るり子の日録【愛が終わる日】
るり子の日録【愛が終わる日】
るり子



 夜を越えて彼と共に朝食を

それは夢のような憧れです。




思い続ければ、夢の叶う日が・・・・やがて私に、訪れました。




振り返れば、昨年の六月、

私は当時付き合っていた人に、辛い恋を清算したいと言い出し、、、、、、

その辛い恋を自ら手放したのでした。

自分で言い出したはずのなのに、自分でも意外なほど深く憔悴し、

二日間、私は何も食べ物がのどを通りませんでした。




支えてくれたのは、友達です。







その中に、私を支えるでもなく、つきはなすでもなく

冷静に私を見ている、一人の男がいました。






私は辛い恋をしている最中から、

「なんだか、いい男がいるじゃないの」

という程度の気持ちで、その人を知覚していました。

辛い恋を失った時でも、私はまだ、その辛い恋に夢中でした。

憔悴している私に「なんだか、いい男」が、やたら快活に話し掛けてくるのです。





『この人、私が好きみたい・・・・・でも、まさかね。』






好みのタイプというものは、とてもよく似ているものです。

彼のその快活さと知性と明るさと、また理系の男が持つ少年のような無邪気さは、辛い恋の相手のそれと同質のものでした。

いつしか私は彼の語りかけを待ち望むようになっていました。

後日、彼は





「俺の心にびんびん響く感受性を持つ人がいて、その人が女の形をしていると思った瞬間、たまらない気持ちになったんだ。」

と、私に告げました。





サルビアの花が燃え立つ頃、

「なんだか、いい男」は熱心な口説きを掛けてきました。

彼のそれは三日間に及ぶものでした。

私は彼の真実に触れたような気がして、彼を新しい恋人に選んだのです。

恋人といっても、当初のそれはプラトニックなものでした。

私たちがフィジカルな関係になったのは、それから三つき程時を経た、クリスマス間近のことです。

それは、一昨日の日記にあるとおりです。







「帰ったらイヤ、嫌なの。」

その日だけの「つかの間のさよなら」が、私には永遠の別離に連なる気がするのです、

いつもだだをこねて、彼を困らせてしまいます。







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それは新橋と銀座の中ほどにある、第一ホテル東京でのことでした。

松坂屋のデパ地下で、二人だけのディナーのために、沢山美味しいものを買いました。

ルームサービスも頼みました。





幸せな気持ちでベッドに横たわりテレビを見ていると、彼が

「腕枕をしてあげるよ。」

と言って、ソファーからベッドに移動してきました。






キスからはじまる、二人だけの夜の秘め事です。

彼の快感を引き出す方法を、私は何時の間にか身につけていました。

それは私が彼と肌を重ねるうちに、彼に教えられた彼の好みの方法でした。

胸への愛撫をきつめにしてもらった私の胸は、鋭く立っています。







「るり、るりの胸が僕を欲しているよ。」





快感が、私を貫きます。

彼の長い指を用いた愛撫は、必ず私の奥へ内部へと向かいます。

私の、何処を触ればどんな声がでるのか、楽しむように彼は私を刺激します。

私は自分の体内に指を入れたことがありません。





女の身体を自由に触れることができるのは、実は男であったりすると、私は思うのです。





「私は、あなたの何人目の女なの?」彼は笑って応えません。

私は翌々日でも下腹部が覚えている、セックスの記憶・余韻というものが好きです。





愛の記憶とそれらは重なるのです。








携 帯 電 話
I今、何を考えているの?
He君との事だよ。(笑)
Iいつのこと?(笑)
Heいつと言うより、全部だよ。るり子の感じている時の顔や声、肌のぬくもりやいっぱい濡れてる感触、キスの甘さや、いろいろ考えてる。
『あなたの、最後の女になりたいの。』




言って叶うのなら、私は何度でも言うでしょう。
彼は私とこういう関係になる二年ほど前に、全てを捨てて奪い取ろうとした女性がいたと告白しました。
「では、私のためにも、全てを捨ててくれますか?」
これも、私がいえない言葉の一つです。

BBS

2002年06月26日(水)
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