きみはボクらの宝物
小悪魔研究所



 自家製デート

本日の担当:SHY

 「キミはいつまでつきあってくれる?」
 何のことかと言うと、ベランダでの喫煙のこと。

 私がタバコの箱を手に取ると、Sizはそれを見逃さない。
 「Sizもおんもいく〜」
 完全なマンツーマンである。
 しかし、最近は寒い。
 それに彼女と一緒だと、ゆっくりできないのだ。
 「だっこ〜、ぶ〜ぶみる〜」
 「ばいく、のるね〜」
 色々とそんなリクエストがあるわけで。
 だから、私は風呂上がりにタバコを吸いに行くようにしている。
 私は脱衣所で着替えを済ませ、Sizは裸のまま部屋まで戻ってくるから。
 行きたい、と言うと「服着てからね」と説得できるのだ。
 そしてkinaに「できるだけ、ゆっくり着替えさせて」と耳打ちして姿を消す。


 しかし、どうも精神的にはよろしくない。
 悪いことをした、と思う部分もあり。
 また、いつくるか、と視線が部屋の方ばかりを向いていたり。
 結局、そんなことが気になってしまって、私の滞在時間は短縮される傾向にある。
 この前は窓を開けたところで、着替えを済ませてお気に入りのテディベアを抱えたまま走ってきたSizと鉢合わせした。
 「おわり?」
 そう訊いた彼女の顔は、どこか寂しそうだった。


 こんなに傍にいたがってくれるのは今ぐらいであろうし、無理に遠ざける必要もないと思った日。

2002年11月15日(金)
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