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■ この存在@終司
暗い視界、漆黒色の獣がオレの手から溢れ出した。
『 』
・・・やめろ。 赤い液体をそこら中に撒き散らし獣は、人は食い荒す
『 』
オレのせいじゃない。オレがやったんじゃ 人が泣き喚き、お前のせいだ殺してしまえと叫びだす
『・・ゅ・・ぅ』
・・・一瞬、誰かに呼ばれた気がした。 この闇から、オレの救世主・・・また、あの時と同じ あいつの声と手がまたここから救い出してくれるんだ。
「柊ッ!」
右の耳に衝撃。肩を揺すぶられて目を開けると、 そこはいつもの図書室だった、隣には呆れた様な不安 そうな、複雑な表情をしたあいつが立っていた。
「やっと起きた。もう5限目始まっちゃったよ」 「・・・・夢、か」 「柊、どんな夢だった?何か、うなされてたけど」
肩に置かれたままの手から伝わる体温にオレの意識は 覚醒していった。
「最初は、悪夢だったな。」 「最初だけ」 「あぁ...」 「ふーん...どうする、今から遅れてく?」 「冗談」 「だね。じゃ、また散策にでも行くとしますか」
宇宙は、あまり人に多くを聞かない。必要だろう情報 それだけを容易く選び出して、それが人にとって何か 重いものだろうと、自然に口に出す。
カタン...
オレは椅子から立ちあがると、いつもの様にあいつの 夜の学校散策に付合った。
2002年05月25日(土)
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