの共通な部分を空気みたいに便利に使っている。
僕なんかは、その快適さについなれきって
一致しない部分が見えると、結論を急ぎすぎてしまう。
それが良くないね。
僕は、昨日も今日も、るり子と過ごした時を回想してた。
僕はるり子の口から出る言葉は、全て真実だと信じている。
今の時点では、
お互いがお互いを深く信頼している事が何よりの強みになっているんだよね。
おやすみ
可愛いるり子へ】
私はそれまで、
恋愛の駆け引きを楽しむ女だった。
そんな私に
一途な愛し方を教えたのが
過去の人だった。
過去の人が去って
私に残ったものは、
その一途な愛し方の
癖。
携 帯 電 話 | I | 新規物件はどうするの? | He | あぁ、やろうか断ろうか、迷っているんだ。 | I | 明日の話し合いで決めたら? | He | そうだなぁ。こういうときに秘書的な人がいればなぁって思うよね。 | I | 『出来るものなら、私が立候補するのにね。優秀な秘書になれるよ。たぶんね。』 |
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今日のお疲れの様子はかなりのものがありました。明日詳しく聞いてみようかな。 BBS
2002年10月19日(土)
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