僕らの日常
 mirin



  前夜祭@晴臣

--- 文化祭の前夜祭 --- 朝から学園内は騒がしい。

今日は朝から宇宙も登校していて、ボクと宇宙は一緒に
天文部の出し物の準備をしている最中。今は地下の古い
倉庫に押し込められた機材や何かを取りに来ていた。

「電球6コ。豆電球3コ、蛍光灯2つっと...
晴臣。あと、何を持ってけばいいんだっけ?」

棚の上の箱から、手探りで電球類を掴み取りながら
宇宙はふと首を傾げて、ボクに聞いてくる。

「プラントンに繋ぐ機材が2つ」
「あぁ...これ?」

棚2段目にある四角く黒いアンプの様な機械を片手で持ち
上げてみせる。プラントンってゆうのは科学部が開発して
天文部に寄贈した機械で、星や月の見える位置・方角の
計算を正確に割り出すことの出来るものだった。

「そう。あ、いいよ。ボクが持つから」
「重いよ?」

だいじょうぶだよ、宇宙に持てるんだから。ボクだって・・・
そう思って、片手で持ち上げた瞬間 ---ズンッッッ ---

「・・・晴臣・・・ホントに・・平気?」
「う、うん。軽い・・よ」

引きつりそうな顔を内心必死になって笑顔に変えてみせる。
まさか、こんなに重いとは思わない。だって、彼はあんなに
軽々と・・・

「半分、持とっか?」
「平気だって!」

心配気な声をよそに、半身よろめくままボクは同型の機材
1つと蛍光灯2本を小脇に抱えた宇宙の後に続いた。

2002年10月12日(土)
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