こんなに好きでもいいですか? すみれ 【MAIL】【HOME
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2002年09月10日(火) 欲深い女

昨晩は2度程、電話を掛けてみたが、彼には繋がらなかった。
悲しい気持ちでベットに入ったけれど、色々な事を考えてしまって、
よく眠れなかった。
「あんな早い時間に電話が繋がらないなんて・・何かあったんじゃないかな・・」
「どうしたんだろう・・・大丈夫かな・・・。」
胸がザワザワして治まらなかった。

今朝は機嫌良く起きてくれた子供を保育園まで送りに行く。
同居人は早い出勤だった。
子供を届けてから家の中の事を予め終らせて、
ドキドキしながら、彼の携帯に電話をする・・・・。

「留守番電話サービスです・・・・・・」

今日も見ず知らずの女の人の声だった・・・。
もう出勤する時間はとうに過ぎているのに・・・・。
胸騒ぎがして気が気じゃない・・・・、
留守電にメッセージを一件入れておいた。

「おはよう・・・・・手が空いたら電話下さい。」

早朝の会議と言っても、仕事柄こんな早くからなんて事は絶対無いし、
取引先の会社に行っているには時間が掛かりすぎていた。
又、段々悪い方へ考えが進んで行く・・・・。

「突然、体調が悪くなって入院なんて事無いよね・・・・・」
「まさか、御父さんの具合が急に悪くなったの・・・・?」

何だか色々な心配が一気に遣って来て滅入りそうだったので、
友達に電話をして話を聞いて貰った。
受話器片手に話しながら彼女はPCについての新機能を一頻教えてくれた後、
この前、襲われそうになった「強迫観念障害」の話をした、
「疲れているんだよ・・色々な事に・・・」
彼女はそうやって優しく宥めてくれた。
そして「どうしたんだろうね・・・・。」と一緒になって彼の事も心配してくれた。

「別に用事は無いんだけど、電話頂戴ね、待ってるから・・・・。」

彼女と話す、ちょっと前にそうやって携帯にもメールを入れたのに、
一向に連絡が無い。

「会社の番号解ってるよね?」

彼女も私も段々、焦ってきてしまった。
彼が「連絡してね」と言われ、それを無視した事など今の一度も無い事から、
私も彼女も彼の身に何かあったんじゃないかと心配した。

「プップップ・・・・・・」

「あっ、又キャッチホンだ・・・ちょっと待っててね」

3度目のキャッチホンを「又さっきみたいに何処かの勧誘でしょ?」と思って
出てみると、それは彼からだった・・・。
友人に「電話が来たよ・・・」と言って会話を終らせて彼と話した。
昨日は私の考えとは逆に疲れていて早く帰宅したみたいだった、
そして、今朝は御父さんの所へ・・・。

「逢えなくて寂しいけれど・・・仕方ないよね・・・・」

「来週くらいになったら逢えると思うから・・・・」

私達はそんな会話をしていた、彼は終始寂しそうに話すので、
私は・・・・彼に聞いてみた・・・・。





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彼は寂しそうに押し殺すよな声をして答えてくれた。
それでも、色々考えていたようで、
私に何をどうやって伝えれば、不快な思いをしなくても会話が成立するのか
悩んでいたみたいだった。

「ごめんね・・きっと月の物が来そうでイライラして居たんだと思う」

彼は少し困ったような雰囲気だったけれど、
私はそうやって、寝不足だった真相を又摩り替えたままアッケラカンとしていた。
「今日も頑張ろうね・・・・」
御互いに、そう言い合って電話を切った。


本当はここで能率をあげて頑張らなくてはいけない事が山ほどあったのに、
心配な事が色々あって上手く事が進まなかった。
夕方、子供を迎えに行って夕飯の準備をして何時ものパターン。
しかし突然、同居人から電話があって急に帰宅が早くなった事を聞いた。
私は色々考えていた・・・・・。
子供を御風呂に入れて寝仕度をするまでには充分に時間があったので、
思い切って今日の予定を聞こうと思って彼に電話を掛けた。
彼はきっと仕事中だと思ったが、それでも彼が電話を取らないという事は無かった。

「今夜の予定は?」

「あぁ・・今日はちょっと駄目なんだ・・・」

解ったよ・・・と言って電話を切ったが、私の心が過敏になっているのか、
彼の言い方がとても素っ気無いのが辛かった・・・。
こんな事は毎日忙しい私達には日常茶飯事な事なのに・・・、
何時もならば・・・・
「あぁ・・今日は打ち合わせが入っているから」
「今日はオヤジの所に用があるから・・・」
そう言ってくれる筈なのに・・・。
今日、彼は私に予定を話さないで居た。
きっと私には言えない予定なのだろう・・・・。
御互いに家族を持っているから仕方の無い事なのだけれど、
それが、とても悲しい・・・・。


彼は・・・私がとても、欲深い女だと知っている・・・・。
だから「何でも話そうね・・・」と言っていたのが、
何時の間にか「すみれには話せない事もある・・・」に変わってしまった。
私は嫉妬深いし、誰にでも優しくなんて笑みを浮かべる事は出来ない・・・・。
攻撃されたら攻撃し返すし、都合の良い大人にもなれない。
彼にとって、それは私の性格を忌み嫌う要因の一つだ・・・。
私が自暴自棄になって、又可笑しな事を言い出したり、
口論になる事が嫌なのだと思う。
私も・・・・彼の口から事実が出てくる事が怖い・・・・。
前にメッセで・・・・彼が言っていた事があった・・・。





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私も母親だけれど・・・その時は自分の事を棚に上げて、

「そんな事、聞きたくない! !」

彼に、その言葉を突っ返した・・・・。
彼が言った事は事実だけれど・・・・。
そんな事は考えたくも無かった・・・・。
彼には大切な物が沢山ある・・・どれもこれも捨てられない・・・・。
私は・・・彼にとって、一番大切な物になりたい・・・。
それも、欲深い事で、嫌われてしまう原因だと知っているけれど・・・・・。


後悔した・・・・・。
今日は電話で話すだけで・・・それで満足しておけば良かったのに・・・。
やはり私は多くを望み過ぎなのだろうか・・・・・。














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