三楽の仕事日記
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2011年12月06日(火) |
ipadによる図形追究はいい! |
GCメーリングリストで、本日、佐屋中学校で4時間目に「ipad」を活用した数学授業があることを知った。事務所から10分あまり。これは行かないわけにはいけない。石村指導主事と出かける。
今回も、ipad活用の仕掛け人・愛知教育大学の飯島先生と10人余りの大学院生、学生さんらが参加。校長先生には伺うかもしれませんと言ってはあったが、正式な連絡はせず、いわば、いきなりの訪問。とりわけ、びっくりされたのは授業者・後藤先生。
授業は、ipad版GC(作図ツール)を使っての図形追究。前時の「四角形ABCDの4辺、AB、BC、CD、DAの中点をE、F、G,Hとすると、四角形EFGHは平行四辺形である」を受けて、では四角形EFGHを正方形にできるだろうか、が本時の課題。
前時の振り返りを簡単に。この考えは〇くん、これは△さんなど子どもの名前を出して想起させていくのがいい。そして、前時のつぶやきを意図的指名により発表させる。「これって正方形にできるんじゃないか」と。
これで本時の課題にすんなり入る。正方形ができると思う人挙手、全体の2/3人ほど。ここでグループ(4人市松模様)になるよう指示。グループに1台ずつipad配付。今や懐かしいTPシートとペンも。
教師、「正方形になるかどうか調べてほしい。もしなったら、四角形ABCDはどんな形かを記録しておいてほしい」と指示。
目の前のグループに注目。女の子、つぶやく。「昨日、なったじゃんねえ」(昨日、正方形が出来たことを思い出している)と言いながら、四角形ABCDを正方形にする。隣の男の子に同意を求める。
この男の子、「わからん。本当?証明できる?」と応答。女の子、「なっているよ」。このやりとりでipadにあまり触れなくなる。あとの二人も傍観。男の子。「他の形はない?」とちょっと手を出す程度。
中間発表に入る。「正方形の時、正方形」という意見が出る。男の子、「分かった」と声を出す。なぜ正方形なのかをずっと考えていたらしい。
他に意見がないことから「正方形以外で見つかったらすごい」という教師は働きかけ。再度、グループ活動を指示。
このグループ、動きが活発になる。「きとる、きとる」(内側の四角形が正方形になってきていることをこの言葉で表現)」「これって台形」「なんでだ?」
ここで正方形ができたグループのipadを集めて、実物投影機の下におき、全体で鑑賞。ipadは紙のように扱われている。これもいい。
教師が表示した図をそのグループに説明させる。「台形」という意見に、さらに、と意図的指名をして「等脚台形」という言葉を引き出す。その説明もさせる。ここまで20分。
二つ目の意見は「四角形」。「どういう四角形なの、命名して」と指示。グループ活動でのやりとりから意図的指名をして、「ただの四角形」という言葉で確定。
もう一つは、「たこ形」。ipad画面を実物投影機の下で、ぐるぐる回しながら、「たこ形」がより分かりやすいように教師がプレゼン。
まとめると「等脚台形、たこ形、ただの四角形」だね。「等脚台形だったら、絶対に内側の四角形は、正方形になるの」という教師の問いかけに、さきほどの男の子。「なるときもある」とつぶやく。
「四角形ABCDがどんな四角形だったら、絶対、正方形になるの」と問いかけると、ある子どもが「正方形」という返答。教師は、「これは僕の質問が悪かった」といいながら、「共通した秘密、共通点が隠れていないだろうか」と発問を修正。これもいい。ここまでで30分。
グループのもう一人の男の子もipadに手を伸ばし、動き出す。手分けして、内側が正方形になった時の図をTPシートに記録。3枚発見。
こだわる男の子、「すっとんきょうな図形がほしい」 女の子、「どういうこと?」とつかさず聞く。 「特別みたいな図がほしい・・・」と言いながら、図を動かす。「きたぞ」というつぶやき。だが、見えず。 1枚のTPシートの図を見ながら考える。「1枚じゃ、分からん」(そりゃあ、そうだ、と僕も心の中で同意(笑))
「おもしろいことをやっているグループあり」と教師が紹介。対角線を引いている、角度の測定をしていることを紹介。「機能は自由に使っていい」と指示。
このグループも対角線を引く。角度を測る。(残念なことに)内側の四角形の内角。本当に正方形になっているか、確かめたいらしい。ここまで40分。
例の男の子は、3枚のTPシートを見て、一人考えている。で、おもしろい質問を女の子へ。「本来の目的は何だった」と。「正方形になる共通点を見つけるでしょ。保存して比べたらどう」とアイデアを出す。
教師「いろいろなことを考えているのはうれしい」と投げかけ。子どもが声を出して追究していることを褒める姿勢。「ホー」などという言葉が聞こえると、すぐに褒める。これもいい。
意図的指名で発表。「周りの三角形(外側と内側の四角形でできる三角形のこと)が相似っぽい」 再度、大画面で説明させる。ある子どもから「もう一度説明して」という声あり。
何かしら表情を変えた子どもがいたのだろう。教師が指名。その子は「合同じゃないか」と発言。しばらくすると、他から「合同なわけないよ」という声。
最後は「対角線の長さが等しく、直交している」というグループの意見が出されて、ほぼ終了。次はこの確かめをするということで授業終わり。
子どもの声がいっぱい聞こえた授業。ipadによる効果が大きいと思う。図形を手で動かしているうちに、自然に声が出る。関わりたくなるのもごく自然。いい授業を見せてもらえた。おかげで1日が充実。
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