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■ 内密に...@晴臣
今日は昼から、委員長会議があって教師に呼び出された。 通常組の生徒でありながら、最近は夜学組の授業ばかり 顔を出してる現状。
理由は"楽しいこと"と"人"を両方見つけてしまったから
「おはよー!朝学組の貴公子が昼来るのって珍しいじゃん」 「お前こそ、同類だろうが」 「まあね、昼は宇宙も来ないし、つまらないんだけど。 仕方ないよ、今日委員長会議で呼び出しくらったんだから」 「そういえば、あいつ、どうして昼来ないんだ?」 「知らないの?」 「ああ...」
ふ〜ん。まだ、聞いてないんだ。真っ先に気になることなら この貴公子様の性格上、人にすぐ問いただすと思ってたけど 結構、思慮深かったり?
「自分で聞けば?それとも、聞く勇気がないとか」 「悪かったな」
嘘・・・冗談のつもりだったんだけど、またマズったみたい。 いつだってそうだ、宇宙の時で懲りた筈なのになぁ。 あ〜あ...どうして、ボクってこういう性格なんだろう
『どうして昼来ないの?』 『何ソレ、突然』 『宇宙っていつも元気だし、体弱くないよね』 『ん。元気だけど』 『もしかして、吸血鬼だったりして?』 『・・・。たぶん、似たようなもんだよ。ソレ』
あの時の彼は今の終司と同じように少し困り顔で、でも目は じっとボクを向いたまま答えてた。その後ボクはただ黙々と 言う筈だった『ただの冗談〜♪』を口内に閉じ込めていた。
「おい」 「え?な、何?!どうしたの!」 「それはこっちの台詞だろ。廊下の真ん中で棒立ちになんな」
どうやら、思考がトリップしていたらしく、目の前に居る 終司だけでなく、周りの生徒達が怪訝気にボクを見ている。
「あ、ごめん。・・・えっと、宇宙のこと」 「もういい。お前に聞いたのが間違いだった」
軽〜く、ご立腹マークを頭に浮かばせて、眉間にシワが入る 正面を見ると、視線がかち合って彼が口を開いた。
「自分で、聞くからいい!」
そう一言だけ残すと、そのままフイと顔を背けてスタスタと 廊下を歩く彼の後姿を見送りながら思う、朝学組の貴公子の 姿はなかったような気がする。 まるで、仲間はずれにされた子供のような哀愁があったから
・・・とは、口が裂けても、言えないけど・・・
2002年05月10日(金)
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