2008年12月04日(木) |
081204_50年先のホラ話と国籍法の改悪 |
札幌の広場に関する委員会が開かれていろいろな方と意見交換をしてきました。
札幌の街並みになぜ魅力がないか、魅力を増すためにどうすべきか、という話題がありました。
自治体関係者からは、自分たちが関われるのは街路の整備だけで街路樹や歩道の整備くらいかな、と思うが、これらはすでに補助金をもらって整備は終わっているので現段階では現実的な手はない。ビルの建て替えは民間の領域なのでなかなか力が及ばない、という意見が出されました。
私が思うに、責任ある自治体としては軽々しいことはいえないのでしょうが、そうした目先の手法にとらわれるべきではないのではないでしょうか。
たとえば北三条通りはかつては開拓道路と呼ばれ、道庁赤煉瓦庁舎、サッポロビール工場、永山武四郎邸などが連なる歴史ある道です。
良好な街並みを形成するのは道路上の施設ではなく道路から見た建物の立ち上がりの姿や建物の高さの揃い方などです。
現実にはこの道路沿いのビルも建て替えが終わってしまったものが多いのですが、今からでも改めてこの歴史ある道路の街並みのあるべき姿を沿線の関係者で話し合って高さをそろえるなどの景観コードを作ったり、自ら提案によって次の50年後の立て替えの時のための地区計画をかける、などといったことは可能です。
そんな50年後、いや100年後にはこうなろうという目標を示すようなまちづくりがあっても良いと思うのです
もっともそんな話はあまりに気宇壮大なので、だれも相手にしてはくれませんが、どこかに一辺の理想がなくては目指すところのないつぎはぎになるのも仕方のないこと。
50年後のまちのイメージというホラ話くらいあってもよさそうです。
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心配していた国籍法の改悪が明日参議院で可決成立するという流れになりました。
いままではほとんど核心に触れずに来た報道関係ですが、成立後もあくまでもスルーか、またはこの間のいきさつにはふれずに、与党が提出した天下の悪法として喧伝されるのかもしれません。
この先は請願法に基づく請願を行うことも考えられますが、日本人が日本という国の有り様を考えなくなってしまっては子孫に申し訳ない気持ちが一杯です。
大ベストセラー「ローマ人の物語」の著者の塩野七海さんは、「ローマ帝国はなぜ滅亡したのでしょうか?」という問いに対して、「ローマ人がローマ人らしさを失ったことが原因ではないでしょうか」と書かれていました。
自分たちの身近な社会とその先にある国という現実をないがしろにして、日本人が日本人らしさを失ってしまったのでは日本という幸せな国が存在し続けることは出来ません。
歴史上にはカルタゴのように、ローマによって完全に焼き払われ、その土地には塩がまかれて100年先まで草一本生えないように殲滅された国もあります。
豊かな社会のフリーライダー(ただ乗り者)でいることは許されないのだと思います。
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