結婚と不倫と離婚の間
蒲公英



 溢れ出た悲しみと寂しさ

子供を夫に預け仕事に出掛けた。
娘は週末から軽い風邪で微熱が続いていた。
仕事を終えて、夕飯までにはまだ少し時間があってので、子供が機嫌良くしているようなら買物でもして帰りたいと思い電話した。
が、出ない。
何かあったのではないかと、買物もせず急いで家に向かう途中夫から電話が来た。
子供の様子を聞くと「ベッドで寝てるよ」という返事。
ほっとして、じゃ、夕飯の買物だけしてかえるかと、スーパーに寄り帰宅。
ベッドで眠っている子供の様子を見に寝室に行き、私は驚いて。
娘は汗だくで、体に触ってみると火のように熱くぐったりしていた。
慌てて布団を剥ぎとると、外遊び用の防水加工の綿入りカッパズボンを履いたままだった。
「何やってるのよ!」
私は我を失くして怒鳴った。
「こんな格好で寝かしちゃダメに決まってるでしょ!」
急いでパジャマに着替えさえ、保冷剤で頭などを冷やした。
アタフタと私が動きまわる間、夫は一々邪魔になる場所にいた。
「もう、ちょっとどいてよ!」怒鳴り散らしながら寝室、洗面所、お勝手とアタフタ掛けまわった。
一段落して、夫はまだ何か言いげに私の付きまとって来た。
夫の口が動いた。
「子供を押しつけて出掛けておきながら、、、」と言いたそうだった。
その顔付きが無性に腹立たしいと思った瞬間、自分でもどうした事かと、頭の半分で驚くほどに、私は猛烈に悲しい気持になり、夫に平手打ちした。
「なにやってるよー! 子供があんな状態なのにも気付かないで、子供が大事、愛してるとか言ってんじゃないわよー!」と泣き叫んだ。
さらに殴りかかろうとして、今度は夫に押し倒されそうになった。
怒りを押さえ切れなくなり、手に持っていた食器を床に叩きつけようと思ったが、「あ、、、片付け面倒だよな〜」と半分冷静な頭で考え止めた。
その後は兎に角涙が流れた。はっきりしたわけは分らないけど、悲しかった、寂しかった。そのまま夫とは一言も口を聞かなかった。

2003年01月18日(土)
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