きみはボクらの宝物
小悪魔研究所



 おめでとう

本日の担当:SHY

 同じ組の「れおんくん」と手をつないで廊下を歩いていくSiz。
 お世話になった先生方に「ありがとうございました」と挨拶をして回っているらしい。
 まだセレモニーが始まるまでには1時間もあると言うのに、そこかしこで元気な挨拶の言葉が飛び交って幼稚園は賑やかだった。
 そこへ先日登場の「みきこちゃん」が、4人連れでやってきた。
 私の姿をみつけると「ありがとうございました」と大声で言ってくれたが、他の3人は訝しげな顔をして「誰?」「先生じゃないよ?」「知らない人」と極めてクールな反応だ。
 私は苦笑しながら「みきこちゃん」に手を振って、彼らの姿を見送った。



 卒園証書の授与は、それなりに感動的なシーンだった。
 壇上で園長先生に深々と頭を下げるSizはとても大人びて見えたし、制服もずいぶん小さくなったものだと感じさせられた。
 お役目を終えて自分の席に戻るときの表情は「どんなもんだい」と得意気だった。
 そう、今日は胸を張って自分を誇りに思ってもいい日。



 謝恩会では先生との別れの時が近づいてきているのを感じて泣いていたSizも、今日は凛々しい顔をしている。
 写真やビデオ撮影をする側にとっては、格好の被写体だ。
 先生の掛け声で園児達が起立し、我々のへ回れ右をした。
 カメラを構えている私のところから5mと離れていないところに、Siz。
 そして卒園の歌を合唱。
 微笑む私にSizも微笑み返す。
 だが、急にその顔が涙の色に曇った。

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 ...撮影の邪魔をしないでください。


 いや、セレモニーに涙はつきものだ。
 それに値することもわかっている。
 Siz、卒園おめでとう。

2006年03月18日(土)
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