2009年08月06日(木)  すみずみまで水野仁輔君のカレー本と「かがり火」

料理ユニットの東京カリ〜番長で活躍する水野仁輔君から「新刊本を送ります」と、3冊が届いた。『ニッポン・カレー大全』と『インドカレーキッチン (MARBLE BOOKS―daily made)』と『カレーになりたい!』。カレーネタでこれだけ立て続けに本を出せるのはすごい。水野君の作るカレーも好きだけど、彼が綴るカレーは、愛と感謝にあふれていて、なんとも味がある。幼い頃の隣人のインド人一家仕込みの本場の味が刷り込まれてカレー体質になってしまったわたしは、水野君の筋金入りのカレー愛にも「本物」を感じてしまう。

東京カリ〜番長がカレーをオシャレな存在に仕立てたのは、手がける本や印刷物のクオリティの高さが大いに貢献していると思う。添えられたスパイス番長(カリ〜番長とは別にスパイス料理を研究する四人組)のカードも、写真、デザイン共に品があり、飾りたくなるセンスの良さ。さらに、レシピカードにはレシピ開発者が食材の作り手などにあてた手紙が添えられていて、愛とユーモアがあふれた文章をすみずみまで読んでしまう。3冊の本もすみずみまで味わいたい。

すみずみまでといえば、先日「瀬戸内国際子ども映画祭」の準備会(>>>日記)のときに小豆島オリーブランドの柳生好彦会長から紹介された「かがり火」という地域づくりの情報誌を一冊持ち帰った。レイアウトがかっちりしていて、ちょっと官公庁の出版物っぽいお固さがあるのだけど、文章はとても読みやすく、よく調べ、よく書き込まれていて、読み応えがある。

その中に、ドキュメンタリー映画『オオカミの護符』の由井英監督のインタビューを見つけて読んでいて、「!」となった。今も民間に残るオオカミ信仰を扱ったこの作品の舞台は神奈川県宮前区土橋だという。文京区に引っ越してくる前、大阪から上京したわたしが10年前暮らした住所なのだった。田園都市線鷺沼駅近くにひらける「新興住宅街」だと思っていたら、昔から集落がある地区で、そこにオオカミ信仰が根づいているのだという。映画の存在は新聞記事で知っていたけれど、こんな風にかつて暮らした町とつながるとは驚いた。

すみずみまで読んだご褒美のように出会える発見は、ほくほくとうれしくなる。

2008年08月06日(水)  東京大地震の代わりに、小さな天災。
2006年08月06日(日)  アシナガバチの巣
2005年08月06日(土)  下垣真希 平和のリサイタル『命かがやいて』
2004年08月06日(金)  シナリオ『父と暮らせば』
2002年08月06日(火)  『絶後の記録〜広島原子爆弾の手記』

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