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■ フェルメール「画家のアトリエ」
平日の上野。眩しい日差しの中公園を抜けて東京都美術館へ、【栄光のオランダ・フランドル絵画展】を観にいってきました。
前日、突然友人に誘われ、そういえば映画「真珠の耳飾りの少女」も見逃してしまったし、アジアで初公開のフェルメールの「画家のアトリエ」も見たかったので喜んでお誘いにのってしまった。
公園を歩きながら、“耳が聴こえなくなって仕事を休んで平日の昼間に美術館に行くなんていう夢のような時間を得ている私”は不幸なのか幸福なのか、またもや夢か現かっていう感覚に襲われつつも、嬉しさでニヤニヤしていたと思います。
16,17世紀のオランダ・フランドル絵画。 巨匠ルーベンスやファン・ダイクの作品もあり、聖書、神話、風俗、風景といろいろなモチーフの絵画が展示されていたけれど、 ほとんどの人の目的はフェルメールだろうなぁ。という感じで、「画家のアトリエ」の前はすごい人垣でした。
フェルメールの作品は30点ほどしかないそうですね。ファンが多いし、有名だから、30点というのは意外でした。 ウィーンでも修復やら貸出などでなかなか見ることができないのに、その絵が東京で観られる!ということで全国から人が集まってきているそうです。
遠近感が巧みで有名ですが、確かにその寸分の狂いもない距離感にすーっと引き込まれるような感覚でした。 そしてその光と影。 モデルの女性にふりそそぐやわらかい光。画家の足元にできている影。自分が部屋の陰からこっそり覗き見ているかんじで ひきつけられました。 もう、無性に「真珠の耳飾りの少女」が見たくなってしまった。時すでに遅し。吉祥寺で今日までやってたのに。 またじっとDVDの発売を待つか。ぐぅ。
他の絵もとてもよかったので満足でした。 神話をモチーフにしている絵画は結構すきです。画家によって神々の顔が全然ちがったりして面白い。 バッカスは美青年だったり、ふとっちょの中年だったりします。軍神マルスはかっこいいイメージだったけど、今日見た絵のマルスは ものすんごい弱そうなオッサンでした(笑) スプランゲルが描いたケレスとバッカスがとってもエロティックでよかったです。肌質が素晴らしい!匂いたつような感じでした。
それから、風俗画もよかったです。日常生活を描いた作品になぜか心が奪われました。 花に水をやる婦人(節度を表しているらしいです。何事もやりすぎるのはよくない、ということか。) 子供の横でりんごの皮をむく婦人(平凡なあったりまえの光景が神々しくみえたのは、自分のいまのコンディションによるものか。) などなど、とてもよかったのです。
病院にいかなければならなかったので慌しく帰ってきましたが、心に再び栄養が。 明日への活力。 大切なもの。私にとって大切なもの。 ちょっと遠出で疲れたけれど、心は瑞々しく潤っております。満足。
2004年07月02日(金)
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