掛川奮闘記

2008年11月03日(月) 081103_ビジネストーク

 日光そばまつりで感じたビジネスのコツのお話。

 全国から27店もが出展するこれくらいのイベントになると、「われこそは」という人から、「あの人も来るんだ」と誰もが憧れる名人まで、たくさんの打ち手が揃います。

 ある名人が主催するブースでは、名人がずっと打ち続けているとその蕎麦打ちの技が見たくて、見る見るうちに人だかりができます。

 さんざん打ったころに、後ろから若手が名人に声をかけます。
「名人、お疲れ様です。私変わります」

 すると名人と呼ばれた人が返します。「ばかだな、こんだけお客さんが来てくださっているのに、変わってなんかいられるか!」

 見ている人達は、そんなにお客さんのためにがんばって打ってくれているんだ〜、と大感動。楽しみな蕎麦が余計に美味しく感じられます。

   *    *    *    *    *

 あるブースは有名なお店の出店です。

 若い衆が親方に声をかけます。
「しかしお店なら千円いただけるこの蕎麦が7百円じゃ安いですよね」
「ばかだな、イベントなんだからいいんだよ。たくさん食べていただくイベントなんだから」

 その会話を聞いたお客さんのほうが驚きます。
「この蕎麦はお店では千円するんですか?」
「はい、でも今日イベントですからね。安くしてますからたくさん食べて行ってください」

 安いからといってもう一杯余計に食べることはないでしょう。けれど、同じ蕎麦でも安く食べられたのかと思うとちょっと幸せになります。

 商売には笑顔とちょっとした一言があると、お金をかけなくても感動と幸せを膨らませることができるのです。

 


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こままさ