きみはボクらの宝物
小悪魔研究所



 ホールド・ミー

本日の担当:SHY

 気がつけばSizは卒園を目前にしている。
 入園の日にしみじみと色々なことを思ったが、それももう2年も前の話だ。
 1ヵ月後、Sizはランドセルを背負って小学校へ通うようになる。
 本当か、おい。


 さて、先週末は幼稚園の謝恩会だった。
 kinaが役員をしているため、父親の列席が認められない事情をよそに私はそこにいた。
 もちろん、タダというわけにはいかない。
 ビデオ撮影という、失敗の許されない仕事を頂戴した。

 華やかな宴はなかなか感動的であった。
 園児達はパーティ会場(結婚式場)という環境にはしゃぐばかりだが、先生や母親達の目には光るものが見え隠れしたりして、やはり最前線で子供達と正面から取り組んだ人達にとっては、感無量なのだと改めて思ったのだった。
 気がつくとSizははしゃいでいる友達とは違い、独り自分の席で泣いている。
 何かトラブルでもあったのかと、近くへ行って事情を聞くと彼女は言った。
 「さみしいの」
 Sizはどうやら先生、母親チーム側のようだ。



 Sizと同じテーブルに「みきこちゃん」が座っていた。
 私と「みきこちゃん」は参観日などで顔見知りで、会うたびに挨拶をする仲なのだ。
 「だっこして」
 自分の娘以外にこんなことは言われたことがない。
 私は人差し指を立てて笑いながら応えた。
 「他の男の人が抱っこしたら、みきこちゃんのパパに怒られちゃうよ?」

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 ...魔性の女、なのである。

2006年03月12日(日)
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