掛川奮闘記

2008年10月02日(木) 081002_農産物を上手に売る

 ある農水省OBの方とお会いして北海道談義に花が咲きました。

 その方は一時北海道庁へ出向していたことがあったとかで、「札幌は私にとっては天国みたいなところでしたよ」と懐かしい思い出話に花が咲きました。

 話題がタマネギのことになると、その方の話に力が入りました。

 「タマネギって私が行った当時は三年に一度豊作になって価格が暴落し、三年に一度は不作になって暴騰するというサイクルを繰り返していたんですよ。ところが元締めの農業団体は当時生産調整や販売調整を全くしなくて、出来たら出来ただけ売っちゃうもんだからそりゃ暴落もしますよ」

「販売調整をすると価格も安定するのでしょうね」
「そうなんです。当時はタマネギが40万トン市場に出ると1kgが100円で400億円収入になりました。それが43万トン出ると1kgが80円に値下がりして、45万トン出るとなんと1kgが60円に値下がりしたんです。43万トンだと340億円、45万トンだと270億円にしかならないんです。それでいて、補助金と称して30億円くらいを補填していたんですよ。そんなのは市場に出さないというコントロールさえすれば、農家の収入もアップするし国からの補助金だって出さなくて済む。僕は口が悪いから『こんなことで国から金を取るなんて国賊だ!』と言ったものですよ」

「なんだかひどいですね」
「そこで、僕も頭に来て、その農業団体の幹部を呼んで『一体どういうことだ?』と詰問したんです。そうしたらその話が市場に伝わって『あの口の悪い○○が団体の幹部を呼びつけたらしい』ということになって価格が正常に戻った、なんてことがありました。別に何かした訳じゃないんですけど、口先介入で価格が安定するなんて面白い時代でしたね」

 今でもこういうことがあるのかどうかは分かりませんが、農産物は不作は不幸で取れすぎても豊作貧乏になったりして市場との関係は難しいものです。

 いろいろな工夫一つで価格も安定し、農家経営も安定するということがあるのかも知れません。

 今日は面白い話を聞きました。

 【写真はドイツのある町の野菜市場。色とりどりでとってもきれいでした。】


 


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こままさ