2013年08月06日(火)  先生の一言@堺市中教研講演

とても不鮮明な写真。
目をこらすと、照明を落としたホールと客席、手前の舞台に立つわたしの後ろ姿が浮かび上がってくる。



そこは、大阪府堺市の教育文化センター「ソフィア堺」。
4月に「堺・教師ゆめ塾」の講演をした大教室よりさらに大きなホールで、講演する機会をいただいた。

集まったのは、堺市の中学校の先生方。恒例の「中教研」なる勉強会。小学校の先生もあわせて有志の350名の先生方に講演を聴いていただいた。

講演のタイトルは、おなじみの「石ころを宝石に〜なんで?とそんで?で光らせる」。
今回は「先生の一言」の重みを意識してお話しした。

「今井には今井の色がある」とわたしの描く絵と書く文章をほめてくれた、美術担当で一年の担任だった先生。
文化活動発表会での演出に指名され、張り切り、自信をつけたことが、今につながっている。

原稿を応募した一人一人に手書きのコメントを返し、「自分は才能があって見込まれたんだ」とわたしを勘違いさせて勢いづかせてくれた、新井一先生。
お会いしたことのない恩師のおかげで、わたしは脚本家デビューをつかんだ。

先生の一言で、自信もやる気も、いとも簡単に膨らんだり萎んだりする。
だからわたしは、脚本を教えるときも、その人のいいところを見つけるようにしている。

脚本の場合は、「枠にはめこむ」のではなく「枠からはみ出す」ことが大事。そして、「一つの正解へ導く」科目とは違い、脚本には何通りもの正解がある。だから、「個性」とも呼べる一人一人の答えの違いを面白がれる。それが「自信」や「自尊」につながり、「力」になるのではないか。

そんな話をした。

質疑応答を含めて2時間の予定が、質疑応答の時間まで使い切ってしまい、感想と質問をいただけなかったのが残念。
なにか大きな忘れ物をしてしまった気持ち。

わたしの講演は、聴かれる方の声を得て完成させてもらうものなのだとあらためて感じた。

日本の「伝力」不足解消へ。
次回は9月の賢治祭に合わせて花巻にて講演予定。

2012年08月06日(月)  最も美しいラブレター『絶後の記録』
2010年08月06日(金)  シュワシュワを飲みたい2010夏
2009年08月06日(木)  すみずみまで水野仁輔君のカレー本と「かがり火」
2008年08月06日(水)  東京大地震の代わりに、小さな天災。
2006年08月06日(日)  アシナガバチの巣
2005年08月06日(土)  下垣真希 平和のリサイタル『命かがやいて』
2004年08月06日(金)  シナリオ『父と暮らせば』
2002年08月06日(火)  『絶後の記録〜広島原子爆弾の手記』

<<<前の日記  次の日記>>>