こんなに好きでもいいですか? すみれ 【MAIL】【HOME】
- 2002年06月05日(水) 今までの事<同居人1>
私の同居人は9歳年下、
結婚する時、よく周りからは「本当に大丈夫なの?」
「やっていけるの?」と聞かれたものだ。
実際、結婚する前の年まで同居人は専門学校生だった。
結婚したのは丁度、3年前の今日のような晴れでもなく雨でもない、
普通の平凡な一日だった。
私はその当時、何だかんだとあったものの、
同じ会社に10年も勤続していた、
それなりの役職もあったし、なにより仕事が好きだった。
女ばかりの会社で自分の先輩や後輩が早々と寿退社をしていく中、
私は結婚しても出来るなら仕事を続けて行きたいと思っていた。
仕事内容はハードなもので帰宅時間は何時も遅く、午後10時に夕食を
食べて当たり前の日々だった。
休日も週末はほとんど取れず、周りが一生懸命に仕事をしている、
平日が多かった、歴代の彼氏と遊びに行ったり旅行に行く事はほとんど無く。
その為か、同居人と結婚するまで彼氏とは
いつの間にか半同棲状態だったり、お互いに行ったり来たりするのも
億劫になって、同棲する事のほうが多かった。
同棲していても相手との仕事のシフトが合わず、
二人揃って家でゆっくりしている時間は少なかった。
その為か、すれ違いが多く、いつの間にか相手に新しい彼女が出来たり、
帰宅が遅い私の仕事を理解してくれなかったり、
トラブルは絶えなかった。
それでも、私は仕事をやめたり転職しようとは思わなかった。
『仕事が生きがい。』
そんな生活だった。
だから尚更、結婚相手は私の仕事を理解してくれる人をと、
ずっと思っていた。
同居人と私の出会いは、
そんな仕事仲間と打ち上げに行った或る居酒屋でだった。
その居酒屋は会社でよく使う店で、私も何度も足を運んで居た。
同居人はそこのアルバイト社員だった。
「2・3度見掛けた事がある人だな」
これが私の同居人に対する第一印象。
どちらかと言うと人うけが良く、好感度を与えるほうかもしれない、
そんな同居人が、その日は仕事仲間に声を掛けてきた。
「今度、皆で飲みに行きませんか?」
まだ、可愛さの残る若ぞうといった感じの同居人を仕事仲間は
ヤンヤヤンヤとまくし立てたりして遊んでいた。
仕事仲間は、皆20代も半ばを超えた女ばかりだったが、
仕事柄、外見がチャラチャラして若そうに見えたのだろうか・・・。
打ち上げが終って、そろそろ帰ろうと席を立ち、
お勘定を済ませる同僚を待ち後ろで店を出るのを待っていた私に
同居人はそっと小さなメモを渡して、
「今度電話下さい」と小さな声で言った。
後日、私はある同僚にその事を告げると
「電話してみれば?」と笑われた。
私はメモを会社のデスクに仕舞い込み、又淡々と日報の計算を始めた・・・。
何日か経って夜遅くまで仕事をしていた私は書類を出す為に、
引き出しを開けてメモを思い出す。
会社には誰も残っていなく少し考えた後に電話をしてしまった。
同居人も遅くまでバイトをしていたが、その日は休みで、
長々と会話をしてしまう。
同居人の話によると会社で打ち上げに行く度に私の席の
担当になればいいな〜と思っていた事。
私の職場は何処か外見ですぐに解った事。
バイト先からタクシーを乗る姿を見て、会社と家の間にバイト先が
在りそうな事、そして、あの日お勘定を待つ同僚の一番後ろで待っていた
私にチャンスが来たと思い、メモを渡した事を聞いた。
「・・・・・・・・・・・・・」
これが私の答え。
私にはその時、同棲相手が居た、
9歳年下の男に、そんな事を言われても困るだけだった。
同居人はそれでも良いから、一度、会ってと言う。
同棲相手は仕事から帰ってくるのは早朝ですれ違い生活、
私の帰宅時間と同居人のバイトが終る時間は同じくらいで、
別な日に一度だけの約束で逢う事を承諾してしまった。
同居人との初デートは深夜だったので、
バー巡り、お酒が弱いのか直ぐに顔を赤くした同居人が今となっては
懐かしく感じる。
9歳も年下の男とデートなんて話が合うんだろうか?と思っていたが、
意外と楽しく時間はあっという間に過ぎてお別れの時間、
携帯の番号は教えないつもりだったのに、
又、遊ぼうと約束をして私の携帯番号をメモリーに入れた同居人が
そこに居た。
何度かデートを重ねるうちに同居人は
「お願いだから僕だけのものになって・・・・」
と何度も言うようになった。
私も同棲相手とのすれ違い生活が耐えられなくなって、
暫く経ってアッサリ別れてしまった。
でも、同居人とは本気で付き合っていた気がしない・・・。
それは9歳という年の差に余りにもギャップを感じていたからだった・・・。
<今日の出来事>
彼と付き合って今日まで229日。
こんな風に怒鳴られる日が来るとは夢にも思って居なかった。
今日は彼と逢う予定も無かったし、
普通にメールやチャットで終る一日だと思っていたから・・・。
でも、どうしてもに彼に言わなくっちゃいけないと思って、
会社とは別に彼が借りている仕事場へと車を走らせた。
途中、彼は私を迎えに来てくれていた。
「運転大丈夫だった?」
昨日と変わらず優しい笑顔。
そんな彼が私に・・・怒鳴った・・・。
今日、私が彼に言わなければいけないこと・・・。
それは先日の喧嘩で一週間の冷戦状態の時・・・・。
男の人と逢った事・・・・・。
この前の彼との喧嘩は今までで一番、辛かった・・・。
よく喧嘩はするけれど、
一週間も放置されるなんて(正確には3日でメールをくれたけれど、
何時もは一日に十件以上てメールをくれてたのに1件なんて・・・)
それに、もう終わりだと思った。
彼も私との事を「疲れたよ」って言っていたし。
私は毎日、泣いて泣いて泣きはらして・・このまま死ねたらな〜と思った。
子供を保育園に迎えに行った時も、そんな顔じゃ「???」って顔で先生に
見られてしまったし、同居人も私のふさぎ様にはビックリしていた。
私も何だか耐えられなくって・・・思わず、前にアプローチを掛けてきていた
その人に電話してしまった。
逢うつもりは無かった。
「相談に乗るよ」
「腐っててもしょうがないでしょ?」
そう言われて逢ってしまった。
近くのショッピングセンターに行ってお金をおろすのに付き合って貰った後、
「公園に行こう」
と言ったのは私だった。
歩きながら彼の事をポツリポツリと相談した。
でも、相手が取った行動は・・・。
私の手を握ったり・・・・・
肩を組もうとしたり・・・・
「帰ろう」
私はそう言って公園を出た。
後悔した。
今まで付き合っている人が居るのに、
他の男の人とキスしたり、抱き合ったりしてきた、
問い詰められても、
「私が何をやろうと勝手でしょ!!」
と言って来た。
でも、今回は違った・・・。
私の・・・。
手も・・・。
肩も・・・。
全部が・・。
彼のものだった・・・・。
何時も私の事を大切に想ってくれて、
私を傷つけないように話してくれて、
気を使っている彼・・・。
そんな、彼に申し訳ないと心の底から感じた。
「私・・・何してんだろ・・・。」
帰りの車の中でポツリと思った。
その後、何とか私と彼は修復したけれど、
この事を隠しておくのは嫌だった。
付き合いを始めるときに、
私は自分から
「嘘をついたり隠し事をするのはやめよう」
と約束して居たし、
私の今の生活が嘘で、隠し事を何度もされて、
裏切られて最後には諦めているから・・・・・。
彼とはそんな風になりたくなくて自分からそう言い出した事だった。
昨日も一昨日も、その前にも言える機会は沢山あった・・・。
でも、言い出せなかった。
私は馬鹿なのか、彼と喧嘩するとすぐに誰かに頼ってしまう。
女の子の友達はもとより、
逢った事は無かったけれど、
2ショットチャットや昔の男友達を引っ張り出して来て、
結論も出ないのに彼の事を相談した。
そんな事をいくらしても彼とは仲直りなんて出来ないのを知っているのに、
彼と修復したかったら彼本人と話し合わなければいけないことを
私自身、知っているのに。
彼はそんな私を見て・・呆れた風で余り怒りもせず憤りを感じている事を
私に言っていた・・・。
今度、やったら・・・・。
きっと、もう付き合う価値の無い人だって・・・
そう言われるんだろうな・・・
だから、尚更、この事を話すのを躊躇して居たんだと思う。
でも、今日は違った。
今日、話さなければ一生、この事を話せなくなる。
一生、彼に隠し事をする事になる。
そう思って猛スピードで車を走らせた。
今日・・・・
相談相手の男の人から電話が来た・・・。
彼と修復した事を話すと態度が急変した。
少し怒ってるようだった。
私が今回電話する前
相手が何度も私に電話してきた当時、聞いたことがあった。
「私とどういう付き合いをしたいの?」
答えを濁したまま電話はそれきり来なくなって、
私はもう諦めてくれたんだと思った。
今回「俺、いい相談相手になれると思うよ」と言ってた。
だから、相談相手にはピッタリと思った私が馬鹿だった。
彼は私をまだ想っていると言った。
私は
「じゃ〜もう、2度と逢えないね、逢えないじゃなくて・・逢わない」
と告げた。
少し・・・・悪い事をしたと思った。
無意識に?!相手を傷つけたのかも知れないと思った。
彼に全部、言った。
「私は悪い事をしました。
人を傷つけました。
相手の人を傷つけてしまいました。
貴方を裏切りました。」
そう言いたかったけれど、声にならなかった。
そして、少し呆れ顔でやりきれない態度を取った彼が、
私に・・・・
怒鳴った。
彼のそんな態度を見たのは初めてだった。
何時も優しくて、理論的に物事を話す彼・・・。
喧嘩している時も声を荒げたり絶対しない彼・・・。
「壊れちゃう」
そう思った。
私は放心状態になった。
あれもこれも、全部、私がやった事だから・・・。
仕方ない・・・・。
これからどうなっちゃうんだろう?
ずっと下を向いていた・・・。
そう思ったら。
彼が私を・・・。
ギュっとした。
「怒鳴ったりしてごめんね。
ずっと言いたかったんでしょ?
何か言いたそうにしてたもんね・・・・。
でも、これからはやめてね・・・」
そう言って頭を撫でてくれた。
彼が私に言った。
「すみれは、おてんば娘だね、
何度注意されても悪戯するの・・
本人は悪戯だと思ってなくて・・・。
何度、注意されても解らない。
でも、もう立派な大人・・・
そろそろ、おてんば娘は卒業しなくっちゃね」
彼はこういう風に、自分の子供を育てているのかな?と思った。
こんな風に・・・育てて貰えるなら・・・。
私は私じゃなくてもいいなと思った。
彼の子供になりたいな・・・・
フッと思った。
気づいたら・・・
15で家を出て、もう18年。
こんな風に人から叱られたのは・・・・
初めてだった・・・・。