僕らの日常
 mirin



  内密に...@晴臣

今日は昼から、委員長会議があって教師に呼び出された。
通常組の生徒でありながら、最近は夜学組の授業ばかり
顔を出してる現状。

理由は"楽しいこと"と"人"を両方見つけてしまったから

「おはよー!朝学組の貴公子が昼来るのって珍しいじゃん」
「お前こそ、同類だろうが」
「まあね、昼は宇宙も来ないし、つまらないんだけど。
仕方ないよ、今日委員長会議で呼び出しくらったんだから」
「そういえば、あいつ、どうして昼来ないんだ?」
「知らないの?」
「ああ...」

ふ〜ん。まだ、聞いてないんだ。真っ先に気になることなら
この貴公子様の性格上、人にすぐ問いただすと思ってたけど
結構、思慮深かったり?

「自分で聞けば?それとも、聞く勇気がないとか」
「悪かったな」

嘘・・・冗談のつもりだったんだけど、またマズったみたい。
いつだってそうだ、宇宙の時で懲りた筈なのになぁ。
あ〜あ...どうして、ボクってこういう性格なんだろう

『どうして昼来ないの?』
『何ソレ、突然』
『宇宙っていつも元気だし、体弱くないよね』
『ん。元気だけど』
『もしかして、吸血鬼だったりして?』
『・・・。たぶん、似たようなもんだよ。ソレ』

あの時の彼は今の終司と同じように少し困り顔で、でも目は
じっとボクを向いたまま答えてた。その後ボクはただ黙々と
言う筈だった『ただの冗談〜♪』を口内に閉じ込めていた。

「おい」
「え?な、何?!どうしたの!」
「それはこっちの台詞だろ。廊下の真ん中で棒立ちになんな」

どうやら、思考がトリップしていたらしく、目の前に居る
終司だけでなく、周りの生徒達が怪訝気にボクを見ている。

「あ、ごめん。・・・えっと、宇宙のこと」
「もういい。お前に聞いたのが間違いだった」

軽〜く、ご立腹マークを頭に浮かばせて、眉間にシワが入る
正面を見ると、視線がかち合って彼が口を開いた。

「自分で、聞くからいい!」

そう一言だけ残すと、そのままフイと顔を背けてスタスタと
廊下を歩く彼の後姿を見送りながら思う、朝学組の貴公子の
姿はなかったような気がする。
まるで、仲間はずれにされた子供のような哀愁があったから

・・・とは、口が裂けても、言えないけど・・・

2002年05月10日(金)
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