こんなに好きでもいいですか? すみれ 【MAIL】【HOME】
- 2002年08月05日(月) 無情
同居人は今日も休み。
彼の声は以外にもチャンスがあって簡単にも何度か聞けた。
無理に辛い体をおして行く事は無いと、
約束していたイースタンリーグ戦はあえなく御流れになってしまったが、
何のことは無い、心配していた風邪は一晩、眠ると大分良くなっていたし、
本当は・・・・行こうと思えば行けたのだった。
ただ・・・・今日は彼との思い出が増えて行く事に、
二の足を踏んだのかもしれない。
このまま、思い出が増えて、何時かそれに押し潰されるのではないかと、
少々、不安になったりする。
私の心は準備に入ったのだろうか・・・。
何時かはきっと来るであろう別れの為に・・・。
そんな気持ちと反比例して今日は沢山、彼に電話を掛けてしまった。
同居人の外出を見計らって掛けたのだが、
彼はほとんど、仕事中だった。
仕事の内容がデスクワークが大半の今日は彼も、話しずらかっただろう・・・。
それなのに、何とか取り繕って話をしてくれる。
「体調はどうなの?」
「余り無理しないで・・・・」
彼は何時も何時も優しい・・・・。
でも、優しい人は時々、残酷な一面を垣間見せてくれる。
優しくされれば、優しくされる程、
「どうして、この人と一緒に居られないのだろう。」
「どうして、この人は私と一緒に人生を歩めないのだろう。」
私は、そうやって悲しくなる。
「私の望みは貴方の全てを手に入れることです。」
彼にそう言ったら・・・。
「手に入れる・・・・・もう僕の心は手に入れていると思うよ」
もう、一年も前に彼が私に言ってくれた言葉だった。
「ごめんね・・・すみれに、一番してあげなきゃいけないこと・・・
してあげられていない・・・」
今日は彼にこう言われた・・・。
どうしても私は、
彼の全てを手に入れられないようだ・・・。
もう、充分なのだろうか?
心が手に入ったのだから、それ以上は望むべきではないという事だろうか?
別に・・何か特別な物が欲しいと思っている訳ではない。
毎日、豪華な料理を食べたいと思っている訳でもないし、
海外旅行に行ったり、
何処かの有名ブランドのバックが欲しいとも思っていない。
将来、一軒家に住みたいとか、目新しい新車が欲しいとか、
そんな大それた事も考えては居ない。
ただ・・・・。
彼と一緒に居たいだけだ。
好きな人と一緒に居たい・・・。
好きな人と一緒に朝、目覚めて、
好きな人と一緒に同じ物を食べて、
好きな人と一緒に頑張って、
好きな人と一緒に夜、眠りにつく、
ただ、それだけ・・・・・。
でも・・・・・。
私にとって、彼は特別な人だから、
それは特別な事だったのかもしれない・・・・。
最初から・・・・無理だったのかもしれない。
彼は私を抜きにしても、
最初から離婚なんてきっと・・・・。
考えて居なかったんだろう・・・・。
こんな御時世で不況なんて言葉は当り前の事になってきたし、
彼は良いかもしれないが・・・・・。
今まで専業主婦をやっていた人が、つける職だって、
そうそう或る訳でも無い。
年齢制限だってあるだろう。
10年後の離婚なんて・・・・。
その頃・・・どんな世の中になっているのかなんて誰も解らない。
何も持たない人を手放しで放り出す事など、彼には到底出来ないだろう。
私も、そんな彼を見て決して喜ばないだろう。
こんな事を心配したって、
何も始まらない・・・・。
こんな事を心配したって・・・・。
私と彼の行く末なんて知れている・・・・。