大阪京橋にある太閤閣で開かれた「十日会」十二月例会にて講演。十日会とは、一般社団法人大阪建設業協会の会員会社のうち大阪府下に本・支店を置く中堅建設会社の代表者有志の月例親睦会。
ここの会長である今西邦夫氏が母校・三国丘高校の同窓会会長も務められていて、6月の同窓会総会での講演を最前列で聴かれて「うちでもやって。おいしいワイン用意するから」とその場でスカウトされたのだった。どうやら講演で知らず知らずお酒の話をしていたらしく、酒好きに違いないと思われたそう。
一年の納会である十二月例会ということで、20社から社長と部長課長クラスの方々も参加。70余名の出席者は全員男性という新鮮な眺め。
「ドラマを建てる」と題して、約60分。脚本はよく設計図にたとえらえる。ドラマも映画も限られたお金と時間と人材から最大限の結果を出すことが求められる。大掛かりな作品は何億、何十億単位のお金が投じられ、何年もかけてプランが練られる。
そして、脚本家は、使える「アイデア」と「代案」を出すことで次の受注につなげていく。条件に合わずに最初にやりたかったアイデアが実現しないことはよくあるが、「アイデアを削る」のではなく「もっと面白い代案を出して磨く」気概が大事。
都合のいい宝石など、転がっていない。自分たちが「石ころを宝石に」彫刻していく気持ちを持って、ネタを拾い、磨いていく。石ころの面白いところを見つけて磨くコツは、「なんで?」「そんで?」と想像力を働かせること。さらに、自分ひとりの考えではなく、いろんな人からの意見を「拾う、つなぐ」ことで、石ころの輝きは多面的になる。
そんな「次につなげる」ための発想法を映画『パコダテ人』『子ぎつねヘレン』や朝ドラ「てっぱん」の事例とともに紹介した。皆さん熱心に聞いてくださり、メモを取る手元が動くのが壇上から見えた。
その後の懇親会では、「びっしりメモ取りましたで」「朝礼で使わせてもらいますわ」「私もあちこちの建物を眺めながら、ネタ探ししてます」などと気さくに話しかけていただいた。なかには「嫁姑話が参考になりました」という方も。姑とのあれやこれやもネタにすればストレスにならない、という話がいちばん笑いを誘った。
出席者は男性ばかりだけど、華やかなコンパニオンさんたちがお酌やらお食事の取り分けやらをしてくださり、わたしは飲み食いおしゃべりに専念。大阪のコンパニオンさんたちは大阪弁でくだけたトークができて、見ていても楽しそう。
建設業界は厳しい時代が続き、暗く沈んだ納会になる年もあるそうだけど、「今年は皆さん明るいわ」と今西氏。今月で十日会会長の任期を終えるので、最後の仕事にわたしを呼んでくださったことになるが、「ええ締めくくりになったわ」と笑顔だった。
今西氏の約束通り、持ち込みのおいしいワインが充実。立食パーティでこんないいワインいただけるなんて、と感激しながらおかわり。「そんなにお好きなら」と飲みかけのボトルに栓をして持たせてくださる。帰りかけに、事務局の方が後ろから追いかけてきて、「さらがありましたで〜」と封を切っていないボトルまでいただいた。
大阪の講演はおもろいなあ、と一本半のワインの重みを抱いて、心地よいほろ酔いで東京に戻った。
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