こんなに好きでもいいですか? すみれ 【MAIL】【HOME
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2002年08月30日(金) 共鳴

昨晩、「日帰り出張に一緒に連れて行って」と言おうと思って、
ずっと彼のメッセが立ち上がってくるのを待っていたが、
彼はとうとう現れなかった。
早朝になって、どうしようか・・・と考えたが、
思い切って携帯にメールを入れた。
今日はコンペがあるから、早く経つと言っていたが
何時に経つのか聞いていなかった。
「まだ、家に居るのかな・・・・。」
「家の人が携帯を見たらどうしよう・・・。」
とても不安だった・・・。
そのうちに彼からメール。

「今日は もう出発してるよ〜」

「メールを家の人に見られなくて良かった・・・」と思う気持ちと、
「遅かった・・・」と思う気持が交差する。
彼と出張に一緒に行きたかったけれど、仕事だから仕方ない・・・。
昨晩のうちに、連絡出来ていたら、一緒に行けたのかもしれないのに・・・・。
同居人と子供を送り出してから、道中の彼に電話をする・・・。

「おはよ・・・」

「おはよ〜。今日はどうしたの?」

同居人と子供が出掛ける事を説明すると、残念そうな様子の彼。
やはり、昨日のうちに連絡出来ていたら、一緒に行けたのに・・・と言う。
暫く話して「じゃあ今日はデートしようか?」
快く言ってくれた。
電話を終え、家の中を掃除して、洗濯機を回し、
落ち着く頃にはもう12時を過ぎてしまった。
デスクに座っていると彼から再び御昼休みの電話・・・・。
コンペはどうだったかと聞くと、どうも駄目だったらしい・・・。
この不況で入札の金額も予測不可能。
少し仕事の話をしたが、彼は落ち込んだ様子も無く、
「この次又頑張ればいいよ」と
明るい感じで返答してくれたので私も気が楽になった。


同居人が帰って来た、子供の服やオムツを用意して、出掛ける用意をしている。
自分の車を乗って行くんだと思っていたが、友人が迎えに来るとの事、
私もそろそろ用意をしなくてはいけないのに、同居人の友人が中々迎えに来ない。
そのうち、子供が御腹をすかして愚図り出してしまった。
同居人は一人で煙草をふかしてノンビリしているので、
何も用意していなかったのを少し後悔した。
余りに子供が騒ぎ出してしまったので、
同居人が子供と一緒にコンビ二へ食べ物を買いに行った。
その間、彼へ電話を入れると、もう市内に戻ってきたとの事・・・。
早く用意しなくてはと思うのだが、同居人の友人はまだ迎えに来ない・・・。
やっと、二人が出かけた頃にはもう予定の時間を30分以上過ぎていて、
彼も私の家の前で待っていた。
時間は午後8時・・・何時もよりも随分早いデート・・・。
私が車に乗り込むと「何処に行こうか?」
と彼は優しく聞いてくれた。
彼も私も御飯を食べていなかったので、何を食べようか悩んでいた。
「じゃ〜御飯は節約して・・・・」
御飯を節約して・・・その後の事は聞かなかった。
二人で近くのコンビニに入った。
二人とも何を食べようか迷って私がサンドイッチに手を掛けると、
下の棚にあった冷やしたぬきのカップに目が行って、
「ねぇ、お蕎麦屋さんに行こう! !」
と提案した。彼も、それは良いね〜と言って、お蕎麦屋さんを探して入った。
二人とも同じ物を注文して、笑いながら色々な話をして御腹いっぱいになった。
「何処に行こうか?」
彼は又私に聞いてきたけれど、私は何処でも良いと答えた。
今日はどうしても見たいテレビがあって、何処へ行っても時間はきっと
足りなかっただろうしジックリその番組を見たかったから・・・・。
本当は家でゆっくり見たほうが良かったのかもしれないけれど、
彼と逢えるチャンスも、きっとこれからは少なくなって行くと思うので、
逢えるチャンスのある時は出来るだけ逢って居たいと言うのが本心・・・・。

後ろの座席を倒してくれて、テレビもセットして誰も来ない草原に車を止めて、
暫しのドラマ鑑賞。
彼の車はスピーカーが沢山着いていて、まるで映画館で見ているような錯覚に
陥りそうになってしまった。
映画館のお客は私達二人きり・・・。
見たかった番組が恋愛物じゃなくて、失敗だったかも・・・・。
それでも、彼はCMの度に私の事を抱き寄せてキスしてくれる・・・・・。
番組を見ているうちに私は沢山泣いてしまって、彼が涙を拭いてくれた。
「目が痛い・・・。」
彼は何度も眼鏡を取って、目をショボショボしていたけれど
本当は泣きそうになって居たのかもしれないな・・・と思うと
同じ番組を見て共感できた事が嬉しかった。
それと同時に・・・・。





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そう思った・・・・。
本当は当たり前の事かもしれない・・・。
何時も一緒だったら、一緒に御飯を食べて、
こんな風に眠るまでの間、一緒にテレビを見て・・・。
共感したり、意見が少し違ったり・・・・・。
でも・・・・・私には手が届かない事・・・・・。

彼に思った事を少し問いかけて見た・・・。
すると彼は・・・。
「えっ?こんな事なくなるんじゃない?」と答えた。
「一緒に居たらテレビとか見れる時間もあるでしょ?!」
私が咄嗟にそう言うと「あぁ・・そうか・・・」と彼は答えたけれど・・・。
きっと彼が言いたかったのは生活に追われて、こんな風に何かを忘れて
一緒に色々な事ををする時間が無いという事だったのかもしれないが・・・・。
私は何となく彼が答えた一言が悲しくなってしまった・・・。
彼が私と逢っている時間は彼の中では現実逃避に値する部分なのかもしれない・・・。
私もそうだ・・・疲れた日常生活の中で彼と一緒に居る時間だけが、
嫌な事も面倒な事も全て忘れられる・・・・。
「どうして一緒に居られないのか・・・・・」
子供の事、お金の事、彼の御父さんの事、彼の家の人の事、親戚の事、
仕事の事、みんなの気持ち・・・・・・みんな・・・みんな・・・・。
又頭の中がグルグルしてイッパイ涙が出た。
彼は今日も何も言わず・・・・、
ただ私の涙を拭いてくれる・・・・・。


家に帰ると、同居人は帰ってきていてゲームをしていた。
持って行ったビデオカメラで子供の様子を撮ったと言うので見てみると、
元気そうに遊びまわっている子供が映っていた。
確かめてみると前に撮った子供の部分に被ってしまっていて、
折角二歳の誕生日に撮った部分が無くなってしまっていた。
子供の成長する大事な記録・・・・・・。
もし彼だったら、こんな初歩的ミスなんてしなかっただろう・・・・。
そう思うと尚更悲しくなってしまった・・・・。





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