縁あって「光輪花」という生け花に出会い、今週、二度体験する機会を得た。この過程、脚本作りにとても似ている。まず、いくつかあるお花をじっくり眺めて、一輪を選ぶ。次に、その一輪をじっと見つめて、対話する。正面から、横から、いろんな角度から。花だけでなく葉っぱや茎も。じっくり見て、どこがこの花の持ち味だろう、と観察する。つぎに、花器を選ぶ。立派な焼き物の器でなくても良い。ドレッシングのガラス瓶やペットボトル、水差しだって花器になる。どんな器に生けると、この花が映えるだろうと思いをめぐらせ、ひとつを選ぶ。花器を決めたら、花をどう生けようか、考える。茎の長さはどうしよう。葉っぱは間引いたほうがいいかもしれない。茶色くなったところを取り除いたほうが、花が映えそう。花と花器がいちばんしっくり来る形を考えて、必要ならハサミを入れる。選んだのは、オレンジに赤い斑入りの花。檜扇(ひおうぎ)という。辞書で「檜扇」を引くと、見開きの隣のページに「美育」があった。昭和44年版の同じ辞書に「食育」はなく、「美育」という言葉のほうが歴史が古いらしい。美しいものを愛でて心を豊かにする「美育」の力を先生は信じている。その言葉が、わたしの選んだ花の名前と辞書のご近所さん。花に呼ばれたような気持ちにもなって、なんだかうれしい。花器に生けたら、いろんな角度から見てみる。正面はこっちと決めて、それに縛られることはない。生けてみて、こっちから見たほうがいいなと思ったら、そこを正面にする。心のまま。自由。「終わりましたか?」と先生が聞かれる。これでよし、定まった、と思ったら、終わり。終わり、というのは、生けきった、ということ。花。花器。花の長さ。葉っぱの数。角度……。たった一輪でも無限の生け方があって、何を選ぶかに「個性」が表れる。そこが、脚本づくりととても似ている、と感じるところ。花と向き合う心は、子育てにも通じるところも。この子のいいところはどこだろう、とじっと見てみる。そのいいところを光らせるには、どんな環境がいいだろうと考える。一輪を光らせるように、一人を光らせたい、と思う。そして、いくつもある選択肢からひとつを選び続けて、終わりにたどりつくのは、「人生」そのもの。大事なのは「じっくり考えて自分で選ぶ」こと、「選んだ結果に満足する」こと。一日一日に一輪のように向き合っていけたら……。そんなことまで思いを馳せさせてくれる、奥深い生け花。先生のお宅から持ち帰って、わが家の器に生け直した。花器に選んだのは、きれいな色のワインボトル。檜扇の隣は、スカシユリ。スカシユリの葉っぱを大胆にむしって、花のまわり以外は丸裸にむいてしまい、先生に驚かれた。それも個性、それもまたよし。子どもにもぜひ体験させてあげたい、と思っていたら、ちょうど文京区で夏休みに子ども生け花講座が。>>>こらびっと文京 夏休み!わくわくお花をいけてみよう費用は実費300円。実費(お花代)にアシが出てしまうのではと心配になるほど良心的なお値段。親子での参加もできるようなので、ぜひ。>>>今日の日記をTweetする 2012年07月12日(木) なんだかモヤッとする文京区育成室保育料激変値上げ2010年07月12日(月) 7/21多摩で『ぼくとママの黄色い自転車』野外上映2009年07月12日(日) 朝ドラ「つばさ」第16週は「嵐の中で」&「ラジオぽてとin渋谷」2008年07月12日(土) ログ解析〜みなさんどこから飛んで来るの?2005年07月12日(火) 『子ぎつねヘレン』打ち上げで ipodをゲット2003年07月12日(土) 15年目の同窓会2002年07月12日(金) 『真夜中のアンデルセン』小原孝さんのピアノ収録2000年07月12日(水) 10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)
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