朝の情報番組で「森ガール」なる言葉を知る。昨日の「リア充」といい、知らない言葉が多い。広告会社勤めを続けていれば、情報にアンテナを張った同僚たちから即座に伝わっただろうことが、こもり型フリーランス仕事をしていると、知るまでの時差が生じる。
「森ガール」とは「森のそばに住んでいそうな女の子」を指し、彼女たちが身にまとうものにその特長があらわれるらしい。原色ではないナチュラルな(森にありそうな)色使い、体をしめつけないゆったりしたライン、森の動物たちを思わせるふわふわ、もこもこした肌触りを好むという。森と相性のいいおとぎ話に出てくる世界観も好む。たとえば、赤ずきん。
テレビ画面に映っていたものも、もしかしたらそうかもしれないが、わたしがここ数年愛用しているfranche lippee(フランシュリッペ)のファッションは、まさに森ガール風。Baby Jane Cacharel(ベイビージェーンキャシャレル)の日本撤退にショックを受けたとき、失望を埋めるかのように目の前に現れたこのブランドの、「着られる絵本」のような服に一目惚れしては、ワードローブに加えている。春には「不思議の国のアリス」をモチーフにしたワンピースの大人用と子ども用を微妙にデザインの違うおそろいで買い求めた。情報番組によると「親子で森ガール」という人たちも見受けられるらしい。
森ガールは人が集まる繁華街や夜のにぎわいよりも静かで穏やかな時間を好み、家でお茶をするのがいちばん落ち着くのだという。それはわたしにも言えること。
わたしって、森ガールだったのか!
そう思ったとき、記憶の底から浮かび上がった情景は、会社でひとつ後輩の男の子と会話しているわたしの姿。5つほど下の新入社員の女の子たちを「あの子は○○系ギャル」などと分類したのち、「わたしは何系ギャル?」と聞くと、その男の子は「今井ちゃんは、もはやギャルではない」。あれから10年あまりの歳月が経っているし、とっくにギャルでないなら、当然もはやガールではない。
森ガールでないとしたら、森女?
なんだか、森の奥でスープをぐつぐつ煮ている魔女みたいだ。
2008年11月12日(水) いろんな思いがぐるぐると『ぐるりのこと。』
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2004年11月12日(金) 何かと泣ける映画『いま、会いにゆきます』
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2000年11月12日(日) 10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)