三楽の仕事日記
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2005年10月20日(木) プロの技に圧倒される

 桃花台センター駅へ南海さんのお出迎え。朝の打ち合わせで挨拶をいただく。袴姿の講談師、光ヶ丘中の打ち合わせで一声。歴史的な日(笑)。

 第1時限、最初の「上方講談&社会科授業コラボレーション」。授業者は坂下さん。つかみがうまく、南海さん登場までの展開もよく考えられていて、さすが!講談は史実と史実を違和感なく結びつける創造的な歴史語り。この解釈を元に、授業では南海さんの講談を聞き、ウソを見つけるのが核。

 講談のネタは地元の太良池から。南海さんの話に子どもたちは集中。信じられないだろうけど、本当に子どもはピクリとも動かない。話し手と内容が良ければ、これほどまで子どもは集中できるのだ。

 最初の授業を終えて、校長室で協議。個の考えをきちんと持たせた上でグループ協議に入る方がよいと反省。そのために、今度は「正しいこと」を見つける展開にすることを決定。

 第3時限。NHK、市広報さんの取材あり。授業者は長谷川さん。坂下さんの授業を参考にほぼ同一の流れで、核の部分だけを「正しいことを見つける」展開に変更。

 二度目の授業を終えて、再び校長室で協議。変更は効果があったと判断。次は各班が正しいことを出してからの展開を変えることに。南海さんから、「今の授業は自分が出過ぎている。もう少し教師と子どもで意見をまとめた方がいい」という提案あり。そこで、今度の授業では、教師が学級の意見をまとめて、最終的に南海さんに聞く展開にすることに決定。

 校長室で南海さんと給食。僕にとっては至福の時間。芸の話をいっぱい聞く。極上の修養の時間。

 第5時間目。班で意見をまとめる流れまでは、子どもたちの反応も良く、問題なし。学級として意見を集約する展開は間延びがあり、ちょっぴり残念。でも初の講談&社会科授業の典型的な授業モデルができた!という自信は持てた。

 それにしても、3クラスとも南海さんのネタは違っていて、しかも地元を題材にした話ばかり。そして、どのクラスの子どもたちも南海さんの語りに圧倒されて、本当に動かない。高座を直視して、じっと耳を傾けている姿ばかり。プロの技をまざまざ見せつけられた!

 語りに波を起こすのだという。「間、抑揚、強弱」で聞く者を集中させ、物語の世界にどっぷりと浸からせるわけだ。「先生、子どもがごそごそ動き始めたら、私の負けですよ。真剣勝負ですよ」と南海さん。教師も話すのが商売だけど、ここまでは・・・。「その中途半端さがあかんのですよ」と言われそう。

 そうそう、昨日の名古屋の会では、司会の方が私の名前を「たまき先生」と紹介した。よくあることで僕は気にもしなかったけど、南海さんは「何十人という人を紹介するわけではない。わずか数人を紹介するのに名前を間違えるなんて失礼極まる人ですよ。人の名前を間違わず紹介するのは話し手としての最低限のマナーですよ」とグサリ。やはり語りのプロは厳しい。

 それともう一つ。その会では6校の実践を踏まえての講義が用意されていた。その役をまかされた某大学の先生。どういう経緯で助言者になられたかは分からないが、本当に気の毒に思った。「日本の伝統文化を尊重する教育」に関して、特に研究をされているわけでもなく、「書」を研究してみえるといった観点から人選されたようだ。実に正直な方で、講義の前に「このような会だとは・・・。この場から立ち去りたいくらいです」と。南海さんも言ってみえたが、「聞いている方が辛くなる話でしたねえ。ひさびさに体験しました」と。これには同感。「書の伝統」を話題にして興味深い話をしていただいたのだけれど、ご自身がこの会の話としてはふさわしくないと自覚した上での講義だけに、言葉に勢いがなく、痛々しい感じのする講義だった。南海さんから「他のやりようはなかったのでしょうかね」と聞かれ、「こういうような会はけっこうあるものですよ」と言うこともできず・・・。考えてみれば、教員でない人が南海さんを含めて6名。みなさんはどう思われたのだろうか?心配になってしまった。

 話題を戻して。とにかくどうなることかと思っていた今日の授業は無事終了。社会科の皆さんに、そして南海さんに大感謝。

 明治図書「数学教育」の編集部から、我が校の数学科で原稿を書いてくれませんかと依頼メールが届く。わずかなページ数とはいえ、舞台がまた一つできたことは、校長として本当にうれしい。さっそく塩崎さんに連絡。その日のうちに分担決定とのこと。

 18:24NHKほっとイブニングで「講談&社会科授業」放映される。

 19:00懇親会へ。いわば南海さんを囲む会。明日の選択授業の作戦会議。いくつかの流れをみんなで協議。そして芸談をたっぷり聞く。いつも以上にお酒も回って、実にいい気持ち。楽しい時間はあっという間に過ぎる。

 帰宅。僕の許容量を超したアルコールで記憶なし。


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