掛川奮闘記

2008年12月05日(金) 081205_北彩都(きたさいと)〜旭川のまちづくり

 久しぶりに旭川へ行ってきました。

 旭川駅に降り立つと駅の裏側に高架の橋上駅が建設真っ最中。これが完成すると、旭川の駅周辺の風景も大きく変わることでしょう。

 

 今回は基本的にプライベートな旅だったはずなのですが、「ついでに会いましょう」と誘ってくださる方がいて、相変わらずせわしない行動になってしまいました。
 
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 午前中には地元の大学の先生の皆さんたちとお会いしました。

 今旭川では上でも述べたようにJR線路の高架事業を行っており、これに関連して大規模な区画整理事業を行い、これを「北彩都あさひかわ」と名付けて大規模な都市開発を行っています。まずはこの一体を駅隣のビルの屋上から眺めました。

 

 北彩都あさひかわ → http://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/files/ekikaihatsu/

 この事業は平成8年に始まって事業面積は86haという大規模なもので、すでに周辺部で完成したところから移転や販売が始まっていて、それなりに商業施設や民間住宅も張り付き始めています。

 しかしながら鉄道の高架切り替えによっていよいよ来年からは大きなロットの土地が出来上がり販売が始まる段階となりました。

 そこで市では地元の大学の先生を中心とした機関にこの土地の販売に関する調査を委託し、そこで私に対して意見を求めてきた、というわけです。

 事業を始めたのはもう10年以上も前なのですが、土地の販売時期が昨今の世界同時恐慌と重なって辛い時期ですし、供給量も大きいので地方都市がまちづくりを行って行く上では相当に苦労することが予想されます。

 私も事前に相談を受けた時から、職場のスタッフに声をかけてディスカッションを重ねてきたのですが、共通した意見はやはり大変だろうということ。

 それも、いよいよ土地の販売と言うことになると、『企業に対して適切に情報を提供して企業側のニーズを探りながらまちづくりと合致させつつ土地を売る』という極めて特殊なノウハウ、スキルが必要です。

 これに関しては、アンケートの取り方やヒアリングの仕方一つを取っても、一般の地方自治体よりは我々の組織の方が遙かに経験と実績を積んでいますので、成果の保証はできないものの、少しでも成功の確率をあげられそうです。

 またまちづくりの観点からは、土地の販売が苦しくなると「とにかく売れれば業種業態に関わらず、景観なんかどうでも良い」というモラルハザードが起きがちですが、それをどこまで心折れずに我慢出来るか、ということも肝心。このあたりではぜひ頑張って欲しいところです。

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 先生たちとの意見交換の中で、私からは「この北彩都案件は、決して駅周辺の人たちのための事業だ、などということではなく、市の幹部を初めとして市民全体の課題なのだ、ということを事前に相当訴えかけて行かなくてはいけないでしょう」というお話をしました。

 するとある先生から「人口が10万人くらいの掛川のような小規模の都市であればそうしたことも可能かも知れませんが、人口36万人の旭川でそれを果たすにはどういうやり方があるでしょうか?」という問いが発生されました。

 これは言うは安いけれど行いしかも達成させるのは極めて難しいことです。しかしまずは市長を始め、幹部の方たちが市民と接する挨拶や演説などのときは【必ず触れる】ことから始めるべきでしょう。

 大切なことは何度でも同じように伝えるというのは榛村前掛川市長さんの持論でしたし、それこそがリーダーの誠意と真心を伝える一番のやり方なのです。

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 旭川には旭山動物園がありますが、動物たちの行動展示のおもしろさですっかり有名になり、大人気の動物園になりました。あの動物園は市内の東川町というところにありますが、市民は「あれは旭川にあるんだ」と誇りに思っていることでしょう。あれは市民の宝であり、東川町の施設だ、とは思っていないはずです。

 それと全く同じように、この北彩都も駅周辺の事業ではなく、市民みんなの宝物なのだ、ということを理解してもらい、市税を投入することの意味を伝え続けなくてはなりません。

 さもないと、「駅周辺の人たちはその事業で周辺整備がされるのだろうから、市内の別な場所の我々には○○をやってくれ」と言われてしまうことでしょう。この地域主義を許してはいけません。あくまでも市民全員のための財産を形成しようとしているのだ、と考えて、意識の分断をさせないことが肝心なのです。

 それには繰り返しになりますが、徹底してこれが市の価値を上げるための市民の財産なのだ、と言い続け、それを実現して行くことが大切になります。

 もちろん、時節柄消極的な意見や批判も出てくることでしょうが、時計を逆に回すことは出来ません。前向きにどれくらいのことができるのかという現実を一つ一つ積み上げて行くことでしょう。

 一人一人の市民にとってこの事業が、まちのブランド価値を上げることに貢献する自分たちの事業だ、というシンパシーをどれだけ形成出来るかということが鍵を握ります。

 まさにまちづくりの生涯学習の実践ですね。ガンバレ旭川!応援しています。

 夜は友人たちと忘年会で盛り上がりました。楽しかった〜。

 


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