行くたびに、いっそここに住みたいと思ってしまう街、鎌倉。友人セピー君のセカンドハウスがある縁で、ちょくちょく遊びに行っている。そこを拠点に、そのときどきの気分で、どこを歩くか、何を見るかを決める。今日は鎌倉駅界隈に新しく出来た店をひやかしてから、セカンドハウスで夕食というプラン。
心ひかれる新しい店がいくつかできていた。しらす丼を食べたいねとなり、チェーン展開しているBOWLSという丼カフェへ。ラウンジ風のソファでいただく丼が新鮮。しらす丼はわかめとごまたっぷり。わたしは鶏の唐揚げ丼。子連れにはソファもうれしい。けっこう強気な価格設定で、休日のにぎわいもあって20分ほど行列に並んだが、ゆっくりできた。
鎌倉駅方面へ戻る途中に、間口の小さい、異様ににぎわっているドーナツ屋を発見。オープンして間もないらしい。ここのドーナツむちゃくちゃうまいよと地元のセピー君が絶賛したので、ひとつ買い求める。「とんびにさらわれないようご注意」と店員さんに言われるのが鎌倉らしい。ほんとに、むちゃくちゃおいしかった。揚げてあるのに、軽やか。
後で調べるとフロレスタというお店。
由比ケ浜のほうへ、お店を冷やかしたり、燕の巣を見上げたりつつ、汗をかきかき歩く。BOWLSで合流した、鎌倉山で陶芸教室をやってるダンちゃんが、たまを肩車してくれた。
わたしの元同僚のいづみさんが子ども時代によく行った「ギルド」というお店を通りがかる。いづみさんに教えてあげよう、と店の写真を撮っていたら「記念にお土産を贈ったらどう?」とセピー君。プラスチックの指輪やキーホルダーやストラップに電動ニードルで名前を入れてくれるお店。こういうの、たしかに、わたしが子どもの頃もあって、夢中になった。
年齢不詳のアネゴのような人が一人でカウンターの中で名前を彫っている。名前を入れたアクセサリーを、手の形をしたオブジェにのせて、スイッチを押すと、手がぬっと客のほうへ突き出される。その瞬間に、たまはいたく興奮していた。
「ギルド」の近くに「ジャックと豆の木」という客が一人ずつしか買い物できない小さな小さなパン屋があり、ここはただものではないと嗅覚がピーンと反応したら、ダンちゃんが「うまいですよ」と太鼓判。スコーンとレーズンたっぷりパンとメロンパンで1000円超え。これでおいしくなければ行列はできますまい。
晩ご飯は地元の新鮮な魚のアクアパッツァと、先日京都のMさんがわが家で実演してくれた娼婦のパスタ。ワインが進み、次々と空いた。
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