娘のたまは2日前の11月22日に3歳3か月になった。ここ数か月、すっかり忘れたかのようにビデオを観ていない。読書の秋を意識したのか、この一か月はとにかくよく本を読んだ。本棚からどっさり取り出し、次から次へと読んでとせがみ、さらに同じ本を何度もせがむので、ひと晩に十数冊、のべにするとその倍を読むことになる。おかげでわたしもずいぶん絵本の朗読には自信がついた。
今やドラマの現場で「本読み」といえば役者さんが脚本を読み合わせることだが、その昔、本読みといえば、脚本家が役者を前に読み上げ、意図やニュアンスを伝えたものらしい……とアンデルセンの自伝に書いてあった。脚本家にとって、音読する習慣を持つというのはいいことだ。
たまが絵を見ながらお話をつけるようになったのも最近のこと。ずいぶん言葉が豊かになったなあと感心する。実に楽しそうにお話を作る。わたしは子どもの頃、「つるのおんがえし」の絵本を開いて、「わたしは ほんまは つるやったんです」と大阪弁で読み上げていたらしい。
ダンボールに引っぱり紐をつけた船に乗り込んだり、お人形を乗せて引っ張ったりという素朴な遊びを好む。アナログ派のわたしは、電池を使わない低カロリーのおもちゃで工夫して遊んでくれるのがうれしい。
語彙がふえて、おしゃべりもますます面白くなった。
「ママが ちいさくなっても このふく あげないから! ママが あかちゃんになっても だっこしてあげないから!」
これは、わたしの仕打ち(と本人は思っている)に腹を立て、精一杯抗議しているつもり。だけど、かわいくて、にやにやしてしまう。
「パパは たまちゃんと あそびたくて はやく かえってくるんだよね」
などとナルシストな発言が目立つ。愛されているということを疑わない幸せな季節だ。
アエラの開いたページに容疑者の写真が載っているのを見て、「なに これ? へんな ひと」と興味津々。たまたま手にしていたこんぶで目を隠し、目張りの真似をしておどけて見せる。犯罪も殺意も目張りの意味もまだ知らない。これもまた幸せな季節だ。
2007年11月24日(土) マタニティオレンジ206 はじめて手をつないで散歩
2006年11月24日(金) マタニティオレンジ32 「手で舐める」ベビーマッサージ
2002年11月24日(日) TAMA CINEMA FORUM