結婚と不倫と離婚の間
蒲公英



 吐き出た想い

翌日、目覚める瞬間ふと気付いた。
昨日、思わず夫を平手打ちしてしまった瞬間、強い咳と供に血の塊を吐いたような感覚、あれがなんだったのか。

私は夫を求めていたのだ。
困った時、辛い時、夫を頼り助けて欲しかったのだ。
なのに、夫は、私が、娘が、夫を必要と思う時にそれに答えてはくれなかった。
(きっと時々は答えてくれていたのだろうが、それは覚えていない)
休日にはいつだって一緒にいたかったのだ。
なのに、夫はうれしそうにたった一人で出掛けて行った。

「なんで! なんであなたはいつもそうなの! 私たち(私と娘)があなたが必要なときにそうやっていつも頼りにならないの!」
そんな思いが昨日一気に湧きあがったのではないか。
いつも、ずっとそうだったという思いが。

夕方、夫に尋ねた。
「昨日、あなたをひっぱたいた時、自分でも驚くほど頭の中は冷静で、『なんで私こんなに感情的になってるのかな〜?』と思ってたんだけど、あれ(私の態度)どう思った?」
「いや、、、感情的になってるだけで叩いてるんじゃないとは俺も思った。持ってる茶碗を叩き落そうとしたのを途中で止めたし…」
「で? なんだと思う?」
「う…ん…」
それ以上の事を夫に分れと言うのは無理か。
私は静かに今の胸のうちを話した。
私はずっと寂しかったんだと。


2003年01月19日(日)
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